中年の危機でうつかも…5つのチェックポイントと対処法を臨床心理士が解説

2019.08.01公開 2019.08.26更新

5つのうつチェックポイント

中年の危機は、すぐに解消する方もいれば数年単位で続く方もいらっしゃいます。

 

この場合、落ち込んだ気持ちが続くため、ただのストレスではなく“うつ状態”といった精神的問題につながることもあります。

 

以下の項目に該当する場合、ご自身の落ち込みがうつ状態である可能性もあります。

 

1.抑うつ気分

気分の落ち込み、もしくはいら立ち。悲しい、絶望的、自分には価値がないといった気持ちが2週間以上続く。

 

2.自責の念

過度な罪責感の増加。人に迷惑をかけた、間違えたことをしたというように自分を責めてしまう気持ちが2週間以上続く。

 

3.睡眠問題

不眠または過眠。睡眠に問題が出る。眠りにつくまでに1時間以上かかることが1週間に3日以上ある。またその状態が2週間以上続いている。

 

眠りについた後、夜中に目が覚めてしまい、再度眠るまでに1時間以上かかる。またそういったことが1週間に3日以上有る。

 

4.興味や喜びの減少

いつもしていることが楽しいと思えない(仕事・プライベートなど)。

 

いつも楽しみにしているテレビを見ても面白いと思えない、仕事をしてもやる気が湧いてこない。

 

5.易疲労感

疲労感や体の痛みの増加。ちょっとしたことで体がとても疲れてしまう。背中の痛みや肩こり、頭痛など全身に痛みがある。

 

 

うつかもと思ったら。3つの対処法

1.何もしない休養

心の疲労回復のために最も大切なことは休養です。

 

上記の項目に該当する場合、まずはゆっくりと心と身体を休めましょう。

 

1番簡単にできる休養は“何もしないこと”です。

 

スマホやPCのスイッチをオフにしてゆっくりと眠りましょう。

 

人と相談することもおすすめですが、それもエネルギーを消費します。まずは休めることが重要です。

 

2.医療機関への相談

不眠や食欲不振等が続く場合は、メンタル以外の問題によって引き起こされている可能性も考えられます。

 

まずは内科に受診し、それでも原因がわからない場合はメンタルクリニックへの受診をおすすめ致します。

 

投薬やカウンセリングなど、あなたの症状にあった対処方法を試してみましょう。

 

3.環境調整

例えば両親の介護問題など、現実問題を解消しないと解決されない課題もあります。

 

こういった場合は周囲の手やケースワーカーさんのサポートを借りながら、実際の環境調整を行うことが精神状態の改善を促進する可能性があります。

 

まずはご自身の精神状態の改善が最優先です。

 

少し回復が見えてきたころで環境調整を行うこともおすすめです。

 

 

さいごに

中年の危機は多くの方に生じます。長引く場合は10年単位でうつ状態が続く方も。

 

ただの落ち込みや気の持ちようと捉えず、たくさんのサポートを活用しながら解決方法を見出すことが大切です。

 

一人で抱え込まず、専門家の手を借りてみてくださいね。

 

【参考】

Midlife crisis: helping patients cope with stress, anxiety, and depression.

GRID ハミルトンうつ病評価尺度(GRID-HAMD)

 

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広瀬絵美

臨床心理士

心理学の大学を卒業後、広告会社にて勤務。退職後、心理系大学院修士課程を修了し臨床心理士資格を取得。精神科病院にて従業員のメンタルヘルスケア業務に従事する。また、国立研究所にて職場組織や妊婦さんのメンタルヘルスに関する研究にも携わっている。理想的な「ワークライフバランス」を目指し、研究と実践の両面から支援を行っている。一児の母。

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2019年8月1日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。