【第13話:作戦成功】〜お父さんうつ日記〜

父の久しぶりの通院が終わった後、今度はどうやって薬を飲み続けるかが次の課題となりました。

 

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「薬をどうやったら飲んでくれるかなー」と、色々考えて思いついたのが、マスキングテープに日付を書いて、薬と一緒に壁に貼る、という方法でした。

 

これは、よく売ってる「お薬カレンダー」的なものにヒントを得たアイデアでした。

 

私が既製品を買うのではなく、手作業で行っていたのは、その方が父も薬を飲む気になってくれるかなと思ったからです。

 

結果はまずまずで、次の日から、父は毎日きちんと薬を飲むようになっていました。

 

もちろん、私は自分の試みがうまくいって得意顔になったし、父が薬を飲み始めてくれたことに対して、嬉しく思っていました。

 

ただ今振り返って、「あれはあれでよかったのか」と、疑問に思うこともあります。

 

結果として、父は薬を飲むようになったし、その様子を見て、私たち家族も少し安心し始めていました。

 

けれど、私がした工夫というのは、父に薬を「飲ませる」ための工夫であって、

 

「なぜ、父は今まで薬を飲もうとしなかったのか」

「薬を飲むことについて、どのように感じているのか」

 

という父本人の気持ちと向き合う努力は、残念ながらできていなかったように思います。

 

家族として、うつ病を患う人と向き合おうとすると、何かうまくいかないと「何がだめなんだろう」と考えてしまうし、何かうまくいっても「本当にこれでよかったんだろうか」と思ってしまうしで、なんだかずっと頭の中が忙しないなぁと感じます。

 

 

【第14話:くやしい】を読む

 

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【執筆】

シブ子

 

 

 

 

 

 

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  • 本記事は2017年4月12日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。