小学1年生の子育て術!チャイルドカウンセラーが実践する3つの秘訣とは?

お子さんが小学校に入学するにあたって、不安を抱えているお父さん・お母さんも多いと思います。

 

かわいい我が子が大きなランドセルを背負って、一人で歩いて学校に行くことは親にとっても心配ですよね。

 

そこで今回は、この時期の子ども達の心が育っていく過程で大切なポイントをまとめました。

 

 

学童期前期(小学1年生~3年生頃)の特徴

小学校に入学する6歳ころから学童期が始まります。この時期の大きな出来事は、小学校に入学し、環境ががらりと変化することです。

 

子ども達は新しい環境の中で不安を感じます。これは自然なことですが、不安を処理できずに、いろいろな症状を出すことがあります。

 

・赤ちゃん返り

・チック

・夜尿症

・登校しぶり

・頭痛や腹痛

・気持ちの悪さ

・子どもの頃のクセの再発

・今まで出来ていた事が出来なくなる、などです。

 

よく「何でもできる年長さん、なんにもできない一年生」と言いますが、背景には環境の変化に伴う不安が隠れているのかもしれません。

 

このような症状が表れてくると、親は「このまま学校に行けなくなるんじゃないか。」と心配し焦りが生まれるかもしれません。

 

そんなときこそ、子どもの話をよく聞いて、「子どもが頑張っている証拠だ。そのうち慣れてくるだろう。」くらいに構えていてくれると、子どもは気持ちがラクです。

 

 

エネルギー補充場所としての家庭

この時期は、学校という新しい環境で頑張るためのエネルギーをいかに家で補充できるかがポイントになります。

 

そのためには、スキンシップもまだまだ有効です。家族と(特にお母さんと)一緒に時間を過ごしたり、求められればスキンシップに応じたり、少ない時間でも子どもが安心を感じられるように工夫が必要です。

 

下の子が幼くて手がかかる場合や、仕事が忙しくてあまり時間が取れない場合でも、「お母さんはちゃんとあなたのことを見ているよ」という気持ちが伝わるように声を掛け、耳を傾けましょう。

 

お母さん(お父さん)が自分を見てくれているという安心があれば、子ども達は学校という新しい場所でも頑張れるのです。

 

 

対人関係のモデル

また、小学校の入学にともない、本格的な集団生活が始まり、家庭とは別に「仲間」という集団が大きくなってきます。

 

子ども達は学童期にたくさんの人と交流する中で、対人関係能力、コミュニケーション力を身につけていきます。

 

親の声がスムーズに届いていた幼児期とは違い、親の声が子どもの心に入りにくくなってきます。親と仲間の価値観の違いから「親子げんか」も始まります。

 

また、学校のクラスメイトとの間などでも、トラブルが生じたり、対人関係が複雑になってきます。

 

対人関係の処理の見本を示しつつ、可能な限り自分の力で対処するように促すことが必要です。

 

親にとっては、「子は親の思うようには育たない」という意識を持ち始める時期でもあります。子どもは精神的に自立に向かっていく準備をスタートさせます。

 

子ども達は親をモデルに人間関係を構築するスタイルを形作るので、子どもに習得してほしいことは、親がモデルを示し、子どもが実践したら評価する(ほめる)ことが大切です。

 

 

あいまいさを加える

この時期の親が示すモデルの中に、あいまいさを加えることも重要です。

 

「まあ、しょうがない」

「そんなときもあるさ」

「なるようになるだろう」

「まあ、いっか」

 

など、白黒つけない、問題を先延ばしにする、答えを出さないモデルを示すことで、子ども達は柔軟性を身につけます。

 

「こんな人もいるんだ、あんな人もいるんだ。」と言った具合に、違いを受け入れられれば、その後の人間関係でこだわりすぎずに妥協できるようになり、失敗したときも必要以上に自分を責めることが防げます。

 

 

意外と難しい「ほめる」

子ども達は、親が示したモデルをほめられることで体得していきますが、この「ほめる」ことが意外と難しいようです。

 

私は、よく面談が終わると、「~ちゃん、今日よく頑張ったのでほめてあげてくださいね。」とお母さんに声掛けをするのですが、「ほめ方がわからない」というお母さんがたまにいます。

 

「いい子だね」

「えらいね」

「先生にほめられて良かったね」

「宿題ができたら、いい子よ」

「100点を取ったら、遊園地に連れて行ってあげるわ」

「かけっこで一番になったら、好きなゲームを買ってあげる!」

 

どれもよく聞くフレーズですが、本当にこれらの言葉がほめていることになるのでしょうか?

 

「自分の存在が受け入れられている」という感覚を子ども達に与えているのでしょうか?

 

 

ほめるときのポイント

ほめるときにいくつかポイントがあるのですが、一番大事なポイントは、親の感情が入っていることです。

 

オーバーアクションくらいでも大丈夫です。そして、できるだけ具体的であること

 

 

「今日はお手伝いしてくれて、ありがとう。あなたのおかげで家がきれいになったわ。お母さん忙しかったから、とても助かったー!」

 

「あなたが困っているお友達を助けてあげたって、先生に聞いて、お母さん本当にうれしい。勇気を出して行動できて、本当にえらいと思うわ」

 

「~ちゃんに譲ってあげられて、えらかったね!あなたは、優しい気持ちがあるのね」

 

「80点も取るなんてすごいじゃない!ふむふむ、次は見直しをしてみたら、間違いに気付くかもね?でも、自分なりによく頑張ったぞ!」

 

 

子ども達はまだコミュニケーション能力が大人ほどないので、一番伝わりやすいのは、親の感情だと思います。

 

そして、何についてほめられているのかをできるだけ具体的に伝えることも大事です。

 

子ども達は日々お父さん・お母さんにほめてもらいたい、受け入れてもらいたくて仕方ないのです。

 

ほめられた経験が心に栄養を与え、自尊心を育み、「これでいいか。自分もまあまあやるじゃん。」と思えるようになるのです。

 

そう思えたときに、初めて子どもが落ち着いて自分の力を発揮してきます。

 

まとめ

学童期前期における親の役割は、子どもを無条件に受け入れ安心を与えることと、対人関係のモデルを示すことです。

 

その後、親のできることはどんどん減っていき、仲間へと比重が移っていきます。

 

この移行がスムーズにできるように、日頃からこれらのポイントを実践して、土台を作っていくことが大切です。

 

 

【執筆者】

佐藤真由美 チャイルドカウンセラー

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  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2017年2月1日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。