過労死は労働時間だけの問題?過労死の原因と防止策を産業保健師が解説

2016.11.02公開 2019.05.16更新

昨年12月、電通の新入社員が自殺するという事件が起き、長時間労働に因るものであると労災認定されたニュースが連日報道されています。

 

“月100時間”という、時間外の労働時間がクローズアップされていますが、果たしてそれだけが過労死の原因でしょうか。

 

今回は、労働時間だけではない、過労死の原因について、労働者の健康管理に詳しい産業保健師さんに解説してもらいました。

 

 

長時間労働とメンタルヘルス

そもそも、“月100時間”とは、改正労働安全衛生法によって設けられた、長時間労働に関する基準です。

 

これは、長時間労働と関連があるとされる、脳・心臓疾患の発症を予防することを目的に設けられています。

 

ただ、過労死を引き起こすメンタルヘルス不調については、必ずしも労働時間の長さだけが原因ではないのです。

 

産業保健師である筆者は、全社員面談に加えて、長時間労働対象者にも定期的に面談を実施してきました。

 

長時間労働者のなかでも、大きなストレスを訴える方と、元気に働いている方がいらっしゃいます。
逆に、残業時間が少なくても、仕事上の強いストレスを訴えたり、実際に休職されたりする方も数多くいらっしゃいます。

 

では、その違いは一体何でしょうか。

 

産業保健師としての取り組みのなかでみえてきた原因について解説します。

 

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  • 本記事は2016年11月2日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。