【メラビアンの法則】言葉以外の93%と日常会話への活かし方を臨床心理士が解説
コミュニケーションへの5つの活かし方
1. 伝えたいことは言葉と態度の両方で
楽しそうに「心配だ」と言っても伝わりません。
また、心配そうにしているだけでも相手には伝わりにくいです。
伝えたいことがある場合、その言葉の内容と表情や態度を一致させることで伝わりやすくなります。
上記の例ならば、心配していることは、真剣な表情で伝えることが大切です。
2. 自分の心の中の動きを知る
表情や話し方など、自分の心の状態が影響してきます。
無意識にイライラしていると、自分では気づかぬうちに言葉がきつくなってしまったり、表情が険しくなってしまうことがあります。
心と言葉が一致するためには、まずは自分の心はどんな状態か気づいておくことも大切です。
3. うまいことを言おうと思わない
うまいこと、つまり、ユーモアがある表現はポジティブな印象を与えるといわれています。
ただ、「伝えよう」という姿勢を見せることでも相手にポジティブな印象を与えることができます。
言葉の内容にこだわりすぎないで、伝えたい気持ちを意識することも大切なのかもしれません。
4. 自分を一歩引いた視点で見てみる
話しているときに、「話している自分を眺めているもう一人の自分」を想像してみると、相手にどんな影響を与えているか考えることができます。
どんな姿勢か、声のスピードはどうか、表情はどうかなど。
心理学では「メタ認知」と言われる心の機能です。
慣れていないとはじめは難しいですが、意識していくことでうまく使えるようになるといわれています。
5. 自信がないときは口角をあげて胸を張って
どんな言葉で伝えようか、を考えることもとても大切ですが、視覚的な情報の与える影響を考えると、自信がないときこそ「ポジティブな印象を与えられるような姿」を意識することも大切です。
見た目から、というわけではないですが、口角をあげて胸を張ってみるだけで相手に伝わる印象は大きく変わってくるかもしれません。
さいごに
コミュニケーションは言葉だけでなく、複数の要素から成り立っています。
また、今回は話し手だけに言及しましたが、受け手の考えや価値観、関係性などによっても大きく変わってきます。
言葉で伝えることが苦手と思っている人は、自分の見た目、話し方、相手との関係性などさまざまな次元からコミュニケーションのスタイルを見直すことでなにかヒントが見つかるかもしれません。
【参考】
Personality & Communication: Psychological Books & Articles of Popular Interest
橋本 和奈実(2017)音声の発話速度の連続的変化と聴者の性別が印象形成に及ぼす影響 日本認知心理学会発表論文集 , 80
佐々木美和(2006) 会話中の不一致メッセージが受信者やの帰属、感情、行動に与える影響 社会言語化学,9,37-47
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- 本記事は2019年9月18日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。