【第23話:言えない】〜お父さんうつ日記〜

2017.06.06公開 2018.08.20更新

この4コマについて話すことは、本当に骨が折れます。私がこれまで描いてきた4コマの中で、一番闇深い気持ちを描いています。

 

この投稿書ききれたら拍手してくださいね、、(心の耳で聞きます)。

 

170228_24

 

一番初めの自己紹介の投稿で、私は「悩みを打ち明ける相手がいないこと」が悩みだったと書きました。

 

その悩みが全面的に出ています。

 

父はうつ病になっているし、父と母の関係もよくないし、私が助けになれる訳でもないし、家に帰りたくないし、でもその間にまた父と母が衝突してたら心配だし、でも、でも、、、、と頭の中に無数の不安や悩みを抱えていました。

 

考えれば考えるほど、解決できるようなことなんて無いような気がして、頭の中は八方塞がりになっていました。

 

なんていうか、風船の中に、「ナヤミ」という名前の気体を注入していって、そろそろ限界まで風船は膨らんでいるけど、どうしたらいいのか分からない感じでした。

 

パンパンに膨れ上がった風船を、頭蓋骨が抑え込んでいるような状態ですから、圧迫されるような苦しさがあります。

 

誰かに話すことで、風船にひと針でもさせれば、きっと空気はその穴からどんどん抜けていって、楽になれたんだと思います。

 

でも、できなかった。怖かったんです。

 

もし、針の刺し方を間違えたら、ただ空気が抜けるだけじゃなくて、風船が破裂していたかもしれない。

 

そしたら私はきっと取り乱して、収拾がつかないくらい暴れてしまったかもしれない。

 

「風船が弾けてしまったら、私はどうなってしまうんだろう」と怖くて、苦しくてもその苦しさに耐えるしかなかった。

 

「不安や悩みを打ち明けて相談する」と言うのは一見誰でもできることのように見えて、実はハードルが高いです。

 

それは、自分が既に抱えている不安に加えて、次のような不安も加わるからです。

 

「もし、この人が、私の状況を正確に理解してくれなくて、的外れなアドバイスをしてきたらどうしよう。その内容が、私が傷付くような内容だったらどうしよう」

 

「もし、私が悩んでいる内容が、この人にとって取るに足らないような内容で、『時間を無駄にした』という思いを抱かせてしまったらどうしよう」

 

「もし、私が悩んでいる内容が、この人にとってとても重い内容で、今後距離を置かれるようになったらどうしよう」

 

と。

 

「不安・悩みを打ち明けて相談する」という行為は「傷口を見せて、どうやって治療したらいいか一緒に考えてもらう」ことだと私は考えています。

 

自分の傷口を晒すことは、「塩を塗られる」というリスクが伴う行動だから、とても勇気がいります。

 

目の前の相手は、その勇気を受け止めてくれる相手なのかどうか、そういうことも心配し始めると、どんどん風船は膨らんで行ってしまいます。

 

うまい対処法を、できるだけ早く見つけていたかったなと思います。

 

 

【第24話を読む】

 

16787940_1269918076427760_1289585785_n

【執筆】

シブ子

 

 

 

 

 

 

あなたの経験談もシェアしてみませんか?

Reme(リミー)では、「私の経験談」で紹介する体験談を匿名で募集しています。

経験や想いを、同じような苦しみと向き合う方に届けてみませんか?

いただいた情報は、個人が特定されない範囲で、サイト上で公開させていただきます。

 

【ペンネーム】
【体験談】

シェア
ツイート
ブックマーク
  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2017年6月6日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。