元難病患者就職サポーターと難病当事者でクロストーク

2020.02.04公開 2020.03.16更新

2019年12月6日、ヤンセンファーマ株式会社さんから、病を抱えながら働く人々の就労環境を明らかにすることを目的とした「難病・IBDの就労環境に関する実態調査」が公表されました。

 

厚生労働省「平成25年度国民生活基礎調査」によると、3人に1人が病気の治療しながら仕事をしている現状がある中、治療と仕事の両立を実現する上で、どのような課題があるのでしょうか?

 

そこで今回は、ヤンセンファーマさんによる調査内容を踏まえて、元神奈川県難病患者就職サポーターで看護師の中金竜次さん、特発性過眠症という難治性疾患を抱える石橋優輝さんに、治療と仕事の両立支援についてお話しいただきました。

 

記事の最後には、中金さんが実際に就労支援の現場で活用していた3つのツールもご紹介いただいています。

 

中金竜次さん(写真左):就労支援を専門とする看護師。元神奈川県難病患者就職サポーター
石橋優輝さん(写真右):特発性過眠症当事者。ナルコレプシー患者の方が運営する認定NPO法人なるこ会の理事も務めている

 

>>石橋優輝さんの特発性過眠症に関するインタビュー

>>元・難病患者就職サポーター中金竜次さんによる難病患者就職サポーターの解説

>>【無料】中金竜次さんに質問できるオンライン難病就職サポートコミュニティはこちら

 

難病と仕事の両立について

難病と仕事の両立について

 

難病を抱えながら仕事をしている人が多くいることについて「よく知っていた」「なんとなく知っていた」人の割合は、23.6%に留まった。人事・総務関係者でも、38%に過ぎなかった。

「難病・IBDの就労環境に関する実態調査」より

近藤
難病を抱えながら働く現状、なかなか知る機会がないのでしょうか?
中金さん
そうですね。ご本人が職場で病気を開示しにくいことが一つの要因だと思います。

 

病気を理由に辞める方の多くは、職場で開示することなく辞めています。つまり就職活動のときからずっとクローズ。

 

当然、職場の周りの人も難病患者がいたことに気が付かない。

 

そういう状況がぐるぐる回っていることが多いです。

石橋さん
たしかに、「開示できないことが精神的な重荷となって、仕事が長続きしない」という話は患者会でもよく聞きます。
近藤
病気を開示するメリット以上に、リスクが大きいということなんでしょうか…。
中金さん
病気を開示するといっても、明確な方法や指針が定められているわけではないので、地域によってやり方が異なっていたりします。

 

その結果、その結果、せっかく開示したとしてもうまく伝わってなかったり、伝わったつもりになっていたり。

近藤
中金さんは、「難病患者と就労の間には制度の届かない谷がある」と仰っていますよね。
中金さん
はい。一番の谷は、その難病が“指定”か“指定ではない”かだと思っています。

近藤
ちなみに、石橋さんの特発性過眠症は指定難病ではない?
石橋さん
そうですね。

 

特発性過眠症について主治医から「完治しない」と言われているのに、指定難病ではないので、制度上では支援がない状態です。

中金さん
指定難病の場合、障害福祉サービスの対象になります。

 

しかし、指定ではない難病については、医療費助成の対象外です。

※指定難病は障害福祉サービス対象に含まれますが、障害福祉サービス対象疾患は障害者総合支援法対象疾患、361疾患が令和元年7月からの対象疾患になります。詳しくは、こちらの厚生労働省のリーフレットをご参照ください。

石橋さん
ハローワークに行った時、過眠症をオープンして就職活動をしても一般採用枠になるので、配慮の有無などは会社側に判断を委ねるしかないと言われました。

 

かと言って、障害者採用の案内ブースに行くと、今度は障害者手帳がないと言って断られる。

近藤
障害者手帳を持っているわけではないから一般採用枠。

 

でも、健康面で他の求職者よりハンデがある状態なので、かなり狭き門…。

石橋さん
その時に、自分自身がグレーゾーンであることに気付きました。

 

実際、患者会の中でもクローズで働く方は多いです。隠したほうが受かりますから。

近藤
隠したほうが受かる…。
石橋さん
障害者枠だと手帳がなくて受けられず、一般採用枠での就職も、病気を開示すればマイナス…

 

じゃあみんなどうしているのかと言えば、どうしようもなく隠している。

 

患者会を通じて、そんな現状も目の当たりしています。

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  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2020年2月4日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。

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