被害妄想が強い母は統合失調症の疑いがあり、対処法が知りたいです(30代・女性)

2016.09.13公開 2016.11.17更新
佐藤文昭

回答者
佐藤文昭
臨床心理士

 
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ご質問

私の母は被害妄想が強く、統合失調症の疑いがあり、その対処方法についてアドバイスを専門家の方の知見からいただきたいです。

 

先日、私が実家に帰省をしたときに、いつも通りの食事をし、なにか言いたげな母に、「どうかしたのか」聞いたところ、「ストーカーをされている」と打ち明けられました。

 

最初は間違いじゃないのか?被害妄想ではないのか?と聞いたところ、「本当にそうだ」と言います。母が通っている内科の医師から母が言い寄られており、母が断りをしたところ、母にいやがらせのために探偵を10名ほど雇って、母が外出をするたびに車がつけてくるというのです。

 

しかし、事実は異なりました。事実確認のために一緒に外に出ると、単なる路上駐車しているスモークガラスのワゴン車であったり、単にワゴン車が駐車場に止まっているだけで、誰か見張っているという様子ではありませんでした。

 

その旨を伝えると、「そんなことない」と言い張り、路上駐車している車が動き出すと、その車の前に立ちはだかりました。ストーカーなど何も関係ない運転手はぎょっとした顔をして、母を大きく避けていくと、私の母は「こんな仕事しかできないのか」と笑っていました。

 

明らかに被害妄想なのですが、いくら話をしても全く話になりません。ネットで症状を検索すると、統合失調症の疑いがあるようでしたので、肯定も否定もせず、とにかく話を聞きました。そうすると落ち着いた様子になりました。

 

母は父と私が高校のときから別居(父の浮気と借金が原因。現在は父は大阪で暮らしています。)しています。

 

母自身のことを追記しますと、性格面では母はもともと被害妄想が強いところや、不安や心配をうまくコントロールできず、感情的な人です。論理的なタイプではありません。コミュニケーションが苦手で友人も少ないです。

 

また、脳の病気を長年患っており、障害年金を受給しています。そのため仕事ができず、最低限の家事と、買い物などの外出をしている程度です。

 

私自身については、長年の家族のいざこざにとても疲れており、自分の人生を取り戻すべく念願の一人暮らしを始めました。今の生活では素敵な仲間に囲まれ、仕事も順調、支えてくれる恋人もいます。毎日とても充実しています。一人暮らしをしてとてもよかったと思っています。

 

母の出身地に私の叔母がおり、叔母が今、母の面倒をみてくれると言っており、叔母と一緒に統合失調症の疑いの母の対応をしようとしています。再来週の木曜日から母は帰省することになっています。

 

前置きが長くなってしまいましたが、いつもの母に戻ってもらいたく、対応を考えているところです。

 

一番よいのは心療内科などに通ってもらい、病気だと自覚をして、治療に専念してもらうことなのですが、自身が病気だと認めておらず、受診したがりません。

 

なんとかして病院にいって治療をしたいのですが、このような場合になにかよい方法はありますでしょうか。長期的な治療計画を立てたいため、アドバイスをいただけますと幸いです。 以上、よろしくお願いします。

回答

ご質問いただき、ありがとうございます。

 

また、お母様とあなた自身についての詳細について教えていただき、感謝いたします。 まず、あなたがお母様から自立して、自らの人生を歩み始めていることは、あなたの精神衛生面から考えても、とてもよい選択だったと思います。

 

是非、これからもあなたはあなたなりの人生を歩んでいってください。

 

さて、お母様についてですが、被害妄想が強い方のようですね。お母様のように被害妄想が強い方の深層心理には、「寂しさ」があります。

 

人と関わる上で、うまく接することができないもどかしさを抱えている場合が多く、「自分がいかに被害者か」という被害妄想を繰り返し訴える形で人と関わろうとします。それがその人なりの人との付き合い方なんですね。

 

ですから、被害妄想を訴えているお母様に、被害妄想がいかに間違っているかという現実を突きつけることは、全くの逆効果になり、むしろ「何もわかっていない!そんなことを言うあなたが悪い!」と敵対視されてしまいます。

 

そんなお母様に対し、肯定も否定もせず、とにかく話を聞いたというのは、とても効果的な対応だったと思いますよ。被害妄想は一通り話し終えると、自然と落ち着きを取り戻していくことが多いのです。

 

なぜなら、寂しさが一時的に満たされるからです。これからもお母様の被害妄想が語られた際には、「お母さんは、今寂しいんだなあ」という前提のもとに、一通り話を聞いてあげてください。

 

 

次に、医療機関へどうつなげるかということですが、お母様のように被害妄想が強い方には、ストレートに医療機関を提案することは避ける必要があります。

 

「私を病人扱いするのか!」と一気に提案者が悪者になってしまう恐れがあります。

 

どうしても医療機関につなげたい場合には、お母様ではなく、その周辺の誰かが、精神的に困っていて医療機関に通院しているために、お母様の話を聞かせてもらいたいので一緒に来てほしいという流れに持っていく必要があるでしょう。

 

あるいは、ストーカー被害によって、お母様が精神的に疲れ切っていれば、「この機会に一度医療機関で診てもらいましょう」という具合に導いてあげてもよろしいかと思います(あくまでもストーカーという加害者に被害を受けたケアのためという目的です)。

 

ポイントは、お母様は被害者であるということを否定せずに、話を進めていくことです。

 

あなたにとって難しい対応になるかもしれませんが、第一にあなた自身の人生を最優先させつつ、余力の範囲で、叔母様と協力しながら、医療機関につなげる手立てを考えてみるとよろしいかと思います。

佐藤文昭

佐藤文昭

臨床心理士

おやこ心理相談室 室長

詳しい情報・お問合せはこちら

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