ママは看護師でときどき過食症。笑顔の「ごちそうさま」が消えた日
目次
過食の原因はダイエットによる反動
過食して、絶食して、フラフラになって過食してしまう悪循環でした。
何回も全身鏡の前で体型をチェックして、細くならない自分にイライラして過食。
と言うように、自分が大嫌いで、どこにもぶつけられない苛立ちや悔しさ、悲しさを過食にぶつけていました。
母は自分の思う通りにならないとすぐ機嫌が悪くなるので、いつも顔色を伺っていました。
そして、母の機嫌が損なったらしんどくなって、過食してしまうことも多かったです。
これは想像ですが、娘が結婚後に実家を出ていったことでの寂しさもあると思います。
一番怖かったのは、特にストレスや疲れなどを感じていないのに過食してしまった時です。
なぜ過食してしまったかわからず、ある意味、反省もできないし、対策もとれないのです。
しんどくなくても、暇があると過食してしまう…。
ドラックとかタバコに似た依存のような状態なのかもしれません。
食べ過ぎと過食症の違いは量と食べ方
私の周りのよく食べる人に比べて、明らかに多い量を食べていました。
さらにたくさんの量を一瞬にして詰め込んでしまいます。
でも、私はひどい時、食べたいものがわからず、ただお腹がはちきれるまで詰め込むという作業でした。
それでも過食の欲求はあり、お腹を満たせそうなものを購入して詰め込んでいました。
そして、過食する時に誰かがいたら隠れてします。単純に食べ過ぎる方は、コソコソ隠れて食べることは無いと思います。
そして、残りは実家のトイレでコソコソと食べたりしていました。
一人の時に過食をしても、ゴミを小さく小さくまとめ、旦那さんにバレないようにと隠すことに必死でした。
やはり、人並みの食べ過ぎではないと感じているので、羞恥心がありました。
でもそれは絶対にできないんです。何が何でも。
普通の食べ過ぎを超えた異常な量で、しかも食べるスピードも早いですし。
「あー食べ過ぎたなー、でも美味しかった」
「お腹いっぱいだからもういいや」
と言うような思いがありますよね。
さらにひどい時は下剤を使ったり、絶食をしたり。体重を元に戻すことで頭がいっぱいになっていました。
過食症と病院、認知行動療法
保健師として勤務していたこともあり、心療内科や精神科でどのような治療をされるかや、予約がいっぱいですぐに受診できないことも知っていました。
それでも、藁にすがる思いで最短で診てもらえる心療内科に予約を取りました。
「あれ?治ったんじゃないの?」
「自分でなんとかできる!」
という思いになり、ドタキャンすることもありましたね。
診断は摂食障害ということで、「やっぱりか」という思いで、あまりショックなどはありませんでした。
しかし、コンスタントに食事をすることと言われても、量や内容の基準が全くわからず、常に食べ過ぎていないか不安でした。
空腹感はあるのに、満腹感が全くないので、普通に三食たべて!と言われても普通がわからないんです。
治療はどのようなことをしていたのでしょうか?
望月さんが実際につけているノート
一方で、教科書通りのような返答をされ、その時は少し納得はしますが、家に着くとまた元どおり…という感じでした。
「本当に私のこと相手してくれてるのか?」と思ったり、フローチャート通り言ってるだけなのかなと感じることもありました。
「BMIは標準で太ってないから大丈夫だよ」
「今の身長で45kgは、脳が萎縮するとか早死するリスクがある」
とか言われても、「それだったら、モデルの人はどうなんだろ」とか「そもそも、40kg台の人っていっぱいいるし」って。
そんな状態だったので、先生になかなか本音を言いづらくなってきていました。
同じ言葉でも、その知り合いの言葉はスッと自分の中に受け入れられているんですね。
「この人は分かってくれている」
「私のことを受け止めてくれている」
という感覚を持てるかどうかだと感じています。
過食症、自力で治す?
色んなルールを作りながら試しましたが、結局数日後に過食したい気持ちがきて、どれも続かなかったです。
さっきまで自力で治せる!と思っていても、数分後には過食をしてしまって、「もう自力では治せない」「だれか助けて」と思うことがありました。
その状態で日記とか食べたものを書くまで気持ちをもっていけないんですよね。
治る治らないというよりできない。今でも、過食と戦う方法は模索中です。
日常生活については、趣味を見つけること、自分を責めすぎないこと、頑張りすぎないことなどですが、こちらもまだまだ模索中です。
あと個人的には、旦那さんと一日一緒に過ごしていると過食をしないことが多いです。
過食をしないように、誰かに見張ってもらってる感じになってしまいますが…。
過食症の再発、治らないことへの絶望感
3年前に無理なダイエットの反動から過食症になり、妊娠をきっかけに体重増加の恐怖から拒食っぽくなり、産後、過食が再発しました。
妊娠中の長い拒食からの栄養不足で、反動により再発したと思います。
・病院に行っても過食してしまった時
・過食が連日続いた時
・割り切って好きなだけ過食をしてみても止まらなかった時
・少し治っていたけど過食してしまった時
などの絶望感は深かったです。
体重が0.1g増えただけでも嫌ですが、0.1g減ったとしても「0.1gだけか」となります。
過食してしまう自分よりも太っていくのが怖くて、どこにも出れずに嫌になったり。
一日中、体重のことばかり考えるのに疲れて「普通になりたいや」とか。
けど結局、数日経ったら「ダメダメダメ」となるんですよね。
ズボンがきつくなったりしたらパニックにもなります。大きいサイズのズボンを買えばいいとは思えないんです。
過食症へのご家族の対応
「逃げ」みたいな感覚で思っているかもしれません。
過食したことない人が過食の気持ちをわからないのは当たり前だと思います。でもその一方で、分かってほしいという思いもやっぱりあります。
しかし私の場合、看護師や保健師の資格があったからなおさら、リスクについては自覚していました。
それでも過食してしまう苦しみと戦っていたので、糖尿病のリスクのような話をされても責められているようで辛かったです。
また、過食について相談をした時、病院に行くこと、薬を飲むこと、入院することを勧められたことも嫌でした。
一緒に考えてくれていないことはとても寂しく、孤独感がさらに強くなってしまうので。
ご飯を食べる時間もかなり気になっていたので、規則正しく一緒に食べるという簡単なことですが、一緒に誰かと食べることで食への恐怖は軽減されるのではないかと思います。
「いいんだよ!また一緒に頑張ろう」の一言でいいと思うんです。
過食症セルフチェックポイントは?
・食べた後に、罪悪感、自責の念がある
・食べ過ぎた後に食事制限をしたり、下剤の使用、嘔吐をする
・短時間に大量の食べ物を詰め込む
・食べたいものがわからないけど食べてしまう
・隠れてたくさんの食べ物を食べる
・人の目が気になる
・体型や体重が気になるけど食べてしまう
・ダイエットのことが頭から離れない
・普段の食事でカロリーや量が気になる
読者へのメッセージ
【いま、過食で悩んでいる人へ】
よく頑張りましたね!おつかれ様です!
まずは、たくさん褒めて差し上げたいです!そして、休ませてあげたいです。許してあげたいです。
毎日が生き地獄のようで、矛盾だらけの自分がすごく辛いと思います。
食べたい、痩せたいで頭の中がいっぱいだと思います。
1日三食食べてみたけど治らない、明日からやめようと思っても次の日は過食、どんどん太っていく自分、誰にも言えない思い、本当に辛いと思います。
でも、同じ悩みを持つ過食症の人はたくさんいます。一人じゃないです。
理解してくれる人も数少ないかもしれませんがいます。
そして、いつか、また笑顔でごちそうさま、おいしかったと言える日がきます!
私もまだまだ過食に苦しめられています。死にたい時もたくさんあります!
でも、私は過食症で苦しむ方の力になりたい!と言うことを希望にまた前を向いて生きていこうと思います。
【ご家族の方へ】
ヘルプを出しにくい、家族に気づいてほしい。
もし、過食症について相談されたり、助けて欲しいの一声を受けたならば、どうか見放さないで、長く付き合っていただけると嬉しいと思います。
完治の光が見えず、孤独で頑張ってきた過食症の方をどうか責めないでください。
抱きしめてあげてもいいと思います。
ただただ話を聞くだけでもいいと思います。
ゆっくり思いを聞いて、一緒に戦い方を見つけてあげてください。
【ダイエットをしている方へ】
近年は、テレビや雑誌、SNSではとてもスタイルのいいモデルさんがたくさんいます。
そんな方と比べて、自分の体型が嫌になったり、自信がなくなったりしますよね。
でも、どうか無理なダイエットだけはやめてください。
痩せてもその後の代償が大きくとても苦しむことになるかもしれないからです。
スタイルが良くなること、痩せることだけが全てではないです。
今あなたがここにいるだけですごく素晴らしく、美しいです。
自分を好きになることは難しいですよね。私も自分が大嫌いです。
でも、そんな自分を少しづつ認めて、許して行こうと思います。
どうか、無理をされないことを祈ります。
- 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
- 本記事は2020年5月1日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。