新人看護師がストレスを成長につなげる5つの秘訣!看護師&カウンセラーが解説
新人看護師のストレスとは?
しかしながら、患者からすれば、新人もベテランも関係なく、プロの仕事が求められる厳しい現場。
わからないことが多いうえに、先輩のてきぱきとした仕事ぶりに圧倒されてプレッシャーになり、評価をされているとの焦りも加わって、新人看護師はストレスが大きいのです。
そんな背景にある新人看護師のストレスの特徴は、「初めてなことに直面する」ということがほとんど。新人だから当たり前のようですが、そこに気がついて意識できると、ストレスの感じ方も大きく変わってきます。
新人看護師のストレス対処法5選
ストレスには、成長に繋がる「良いストレス」と、健康を害しやすい「悪いストレス」とがあります。
新人看護師は、看護師として成長することが求められるので、ぜひ、ストレスを成長の力に変えていってほしいと思います。
初めての経験を「良いストレス」と感じるには、経験を積む中で、できないことがあっても「落ち込まない」で「改善策を見出すこと」にポイントがあります。
ここでは、新人看護師のストレスの数々を、良いストレスにするための5つのポイントをお伝えします。
新人看護師は「初めてなこと」を意識する
学生時代に実習で看護ケアを実施していても、就職した職場では実施していないので、同じ看護ケアでも、
・病室のレイアウトが違う
・使用する物品が違う
・患者が違う
だけでも緊張に値します。
そこで、「初めての経験」にであるということを、新人看護師自身が意識することがとても大事になります。
特に、「患者が違う」ということは、「当たり前だよ!」と新人看護師の誰もが思っていることかもしれません。
しかし、患者一人ひとりは、病状も違うし体型も違います。
例えば、横向きになると体型によって体の角度も違ってくるので、新人看護師がプレッシャーに値する、大きな要因になるのです。
患者が違うということだけでも、「初めて感じている自分」をまず受け入れてみましょう。
そこを受け入れてから、「初めての経験にどう対応するのか?」を考えることがとても有効となります。
「その職場で指導をされて、はじめてできること」がたくさんあります。
そのため、新人看護師のストレスは、経験を積むことによって大きく減っていきます。
看護師の仕事は「経験により得られるスキル」。能力とは別もの
看護師の仕事は、能力の問題ではなく「何度も経験して身につけるスキル」です。
だからこそ、「はじめて」ならば指導されることは当たり前と言えます。
そして、覚える仕事量もたくさんあるので、注意されたり指導されたりが繰り返されるのも、ある意味当然なこと。
しかし、繰り返されると、「自分には向いていないのかな、能力が低いのかな?」と自分の能力までを否定して、落ち込んでしまうこともあるかもしれません。
すると、「悪いストレス」になって、自分の成長も妨げます。
一方で、「注意されること」=「苦手なこと」と捉えて、意識的に繰り返して経験することで、苦手なことも少しずつ出来るようになるでしょう。
本来、看護師の仕事は、才能には影響されないものです。
確かに、器用なほうが早くできるようになるかもしれません。
しかし、「早く」できるようになるだけであり、看護師のスキルが身に付くこととは別のことです。
看護学生の1年生の時と就職した今とでは、看護師としてできることが増えていますよね。
それと同じことなのです。国家試験に受かったのだから、能力は保証されています。
今の能力をどう引き出して鍛えていくかがポイントです。
指導を受けるポイントは「イメージ」すること
プロだから患者の前では、「できて当然」。だからプレッシャーにもなりますよね。
プロとして、自分の能力を鍛えていく上でのコツは、「指導の受け方」です。指導を受ける時は、「自分が先輩と同じようにスキルを実践するイメージ」ができるかどうかがポイントになります。
もし、イメージできないことがあれば、質問をしてしっかりと聞いていきましょう。
イメージできることは、脳で映像化ができているので、実践できると言われています。
先輩からの指導は大いに受けて、先輩のスキルをすべて学びきるぐらいの意識で臨んでみましょう。
そして、基本的な方法や知識は、自分で勉強もしていきましょう。
職場では、「仕事を覚えることに集中」する
先輩や患者から自分がどう思われているのか、新人同士で比較されていないかなど、気になりますよね。
しかし、まずは「自分ができる看護を増やすこと」に集中してみてください。
先輩や患者からの評価や同僚と比較をすると、他者の言動がいちいち気になり、落ち込む原因になります。
すると、悪いストレスが溜まっていきます。
看護師に求められるのは、「看護師の仕事ができること」が優先順位の第1位。
そこができてはじめて、先輩や患者との信頼関係が結べるのです。
だから1年間は、「先輩や患者と仲良くすること、かわいがられることを意識しない」と決めてしまいましょう。
すると不思議と気持ちは楽になり、仕事が少しずつできるようになると、先輩や患者との関係もスムーズになるものです。
「患者の病状回復」を1番に考えて判断する
何があっても「患者の病状回復」が優先順位の1位。
そこを基準に考えると、たくさんある仕事での優先順位を付けるときに、迷いが減ることも多くあります。
患者の病状回復の後に、医者、上司、同僚との関係や業務量の調整といった、看護師側の問題が配慮されます。
その中に、「新人である自分のできることとできないこと」の判断も出てきます。
指示されたからと、できないことを無理してやることが良いわけでもありませんし、できるのに過度な慎重さで、やらない選択が良いわけでもありません。
もし、担当するケアに大きな不安や抵抗感があるのなら、ぜひ、先輩に相談をしてみてください。
はじめてのケアなのか、経験したけど不安な点がある、など、具体的に相談を持ち掛けてみてください。
その時に、患者の病状回復のため、緊急にケアが必要か、時間に余裕を持っても大丈夫なのか、など、患者の状況を考えての判断も必要になります。
新人看護師では判断が十分ではないと思いますので、先輩とともに考えていくことが大切です。
先輩と一緒に考えると、看護の優先度を考えるときの判断力もついてきて、自身の課題も明確になり、自分はどうしたらいいのか?と、改善策も出てきます。
自分から相談を持ち掛けるのは勇気がいりますが、不安なままでケアをするより、不安な点を確認してくれた方が、先輩も安心して任せることができるのです。
安全なケアのためにも、安心して経験を積むためにも、ぜひ、トライしてみてください。
さいごに
今回は、新人看護師の、はじめて尽くしのストレスを「良いストレス」としてとらえて、成長につなげる5つのポイントをお伝えしました。
ポイントは「落ち込まない自分をつくる」こと。
そして、成長のために「改善策を立てること」です。
しかし、それでも落ち込むことも、やめたくなるほどの気持ちになるのが新人時代。
次回は、落ち込んだ自分を元気づける、ストレス解消法をお伝えします。
- 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
- 本記事は2016年12月14日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。