【第21話:雨】〜お父さんうつ日記〜
これは、母の鬱憤が爆発した夜の次の日のお話。当時お付き合いしていた彼も登場してきます。
彼とはもう別れているので、なんか思い出しながら書くのも複雑な気持ちがしますね~…(笑)
まぁそれは置いておいて、ちゃんと当時を振り返りたいと思います。
母が父に対して不満をぶちまけた時、やはり私は父の隣に座っていました。
いたたまれなくて、母の言葉が怖くて、自分が何を言われている訳でもないのに、父の隣で膝を抱えて泣いていました。
この出来事が、その後の私の中に深く根付いて、思い出す度、私の胸をシクシクと痛ませるようになりました。
何故かは分からないけど、この夜の出来事は圧倒的に印象的で、「父の闘病中の辛かった記憶ランキング」の中で一気に堂々1位に躍り出ました。
次の日の夜は、素知らぬ顔で家に帰るなんて、できる訳がありませんでした。
その日は確か、彼と夜ご飯を食べて、家まで送ってもらいながら帰りました。
電車に乗って、最寄りから歩いて、何事もなかったかのような足取りで家まで向かっていました。
彼には父のうつ病について伝えていましたが、前日の父母の喧嘩?については話していませんでした。
だから、私が家に着く10m手前で急に泣き出したときは、きっとびっくりしたと思います。
急に前の日の夜の出来事が頭の中を駆け巡り、胸が詰まってしまいました。
その日は雨が降っていたのに、彼は「もう少し歩こう」と言って、私が落ち着くまで散歩に付き合ってくれました。
確か30分くらい歩いたんじゃなかったかなーと思うんですが、気持ちが落ち着いても、やっぱり家には入りづらかったです。
これ以降、私の意識的な家からの逃避が始まりました。
それまでもあまりちゃんと家に帰るタイプではなかったですが(笑)、それが顕著になりました。
なるべく人との予定を入れて、なるべく遅くに帰宅するようになりました。
母と父がやり取りする様子を見たくなかったからです。二人が話す時、私はいつもハラハラびくびくしてたから。
この時の私は逃げることを選びました。もう無理だと思ったから。私も私なりに頑張ってきたつもりでいたけど、もうどうしようもないと思ったから。
私が家で感じた、もやもや・ハラハラ・イライラ、苦しみ・痛み・悲しみがごった返した混沌の中で、家族と向き合い続ける姿勢を保ち続けるには、強さが足りなかった。
きっと今の私が同じ状況に立たされても、やっぱり逃げてしまうだろうと思います。
それくらい私に大きなショックを与えた出来事で、今でも消化しきれていません。
【第22話を読む】
【執筆】
シブ子
あなたの経験談もシェアしてみませんか?
Reme(リミー)では、「私の経験談」で紹介する体験談を匿名で募集しています。
経験や想いを、同じような苦しみと向き合う方に届けてみませんか?
いただいた情報は、個人が特定されない範囲で、サイト上で公開させていただきます。
- 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
- 本記事は2017年5月17日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。