精神保健福祉センターとは?対象・支援内容・費用・申請方法・事例を専門家が解説

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精神保健福祉センターとは?

精神保健福祉センターは、地域社会で暮らす私たちにとってはもちろんですが、特に、精神疾患を抱える方にとっては、とても身近で頼りになる存在です。

 

精神保健福祉センターは、地域社会の人々に対する精神的健康についての広報活動や入院中の患者さんからの処遇改善の相談、精神保健福祉手帳の等級の判定などさまざまな業務を行っています。

 

これら「精神保健福祉センター」の役割やサービスについて、詳しく見て行きましょう。

 

 

精神保健福祉センターの対象 

地域社会で過ごす方や精神疾患を抱える方、医療関係職員など、すべての人が相談や支援、指導などの対象となります。

 

 

精神保健福祉センターの支援内容  

精神保健福祉センターは、精神保健福祉法により各都道府県に設置することが義務づけられています。

 

センターには、精神科医や看護師、精神保健福祉士、臨床心理士などの専門職者が配置されています。

 

彼らが地域社会の人々に対して、精神保健福祉関係の相談を行ったり、心の健康に対する広報活動などを開催しています。

 

また、精神疾患を抱えている方やその家族からの相談に対する援助や適切な機関との連携、情報提供なども大切な仕事です。

 

さらに、自立支援医療や精神保健福祉手帳の申請に対する判定や医療専門スタッフなどの研修や教育、精神疾患を持つ方のためのディケアや家族会、当事者会の開催など幅広い業務を行っています。

 

 

精神保健福祉センターの費用 

精神保健福祉センターでかかる費用については、どのような相談や支援を受けるかで異なってきます。

 

精神保健関係の相談や講演会などには、無料あるいは低額(500円程度)で利用できることが多いようです。

 

また、センターで行っているディケアは、通院治療に含まれますので、3割負担となります。自立支援医療を申請している方は、1割負担となります。

 

 

精神保健福祉センターの申請方法、利用方法    

申請方法や利用方法も、どのようなサービスを選択するかで違いが出てきます。

 

精神保健福祉関係の相談を窓口で受けたいということでしたら、直接出向くか、電話で予約を取ったうえで行うこととなります。

 

また、よく行われるのが、精神科病院に入院中の患者さんからの退院請求や処遇改善の申請です。例えば、自分は退院したいのに、主治医から許可が降りないなどの不服申し立ての窓口にもなります。

 

ただ、この申請は医療スタッフも関わらなくてはならず、簡単ではないので、スタッフと協力しながら行う必要があります。

 

 

精神保健福祉センターの該当する事例 

【Aさん10代】ADHDの疑い

Aさんは、中学2年生。学校での成績に問題はありませんが、クラスメイトとちょっとした言葉の入れ違いで摩擦が起きたり、順番を守ることができないなどの行動があり、自分自身もこのような衝動が止められないことを悩んでいました。

 

クラスの中で深まる孤立感を感じていたAさんの行動に気づいた担任の教師が、Aさんと彼の母親を交えたうえで3者面談を行いました。

 

その際、Aさんの母親からも彼の行動が気にかかっていたという話を聞いたため、何かしらの解決法があるかもしれないので、精神保健福祉センターに相談してみては?とアドバイスを受け、母親とともに、Aさんはセンターに電話で相談をしてみました。

 

専門職員が話を聞いてくれ、もしかしたらADHDという発達障害の可能性があるかもしれないので、一度発達障害の検査を行ってみてはどうかとアドバイスされ、検査が行われている病院を紹介されました。

 

その後、病院で検査を受けたAさんはADHDだと診断され、疾患に対する知識を学び、コミュニケーション面の訓練も受けた方が良いということで、精神保健福祉センターで開催されているADHDの当事者会への参加と病院で行われている発達障害専門の訓練プログラムを経験しながら、今後の生き方を模索中です。

 

 

【Bさん60代】双極性障害と自己愛性パーソナリティ障害

Bさんは、服薬拒否と病識の欠如があったため、主治医が入院を勧めても本人の同意が得られず、家族の同意により医療保護入院をして半年になります。

 

入院当初は、「私は病気ではない」と激しく服薬を拒否していたため、主治医や病棟スタッフが根気強く説明したり、どうしても無理な場合は薬を食事に混ぜて飲ませるなどの工夫を行っていました。

 

時が経つにつれ、病状も落ち着き、服薬の必要性も分かってきたBさんは、スタッフに説明されないでも、決まった時間に服薬を行うようになりました。

 

ですが、完全に自分の病気を理解していないBさんは、「○○先生が処方した薬が悪いから、私は元気になれないのだ」「この薬のせいで、きれいな声が出なくなった」などと訴えることが多くなり「結局、自分は入院している必要はないと思う」と言い出し、主治医に退院したい旨を話しました。

 

ですが、今の状態で退院したら服薬を中止してしまう可能性や周りに迷惑をかける恐れもあるため、主治医より今のところ退院はできないと伝えられると、「それなら公的機関に訴える」と言い、主治医より教えてもらった精神保健福祉センターへ連絡。

 

数日後、なぜ退院したいのかを本人が記載する書類と、主治医へBさんの病状などを細かく記載するための診断書が送られてきました。

 

Bさんは、自分の退院したい思いを書類に記し、主治医も診断書を記載し、センターへ返送。

 

退院請求の事情聴衆をするために、後日精神保健福祉センターより専門職員がBさんの入院している病院に訪問予定となりました。

 

 

精神保健福祉センターの注意事項  

精神保健福祉センターは、数多くの精神疾患を抱える方や家族の方、医療関係者などが気軽に相談を行うことができる場所です。

 

ですが、相談内容によってはその場で問題解決ができないケースもあり、医療機関や施設、さまざまな専門職種と連携しながら、問題解決への計画を作成し、慎重に進めて行かなければならないことも多くあります。

 

長期戦になることも頭に入れておきましょう。

 

 

Misudu Kukita【執筆者】

久木田みすづ 精神保健福祉士 社会福祉士

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