
ママは看護師でときどき過食症。笑顔の「ごちそうさま」が消えた日
単純な食べ過ぎと思われることも少なくない過食症。
人間関係などのストレスを原因として発生することも多いと言われ、食事のコントロールが難しく、自分でも病気と気が付きにくい病気でもあります。
今回は過食症をテーマに、望月はるかさん(仮名)にお話しいただきました。
過食症当事者である望月さんは看護師・保健師でもあり、過食や拒食に苦しみながら出産もご経験されています。
これまでのご経験されたこと、現在、過食で苦しんでいる人へのメッセージなどをお伺いしましたのでぜひ最後までご覧ください。
〈インタビュアー 近藤雄太郎〉
※写真はイメージです
目次
体型コンプレックスと過度なダイエット



運動部だったこともあり、周りから「足が太いな」と言われたり、姉妹の体型が細かったこともあり、自分だけ太いのは嫌だなと思っていました。


太いと言われたことを誰かに言えないですし、一人でグサッとしていましたね。


その後、過食のきっかけになったのは?


そのため、デートでは彼よりたくさん食べるのが恥ずかしく、少食ぶることが多々ありました。
隣を歩くのが恥ずかしくなり、自慢してもらえる彼女になりたくて、ダイエットを始めることに。


あとは、周りに細い人がいるとつい過剰に反応してしまう自分がいました。


「このままではダメだ!もっと頑張らないと!」と思い、たくさんダイエット情報を調べました。
それが結果的に過食の始まりだったと思っています。


相当ご自身を追い込みすぎていたのでしょうか?
また、看護師や保健師の資格を持ち、日頃から肥満の方への体重指導や生活指導をしてきたこともあり、食事改善の大切さは身に染みて感じていました。
しかし、ストイックな食生活がのちに悪魔の過食への入り口とは知らず、完璧主義の私は運動と食事に全力投球してしまっていたんです。




3年前のダイエット開始前が身長157㎝、体重52kgでした。ダイエットで46kgまで落としました。


なかなか理想の体型には近づかず、食べることが怖くなり、どんどん食べる量を減らしていくことで、一時的に体重が減ることはありました。
すると周囲から「痩せた?綺麗になった!」と言われることもあり、「やっぱり痩せなきゃダメなんだ…」とさらに食への恐怖を強くさせ、ほとんど食べなくなっていきました。


過食とは縁遠そうな気もしますが?
ある日、甘いものが食べたくなり、ひとつ食べたところ、おいしくておいしくて…。
知らぬ間に大袋のお菓子をペロッと完食してしまったです。
「今日くらいいいか!明日から頑張ろう!もう食べない!」と思うも、その日から食への執着がすごくなりました。


そうして、痩せたいのに食べてしまうという、生き地獄のような過食の人生と付き合うことになりました。

過食の量は5000kcal?

徐々に量が増えていき、パン、お菓子、アイス、米などをお腹がはちきれるまで食べます。


内容は、お米2合、菓子パン5~6個、アイス2個、ファミリーパックのお菓子2~3袋程度です。
私の場合、アイス→パン→お菓子→お米の順で食べることが多く、甘いものへの執着がすごいです。金額にすると1000円から2000円の間です。


2日に1回は過食をしてしまうことが多く、しんどいときは2日続けて…。


お腹いっぱいという感覚もないですし、買ってきたものを食べ切る、お腹がはち切れるところまでいかないと満足できないというか。




ただ、嘔吐したい気持ちは常にあり、「嘔吐できたら痩せられるのに」と嘔吐できない自分が嫌でした。
そのかわり、絶食や下剤でなんとか体重を減らすように必死でした。
そして過食と付き合いながらも、赤ちゃんを授かりました。


ヘルシーなものしか食べなかったり、かなり小量しか食べなかったり。
赤ちゃんを授かったことがとても嬉しかったのに、意識が体型や体重に支配されるこの病気はかなり恐ろしいと思います。


しかしその後、また過食がやってきます。過食をしながら50kg前後をウロウロし、現在は52~53kgです。


なんで妊娠中のときのように食べる量が減らないのか…
もしかすると、過食によるある種の「快感」のようなものへの依存があるのかもしれません。

止まらない過食、自己嫌悪、自責

しかし、はじめは無我夢中ですが、だんだんお腹がパンパンになってくると、「誰か止めて」「もう過食を止めたい」「食べなければよかった」と思うこともあります。


止めたいと思っていても止まらない、過食を止めることができない自分がとても嫌になり、とことん自分を責めていました。


「本当に何をしているんだろう」とコントロールできない自分が情けなく消えてしまいたいといつも思っていました。




そんな自分が恥ずかしく、情けなく、過食しているのを見られるのが怖いのだと思います。

- 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
- 本記事は2020年5月1日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。