仕事や恋愛で心が疲れた時の本10選。臨床心理士レビュー付き

2018.12.23公開 2019.05.16更新

心が疲れた時に読みたい本10選

仕事や恋愛に疲れて心が「重たい」と感じるとき、手に取りたい本をいくつかピックアップしてみました。

 

上に挙げた3つのポイントに加えて、出来るだけ多様なジャンル・作者を心がけて選んでみましたので、参考になれば嬉しいです。

 

*以降の画像はamazonアソシエイトより

 

「もものかんづめ」(さくらももこ 著/エッセイ)

 

【レビュー】

言わずと知れた国民的アニメ「ちびまる子ちゃん」の作者による、短編エッセイ集です。

 

日常で起きるささいな出来事が、独特の感性でつづられています。

 

仕事観や結婚観にも触れられており、作者の持つ思い切りの良さや苦境をユーモアで昇華させる芯の強さに勇気をもらいます。

 

「ぽてんしゃる。」(糸井重里 著/エッセイ他)

【レビュー】

エッセイや詩、写真から成る一冊。

 

心の糸が張り詰めている時に読むと、ふっと胸が軽くなります。

 

心が疲れた時ほど、「じょうずにさぼって、どこかで笑ってこよう」という作者の言葉がリフレインします。

 

優しい雰囲気に満ちた本です。

 

「貴様いつまで女子でいるつもりだ問題」(ジェーン・スー 著/エッセイ)

 

【レビュー】

「女は生涯、いち女子であります」と言い切る著者が、結婚や恋愛、女(男)友達との付き合い方など、女性の生き方についての信条を語っています。

 

「SNS疲れ」といった言葉も生まれた現代において、女性が「自分のために」「自分らしく」生きることの難しさと大切さを等身大の言葉で考えさせてくれます。

 

「そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります」(川上未映子 著/ブログ)

 

【レビュー】

芥川賞受賞作家のブログを書籍化したものです。

 

生活上の問題や仕事、男女関係、思想、あらゆるテーマを勢いのある文体とエッジのきいた関西弁で書き上げています。

 

「私はゴッホにゆうたりたい」は、目標に向かうことに疲れてきた人へ特におすすめしたいです。

 

「バッタを倒しにアフリカへ」(前野ウルド浩太郎 著/ノンフィクション)

【レビュー】

昆虫の「バッタ」に魅せられた著者が、「サバクトビバッタ」を追って単身アフリカへ乗り込むお話です。

 

一人で地球の裏側に行ったはいいものの、思うように研究成果が上がらず資金も底をついてきて…

 

ここには書ききれないような逆境に著者は何度も立たされることとなりますが、彼は研究への熱意と誠実さを絶やしません。

 

仕事に迷いが生まれたとき手に取りたい一冊です。

 

「アルケミスト 夢を旅した少年」(パウロ・コエーリョ 著/小説)

【レビュー】

エジプトへ旅する少年を題材にした、ファンタジー作品です。

 

巡りくる困難に打ち勝ちながら旅を続ける主人公に、夢や目標を追い続けることの尊さを感じることができます。

 

「私は過去にも未来にも生きていない。今だけにしか興味を持っていない。人生は今私たちが生きているこの瞬間です」という一節には、心を動かされました。

 

世界的なベストセラーでもあります。

 

「蛍、納屋を焼く、その他の短編」(村上春樹 著/小説)

【レビュー】

短編集。文章が平易ですらすらと読むことが出来ます。

 

結末が抽象的であるものが多いため、ぼんやりとその余韻に浸ることでき、気分転換にも良いでしょう。

 

各話もそれほど長くないので、ちょっとした空き時間に気軽に読むことができます。

 

「嫌われる勇気」(岸見一郎、古賀史健 著/心理学)

【レビュー】

他者や外部からの評価に振り回されず、自分自身として生きていくためにはどうすればいいか…ということを考えさせられる一冊。

 

苦手な人がいるときや人間関係に疲れたときに読むと、ラクに生きていくためのヒントを見つけることが出来ると思います。

 

「こころの処方箋」(河合隼雄 著/心理学・エッセイ)

【レビュー】

日本を代表する臨床心理学者であった、河合隼雄氏によるエッセイ集です。

 

「マジメも休み休み言え」「道草によってこそ『道』の味が分かる」など、著者の人柄が伝わってくるような穏やかな言葉があふれています。

 

疲れた心を癒す一節がきっと見つかるはずです。

 

「生きるとは、自分の物語をつくること」(小川洋子・河合隼雄 著/心理学・対談)

【レビュー】

先述の河合氏と、小説家である小川洋子氏との対談を文字に起こした一冊。

 

人生において時折訪れる「受け入れられそうにない現実」と、どのように折り合いをつけて生きていくか…

 

そのエッセンスを、二人の会話に見ることが出来ます。

 

「人間は矛盾しているから生きている」という一言には、感じ入るものがありました。

さいごに

本を読むことは、自分以外の誰かの考え方や人生に触れることであると思います。

 

そして、その中からくみ取ることのできる学びは、とても多いのではないかと感じています。

 

あなたにとっての「心のサプリ」として、お気に入りの一冊が見つかりますように。

 

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鈴木さやか

臨床心理士・公認心理師

心理系大学院修士課程を修了後、臨床心理士資格を取得。福祉分野のケースワーカーとして従事したのち、公的機関でテスター兼カウンセラーとして勤務。子どもの問題(不登校、非行、発達障害等)や労働、夫婦問題をはじめ、勤労者、主婦、学生など幅広い立場への支援を行っている。

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2018年12月23日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。