LGBTの割合はどれくらい?LGBTを取り巻く日本での問題とは?
世界的にダイバーシティ(多様性)の必要性が言われるようになった昨今。LGBTの人々に関するさまざまな問題も取り上げられるようになりました。
そこで今回は、改めて、LGBTとはどのような人たちなのか、また、日本ではどんな問題を抱えているのかについて見ていきたいと思います。
LGBTとは?
LGBTは、
レズビアン=女性同性愛者(L)
ゲイ=男性同性愛者(G)
バイセクシュアル=両性愛者(B)
トランスジェンダー=性同一性障がいなど(T)
の略で、性的少数者(セクシュアル・マイノリティ)の総称のひとつです。
LGBTであることが以前ほどタブー視されることはなくなり、自分がLGBTであることを公言する人も多くなりました。
しかし、まだまだ世間に理解されているとは言い切れず、偏見の目を持つ人も少なくありません。LGBTであることによって差別を受けたり、その事実を誰にも言えずに悩んでいる人も多いのが、現状と言えるでしょう。
日本でのLGBTの割合は?
2015年春に、株式会社電通のダイバーシティ(多様性)課題対応専門組織「電通ダイバーシティ・ラボ」が、全国約70,000名を対象に、LGBT層に調査を実施しています。(※1)
このLGBT調査2015によると、LGBT層に該当する人の割合は7.6%でした。
2012年に行われた同様の調査では5.2%であったことから、割合としては増えています。増えた原因については、社会環境の変化などで自己認識に影響があったのではないかと想定されています。
この調査結果は、日本人が100人いたら10人弱はLGBT層であると言ってもいい割合です。決して、LGBTは珍しいというわけではないということが言えるのではないでしょうか。
このような割合でも、LGBTの人たちと接したことがない、会ったことがないと答える人が多いのは、社会でカミングアウトしている人が少ないからなのかもしれません。
日本におけるLGBTの問題点とは?
LGBTが社会で認識されるようになってきた今、日本でもさまざまな問題が指摘されています。
2015年11月、東京都渋谷区で、同性カップルを「結婚相当の関係」と認める証明書の発行を行いました。これは全国でも初めてのことです。
同性カップルは、法的に婚姻関係を認められないために抱える問題が多くあります。
一例として、遺産の相続ができない、家族と認められないために、緊急時に病院で面会できない、などといったことが指摘されています。
また、周囲の理解がないためにLGBTであることを悩み続けた結果、うつ病などの精神疾患を患ってしまう、周囲からの差別によって学校や会社でいじめられるなどといったケースもあります。
学校や会社でもLGBTの人たちをサポートする仕組みがあるところは少ないため、LGBT層の人たちは孤立しがちであると考えられます。
また、家族や友人、職場の人といった、「LGBTでない人たち」へのカミングアウトはハードルが高く、まだまだ言えずに悩んでいる人も多くいるのが現状です。
LGBTに対する社会の認識、学校や会社などの支援体制、法整備の問題、など、LGBT層の人たちを取り巻く問題は山積しています。
まずは理解することから始めよう
LGBT層の人たちに関するさまざまな問題が指摘されている昨今。
まず社会で生きる人たちがすべきことは、「知ること」「理解すること」なのではないでしょうか。
国や自治体が法整備を進めることも大事ですが、理解が進むことでLGBT層の人たちが生きやすい社会を作ることも大切です。
LGBTであることをカミングアウトするハードルが低くなるよう、またそれによって悩む人が少なくなるよう、社会全体での理解を深めていくことがこれからの大きな課題であると言えるかもしれません。
【出典】
(※1)http://www.dentsu.co.jp/news/release/2015/0423-004032.html
【参考リンク】
http://www.hurights.or.jp/archives/newsletter/sectiion3/2013/09/lgbt.html
http://www.amnesty.or.jp/human-rights/topic/lgbt/situation_in_japan.html
http://www.nhk.or.jp/d-navi/link/lgbt/
【執筆者】
小松亜矢子 看護師
- 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
- 本記事は2016年10月28日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。