HSCで癇癪持ち…親子で話し合う5つのポイントと2つの対処法を臨床心理士が解説
子どもが癇癪持ちで親としてどのように接してよいか悩んでいませんか?
HSC(Highly Sensitive Child)とは、「人一倍敏感な子供」という意味で、アメリカの心理学者であるエレイン・N・アーロン氏が提唱した言葉です。
今回は、「癇癪」をテーマに親はどのように対応したらよいかについて臨床心理士と一緒に考えていきたいと思います。
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HSCで癇癪持ち…親はどうすれば?
子どもが癇癪を起こすとつい、「なぜこんなに親を困らせることをするの?」と親の方も参ってしまうと思います。
ここでは、癇癪を起した時の対応についてお伝えしていきます。
癇癪について親子で話し合う
子どもの癇癪をきっかけに親子で話し合うことは、子ども自身が感情の爆発のメカニズムを知り、感情に向き合うスキルを身に着けるチャンスと捉えましょう。
癇癪を起した時は、癇癪を起こしている時ではなく、先ほども述べたように「親も子も感情が落ち着いている時に話し合う」ことがポイントです。
話し合う内容について長岡(2019)は、以下を挙げています。
・「どういうときに感情が爆発しやすいか?」
・「どうしたら、爆発が防げるか?」
・「爆発の前にどんなサインがあるか?」
・「どうしたら落ち着きやすいか?」
・「何か他の方法で感情を発散できるか?」
について、丁寧に聞いていきましょう。
親からすると根気のいる作業ですが、子どもの癇癪をすぐに解決できる方法はなく、じっくりと時間をかけて子供と向き合うことが大切です。
また、話し合いの過程自体に意味があり、「自分のことを理解しようとしてくれている」と子供が感じることで子供のケアにも繋がります。
子どもの気持ちを親が何とかしてあげるのではなく、子ども自身が自分の感情とどう付き合っていくのかを考えることで、自身の力で感情をコントロールしていくことができるでしょう。
子どもの癇癪を和らげる2つの方法
次に子どもの癇癪を和らげるための、感情のコントロールをする方法を2つご紹介します。
心の温度計(池島・竹内,2011)
子どもが癇癪を起こした後、気持ちが落ち着いている時に目盛りが0から100までついた「心の温度計」をイメージして振り返りをしてみましょう。
目盛りが0の状態は、嫌なことがなく穏やかな状態、目盛りが100の状態は怒りが爆発している状態と考えます。
子どもに「何が嫌だったのか?」を尋ね、その「嫌だったこと」が何度くらいになるのかを考えてもらいます。
感情を数値化することで、客観的に自分を見ることができ、「温度を下げるためにどうしたら良いか」についても一緒に考えることができます。
インターネット上で、心の温度計のイラストもアップされているのでそちらも活用すると良いでしょう。
●特別支援教育 「すぐに使える!プリント+ビデオクリップ」
https://sn1.e-kokoro.ne.jp/print/print_detail.php?kyozaino=P-118
カウント法、深呼吸(池島・竹内,2011)
イライラしたときに心の中で「1,2,3…」と数えるカウント法や、大きく深呼吸をすることでも、気持ちを落ち着かせることができます。
呼吸を整える方法を身に着けておくことは、癇癪が出にくくなったり和らげる効果があります。
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【参考・引用文献リスト】
〇岡田 尊司(2017):過敏で傷つきやすい人たち HSPの真実と克服への道、幻冬舎新書
〇武田 友紀(2018):「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる 「繊細さん」の本 飛鳥新社
〇明橋 大二(2018):HSCの子育てハッピーアドバイス HSC=ひといちばい敏感な子 1万年堂出版
〇長岡 真意子(2019):敏感っ子を育てるママの不安がなくなる本 秀和システム
〇池島 徳大・竹内和雄(2011):ピア・サポートによるトラブル・けんか解決法! 指導用ビデオと指導案ですぐできるピア・メディエーションとクラスづくり 本の森出版
〇串崎 真志(2018):高い敏感性をもつ子ども(Highly Sensitive Child)の理解:自閉症・高敏感者・エンパス・不登校 関西大学人権問題研究室紀要
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- 本記事は2021年6月19日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。