育児に協力的な夫にイライラ…肩の力を抜いて「ありがとう」を伝えてみよう

2020.06.28公開

協力的な夫にイライラする自分にもイライラ

近藤
協力的な夫にイライラしてしまう自分へのイライラ&自己嫌悪…解消させるためにはどうしたらいいでしょうか?

イライラしてしまうきっかけや原因はさまざまですが、その時の心のメカニズムとして、共通しているものがあります。

 

それを視野狭窄(しやきょうさく)といって、ご自身のものの見方や考え方が狭くなってしまい、本当はたくさんの可能性や方法があるのにも関わらず、それらを見出せずに「狭い世界」で立ち止まってしまうことをいいます。

 

「夫婦とは何か?」というところも含めて、2人の関係を振り返ってみると、見えてくることが多いでしょう。

 

自分の動いて欲しいように動いてくれるのがご主人の役割ではないはずですし、親としてお子さんにどう関わっていけばいいかは、夫婦のどちらもが手探りの状態のはずです。

 

ですから、まずはご主人が子育てに協力的であるということに関して、感謝の気持ちを持つことから始めてみましょう。

 

そして先程述べたように、視野狭窄が起きているときは、自分の世界が自宅の家だけのような感覚に陥ったり、自分の人間関係がご主人とお子さんだけのような気持ちになってしまうこともありえます。

 

もし可能なら、育児の手をゆるめて、自分1人で何か楽しめる時間を作ってみてください。なにより、十分な睡眠時間を確保することを心がけてください。

 

気持ちに余裕がある時は、広い視野で物事を見ることが出来るため、イライラすることも格段と少なくなりますよ。

 

八つ当たり以外で夫に意志を伝えるには?

近藤
自由に見える夫につい八つ当たり…。夫に自分の意志を伝えるにはどうしたらいい?

育児中のご主人の行動について、1人だけ自由に振舞っているように見えて、自分だけ楽しむなんてズルい!と感じたことはありませんか?

 

育児には、睡眠時間を削ってでも直接関わり続けていく役割と、経済面で家族の基盤を支える役割の2つが必要です。

 

どちらを女性が、どちらを男性がやるべきといったものはありませんが、この2つの柱から育児は成り立っているということは、決して忘れずにいてください。

 

もちろん、特に子どもが小さいうちは、お母さんが寝る時間や食事の時間を確保することさえ難しくなりますから、肉体的・精神的にも、負担が多いのは母親の方です。

 

ただ、だからといって、ご主人が仕事をセーブするなどして、入ってくるお金が減ってしまう展開に傾いていくのも、現実的に良いこととはいえないでしょう。

 

育児中の夫婦関係でよく摩擦が生じるきっかけとなるのが、こういった「自分ばかりが苦労している」ように感じてしまう、損得勘定の問題です。

 

育児に関して、全て半々で出来たら良いに越したことはないのですが、現実はなかなかそうはいきません。

 

それは、適性の問題も生じてくるためです。

 

より収入に繋げられる方が働き、子どものお世話は、より向いている方が担うという方法が、どうしても効率的なのです。

 

夫婦の関係を少しでも良くしたい、お母さんの思いを理解してもらうためにも、まずは相手に感謝する気持ちを持つことです。

 

そして、感謝をなるべく言葉で表現することが大切になります

 

相手を敬う気持ちをベースにしつつも、自分の疲れを溜め込まないように注意しましょう。

 

育児疲れを感じたら、何が辛いかを伝えるのに加えて、具体的にどのように助けて欲しいか(買い物を代わりに行って欲しい、睡眠時間を増やしたい等)を話してみてくださいね。

 

常に夫婦で育児をしていると捉えなおし、夫婦の役割や立場を見直すことは、育児中のイライラ解消に、きっと役立つと思いますよ。

 

さいごに

今回は、育児に協力的な夫にイライラしてしまう心理と対処法について、臨床心理士に解説していただきました。

 

睡眠時間を削ってでも、お子さんに直接関わるママの負担は、肉体的・精神的にもとても大きいもの。

 

日中の育児で孤独になりがちなママが「自分ばかりが苦労している」と感じることは仕方のないことでもありますし、ご自身の本音の感情を向き合うことは大事なこととも言えます。

 

その一方で、経済面から家族の基盤を支えることも育児の大切な要素でもあります。

 

そんな夫に感謝の気持ちを伝えることは、感謝を伝える自分自身の心も温かくしたり、沈んだ気持ちを和らげる効果もあります。

 

育児にストレスはつきもの。

 

「ありがとう」の一言でご自身のストレス耐性を強くし、ネガティブ思考から抜け出すことで、夫婦関係の改善の糸口となるのではないでしょうか。

 

すぐに実践できる感謝のもつ効果を活用して、イライラを前向きな力に変えていきましょう。

 

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鈴木なつこ

臨床心理士 公認心理師

心理系大学院在学中よりフリースクールスタッフ、精神障害者の共同作業所などを経験。修士課程修了後、スクールカウンセラーとして従事。電話相談業務も兼ねる傍ら、臨床心理士を取得。現在は公認心理師資格を取得し、公立小中学校のスクールカウンセラー。専門は不登校と発達障害。一児の母。

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2020年6月28日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。