統合失調症は完治しますか?

2017.03.08公開 2018.07.23更新
加藤たかこ

回答者
加藤たかこ
臨床心理士

ご質問

以前はうつ病で、昨年から統合失調症を患っていますが完治させたいです。今、具体的に悩んでいることは、

 

1、一年ほど前に体調崩して、短期間しかできなかった仕事を辞めてしまい、それ以降、無職の状態が続いていること。(今までたくさん仕事しましたが、長続きしませんでした)

 

2、退職後、デイケアと通院で様子見ですが、一年たっても一向に精神状態が良くならないことにより、将来への不安があること。

 

そして主治医からは毎回「無理しないで」と言われて、不安にもなります。

 

3、人と接したり、話し声がすると被害妄想が高まって落ち着かなくなること。

 

4、精神疾患だけでなく、側わん症もあり、荷物を持つことや数時間以上行動すると激しい痛みがあることです。

 

そのため、今は家で療養しつつ、散歩や好きなことをして紛らわせています。

 

ですが、ずっとそうすることは家族にも迷惑かけてしまうので、なんとか前に進めることを探しながら障害年金で生活しています。

 

長文になってしまいましたが、これらの悩みが解決できればと思い、相談させていただきました。

回答

初めまして。投稿を拝見致しました。

 

現在、療養中とのこと。なかなか先が見えづらい状況なだけに、さぞかし感じていらっしゃる不安も大きいことと思います。

 

また、つい周囲や過去の自分と現在のご自分を比べ、焦ってしまわれることもあるかもしれませんね。

 

ただ、投稿者様にはそう思えないかもしれませんが、私には投稿者様が一歩一歩、着実に歩みを前に進めているところもあるように感じます。

 

例えば、投稿者様は、診察とデイケアをこの一年間、継続的に通っていらっしゃってきました。そのように継続的に取り組めたのは、投稿者様の持つ力以外に何物でもありません。

 

週5日のフルタイムでも、月数回のアルバイトでも、多くの仕事では、家の外に出ていくことの他に、他者と関わりを持ち続けることがコンスタントに求められます。

 

また、仕事上のクライエントと約束を取り交わしたら、その約束の時間に約束した場所に出向かなければなりません。

 

それは、投稿者様が予約した診察の時間に間に合うよう病院に出向くのと、同じことです。

 

投稿者様は通院を継続する事によって、そういう訓練を自然とされてきました。そして1年間、きちんとそういった課題を果たされてきました。

 

また、働き続けるのには体力も必要です。散歩に出て歩くことは有酸素運動にもなり、体力の維持・向上につながります。

 

その他、金額は多くは無いかもしれませんが、障害者年金の受給によって、定期的な収入の保証を受けていらっしゃいます。

 

地域によりますが、障害者年金を生活ホームの費用にあてて、障害者年金と作業所の工賃で衣食住の費用を賄っている方も大勢います。

 

そういった方法で、実家から出る方法も立派な自活の1つではないでしょうか。

 

そのような方法で、親に頼らず生活している方が実際いらっしゃることを考えると、投稿者様は最低限の生活が行えるだけの基盤を既に作っていらっしゃいます。

 

医師との話の上で、そういった福祉の力を使うことを選び取れたのも、投稿者様の力です。

 

うつ病や統合失調症の治療は、病気を克服していくとか完全に治すというよりは、病気と付き合いながらどう生活を送っていけるようになるかというイメージを持って頂いた方が適切かもしれません。

 

これは治らないということを意味してるのではありません。うつ病や統合失調症も、治療をすることで良くなっていった方もたくさんいます。

 

しかしながら、病気からの回復が完治ではなく、寛解(かんかい)という言葉で表現されるだけあって、良くなった後も再発予防に気を配った生活が求められます。

 

その為、良くなったり悪くなったりを繰り返し、全く前進していないように感じることが多いかもしれません。

 

ご自身が、ただ好きなことをしているだけに思えてしまうこともあるかもしれません。

 

けれども、実はそうやって今までやってきた1つ1つのことに、きちんと治療的な意味があり、投稿者様は病気との付き合い方をきちんと学んできていらっしゃったように思うのですが、如何でしょうか?

 

ただ、病気はあっても、心の中まで病人になってはいけません。

 

もしかしたら、医師の言う「無理をしないで」は、病気のことを忘れて楽しめる時間をもっと持っても良いのだ、という意味も込められているのかもしれませんね。

 

また、もし今までの生活が前進していないように感じることがおありでしたら、

 

・人と話していて被害妄想出てきたら、すぐ適切にその場を離れられるようにする

→症状があっても適切に他者と付き合っていく方法や、妄想との付き合い方を学ぶ

 

・週に何回どれくらいの距離を散歩する、などを決めて行う

→就労等で外に出る事を見越した体力づくりをする

 

ということを、今まで以上に意識して行われてみたらいかがでしょうか?

 

小さな子どもと同じで、日々の成長は1mmずつですから、なかなか実感しにくいのだと思います。けれどもそれは、前進していないということではありません。

 

また何かありましたらご連絡下さい。色々模索しながら、一緒に考えていきましょう。

 

投稿者様の心が軽くなっていけますよう、応援しています。

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