縛られずに生きる知恵「殺仏殺祖・無一物」とは?臨床心理士が解説
何も縛られずに生きられたらいいのに…
そう思うことがあるかもしれません。
何万年も前ならともかく、現在は自分自身が生きていくためにも、家族や友人などを大切にするためにも、仕事をしていく上でも、何も縛られないという状態はなかなか難しいと思います。
お金や物など物質的なものから、人間関係・考え・気持ちなど目に見えないものまで、私たちはいろいろなものに縛られて生きています。
そんな様々なものに縛られて疲れてしまったとき、禅の教え「殺仏殺祖(さつぶつさっそ)」「無一物(むいちもつ)」がヒントになります。
禅とは大乗仏教の一派である禅宗のことです。
禅という言葉は聞いたことがあっても、その内容や教えを知る機会はなかなかないと思います。
今回は縛られずに生きる知恵となる、禅の教え「殺仏殺祖(さつぶつさっそ)」「無一物」についてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
殺仏殺祖・無一物とは?
殺仏殺祖
「殺仏殺祖」とは、中国唐の禅僧で臨済宗の開祖である臨済による言葉です。
文字を見ると物騒な印象を受けますが、元AKB48高橋みなみさんの座右の銘でもあります。
本文はとても長く、
「仏に逢うては仏を殺せ。祖に逢うては祖を殺せ。羅漢に逢うては羅漢を殺せ。父母に逢うては父母を殺せ。親眷に逢うては親眷殺せ。始めて解脱を得ん」
が全文となります。
全文だと長いので、「殺仏殺祖」として広まった言葉です。
殺せというのはもちろん抽象的な意味でして、
「仏でも祖先でも、尊敬する人でも、父母でも、親族でも自分を縛るものは全て手放せ。そうしてはじめて悟りを開く」
という意味です。
無一物
「無一物」とは、禅宗の第六祖となった慧能禅師の言葉です。
「本来無一物(ほんらいむいちもつ)」と言いまして、言葉の意味は、
事物は全て空(くう)であるから執着すべきものはない
という意味になります。
すべてのとらわれを否定したところに禅の世界があるというわけです。
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- 本記事は2018年11月30日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。