パニック障害とうつ病をサラリーマン時代に併発…【林晋吾さん Part1】

2016.12.03公開 2018.10.19更新
 

今回は、うつ病当事者で起業家としても活動している林晋吾さんにお話を伺ってきました。

 

今回のPART1では、うつ病・パニック障害を発症した時の様子、現在の取り組み、病気によって変わったことなどについて話していただいています。

 

 

病気になる前のお仕事

僕は社会人になって、約12年になります。最初の約7年は金融関係の仕事で、その後の約3年がコンサルの仕事でした。

 

金融の時は、企業向けの提案型営業の仕事をしていまして、国内の企業向けにいろんな金融サービスの提案などをしていました。

 

次のコンサルの時は、経営状況が難しい中小企業の再建を支援する仕事や、上場を準備するような会社さんの業務の支援をしていました。

 

 

パニック障害を発症

パニック障害を発症したのは、金融の会社にいた時です。パニック障害を発症した原因を挙げるとすれば、職場での人間関係と仕事のストレスですね。

 

当時、今までやったことのない質の仕事が来て、右も左も分からない中、モヤモヤしながら、ずっと休みなく長い時間仕事をしていたことが、直接的なきっかけだったのかなと思っています。

 

ただ、もっと前から同じような仕事をしていたので、今思うと、たまたま発症したのが、そのタイミングだったのかなというのもあります。

 

 

「明らかにおかしい」

病院に駆け込む前の1週間ぐらい、ずっとおかしいなと思っていました。

 

ずっと、ぼーっとして集中力が続かず、寝る前には、ずっとドキドキドキドキして寝られなくなっていました。

 

朝、新聞を読んでも、字面は追っかけるんですけど、内容が全く頭に入らなくなってきていました。食事の量もどんどん減っていました。

 

そんな中、電車に乗っていたら、すごく汗が出て、呼吸がもう苦しくなってしまい、電車降りて動けなくなってしまったんです。

 

「これは、明らかにおかしい」と思って、クリニックに行くことになりました。その後は、急に目まいがしたり、呼吸が浅くなって、苦しくなって、動悸が止まらなかったりする発作が続くようになりました。

 

 

うつ病を併発し、休職

パニック障害で病院に行ってから約2年は、何だかんだ言いながらも、仕事をしていたんですね。

 

でも、あることがきっかけでミスをしたんです。その時に、気持ちがもう落ちちゃって、変な話、布団から出られなくなりました。

 

何とか仕事に行ってパソコンを開いても、文字を打てなかったです。メール1本返すのに、結構な時間かけてたりとか。1時間ぐらいの打ち合わせも、最初の2、3分の光景は覚えてるけど、そこから後はもう覚えてなくて。

 

その後、結局休職に入りました。親しい先輩が、僕の上司に「もう駄目だと思う」という話をしてから、休職することになりました。

 

その人は、僕の学生時代からずっと先輩で、「『このままだともう駄目だと思った』と自分で判断して僕の上司に言った」と後から聞きました。今、そのことを僕はとても感謝しています。

 

休職に入ってからは、2週間ぐらいはずっと、「毎日20時間以上寝てた」みたいな感じの生活でした。

 

寝てたというか、もうろうとしてる感じです。起きているか起きていないか分からないような状態が2~3週間続いていたと思います。

 

 

「生き方を変えなきゃ」

1度目の時は病気のことを隠していたんですが、転職したコンサル会社のときは病気のことを伝えて入社しました。

 

「今は大丈夫です」と言って転職したものの、やっぱりどこかで無理をしちゃって、どこかでつまずいた瞬間に気分が落ちてしまうっていう感じでした。

 

仕事って生活する上で、結構な時間を割くと思うのですが、これまでを振り返って、自分の元々の考え方や、そもそもの生き方と、仕事の間に、すごくギャップを感じることが多くありました。

 

そこで、「生き方を変えなきゃいけないな」「何とか自分の居場所を自分で作らなきゃいけないな」という思いが強くなり、起業という形を選ぶことにしたんです。

 

 

うつ病で悩んでいる家族を支える

現在、ご家族がうつ病になった人のサポートする活動をしてます。

 

「ご家族がうつになった人」というと分かりづらいですけど、当事者ではなくて、サポートしている方のご家族をサポートするというのが、今のメインでの活動です。

 

仕事としては2つあります。

 

1つ目が、サポートしているご家族の悩みだったり、知りたいことをメールでご相談を受け付けるということをしています。

 

もう1つは、サポートしているご家族にお集まりいただいて、いろいろなテーマに沿って、セミナーやワークショップを開催しています。

 

 

家族同士が繋がり、相談し合う場作り

ご家族がうつになったときに、「実際どういうふうに声をかけていいんだろうかとか、どういうふうに接したらいいんだろうかというのが分からない」という声は多くあります。

 

困ったことや、つらい気持ちを身近な人に相談できなかったり、先が見えず不安な気持ちや孤独を一人で抱えていらっしゃいます。

 

そういった声を踏まえて、ワークショップでは、サポートしている家族同士が同じ立場で、「こういうふうにやったらうまくいった」とか「こういうことが、ちょっと分からないよね」ということを共有し合ってもらいます。

 

また、当事者の方からも「こういうことをしてもらって嬉かった」など、当事者の視点で家族に向けて話をしてもらうこともあります。

 

 

つらい気持ちや不安を共有する

ご家族としてサポートする上で、ずっと先が見えずに不安だったりとか、気持ちがどうしてもモヤモヤするというのがあります。また、困ったことや分からないことを安心して気軽に相談できる相手がいません。

 

そういった不安やモヤモヤをどうやって、みんなは解消しているのか、どうやって対応してるのかというのを、集まった人同士で話してもらえればと思っています。

 

また、アドバイザーとして専門家の先生に来ていただいたりして、「こういう方法あるかもしれないね」という話も聞けるようなコンテンツを今後のワークショップで出来ればと考えています。

 

 

病気も生きてきた事実のひとつ

今ではこうやって、自分の病気を公表して活動しています。

 

公表するに至った背景の1つ目は、自分がメンタルヘルスを事業のテーマとして選んでいるので、自分の病気を公表することは伏せて通れないことがあります。

 

もう1つは、自分の病気を隠して仕事をすることは、今までの自分を全部否定することになるという思いがあったからです。

 

これまで自分の性格の問題とか考え方の問題で、うまくいかなかったこともあります。病気を公表するときの抵抗感も、やっぱりありました。

 

でも、公表することをネガティブに考えてしまうと、いろんなことを否定してしまうことになると思います。

 

そうではなくて、病気も生きてきた中で起きた事実の一つというふうに、素直に思えるようになった時、「事実としてこうだった」ということを公表することは、自分にとって素直に受け入れられました。

 

公表して人が離れていったりした経験もあります。でも、それはそれで、見られ方の1つだから、それは別にいいかなと思っています。

 

 

いちいち気にしなくなった

病気になってから変わったのは、何かをやるときに、人の顔色だったり、人の評価を一番に考えなくなったということはあるかもしれないです。

 

これまでは、相手がどう受け止めるかってことばかりを、自分はずっと気にしていました。実際、手を動かす前から、相手のことばかり考えて、プレッシャーに感じたり、気持ちが重たくなったりしていました。

 

もちろん、期待には応えようと思うし、求められたものをやりたいとは思っています。

 

でも、相手の求めているものに応えようとして、きちっとやっても、相手の意にそぐわないことなんて何ぼでもあるじゃないですか。

 

それをいちいち気にするのではなく、結果の受け止め方は、相手が決めることだからと、ある意味割り切って、人の評価ばかりに視点をおかなくなったところは、仕事上では変わりました。

 

あと、人間関係も同じように変わったように思います。何かやろうとしたときに、まず自分の気持ちや思いが一番最初に来るようになりました。

 

その結果、肩の力を上手く抜けるようになったというか、相手がどう反応するかというのを考えて行動するということは少なくなりましたね。

 

>>【Part2】家族、同僚、医者と接する中で気づいた病気の受け止め方

 

林晋吾さん全インタビュー

【Part1】パニック障害とうつ病をサラリーマン時代に併発

【Part2】家族、同僚、医者と接する中で気づいた病気の受け止め方

【Part3】うつ病と向き合う家族がストレスを解消するには?

【Part4】「ツレがうつになりまして」と普通に言える社会に

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