人といると疲れる…隠れた心理や対処方法について心理相談員が解説
「あの人といると疲れる…」
「親しくない人と一緒にいると疲れてしまう…」
そんな悩みを抱えていませんか?
誰とでも仲良くできる人もいるのに、どうして自分は人といると疲れてしまうのか。
そんな気持ちになる心理と、もっと楽に人と向き合える対処についてご説明します。
人といると疲れる心理とは?
まずは、人といると疲れるいくつかの原因や心理について説明したいと思います。
人の意見に合わせすぎる
何でも話ができて、刺激しあえる相手と一緒の時は、「疲れた」という感情を抱くことは少ないですよね。
ですが、大小の集団の中でうまくやっていきたいと考える時、本心とは違うのに周囲の意見に合わせてしまうことがあります。
その内容が、時折一緒に食べるランチのお店程度なら疲れを感じませんが、職場の人間関係や仕事に関わることとなると、周囲の人の意見に合わせられないこともあります。
その時に、自分の考えを一言でも言えていれば心理的負担も少なくなります。
しかし、周囲の圧力に押されたり、その場の雰囲気に流されたりしてしまうと、結果的に自分に嘘をついているようで苦しくなり「人といると疲れる」と感じるようになります。
その背景として、「年上の人の意見を聞きなさい」という教育を受けた場合や、今までに自分の意見を言ったことで、結果的に周囲から孤立してしまった経験がある場合があることがあります。
「周囲に合わせなければいけない」
「周囲とうまくできない自分はダメな人間だ」
という心理が働き、無理に人の意見に合わせすぎるために、人といると疲れてしまうのです。
周囲の反応に敏感すぎる
「人といると疲れる」背景の一つに、周囲の反応に敏感すぎることが考えられます。
人の感じ方は千差万別で、同じ状況に遭遇しても、それをポジティブに転換できるタイプと、ネガティブに転換するタイプがあります。
私自身もその傾向がありますが、例えば、
という考えが浮かび、自分の中でマイナスな思考が次々と浮かび、気持ちが疲れてしまうのです。
その行動の背景としては、
・他人に対する不安や恐怖心がある
・他人の態度や表情の変化に敏感すぎる
などがあげられます。
その心理としては、自分に対する自信のなさや、自己否定が隠されています。
本当は、相手の機嫌の悪さは、相手の問題であるのに、自分が相手に不愉快な思いをさせてしまったと考え、自分を責めてしまうため、人といると疲れると感じてしまうのです。
「完璧」でありたい
誰からも好かれたい、いつもきちんとしていたい、そんな思いが強すぎるタイプも、人といると疲れてしまいがちです。
「きちんとした人間」とは人によって定義もまちまちですし、完璧に近い人に対する妬みや嫉みといった気持ちを抱く相手が必ずいるものです。
ですが、その人に対しても「好かれなければ」「きちんと対応しなければ」と考えすぎてしまうことで、「人といると疲れる」と感じるようになります。
人から好かれたい、認められたいという気持ちは、誰にもある気持ちです。
ですが、
「周囲のすべての人から認められたい、好かれたい」
「完璧だと思われないと、自分を認めることができない」
と考えることは、認めてくれない相手に怒りを抱く、もしくは自己否定する心理につながります。
周囲の人と比較して、完璧でありたいと思う気持ちが強すぎることも、人といると疲れることにつながります。
「べき」思考が強い
人には、いろいろな価値観があり道徳心があります。
例えば、「挨拶は声を出してするもの」という価値観がある人にとって、会釈程度の挨拶や挨拶さえしないで仕事を始めるタイプの人が近くにいるだけで「疲れる」と感じることになります。
「べき」思考は、自分の中にある倫理観や価値観ともつながり、誰もが大なり小なり持っています。
ですが、それを周囲の相手にも求めすぎてしまうと、思う通りに行動しない相手に怒りやイライラを感じてしまい、結果的に自分が疲弊することになります。
相手のパワーに巻き込まれる
エネルギッシュな人と接することは、自分もエネルギーをもらって元気になれますよね。
ですが、相手の発するエネルギーが強すぎる時や、自分の心のエネルギー量が少ない時は、相手から発せられるパワーに巻き込まれ、そのパワーの強さに疲れてしまうこともあります。
相手のパワーと自分のパワーの差がありすぎることも、人といると疲れると感じる原因の一つです。
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- 本記事は2016年12月9日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。