【第23話:言えない】〜お父さんうつ日記〜
この4コマについて話すことは、本当に骨が折れます。私がこれまで描いてきた4コマの中で、一番闇深い気持ちを描いています。
この投稿書ききれたら拍手してくださいね、、(心の耳で聞きます)。
一番初めの自己紹介の投稿で、私は「悩みを打ち明ける相手がいないこと」が悩みだったと書きました。
その悩みが全面的に出ています。
父はうつ病になっているし、父と母の関係もよくないし、私が助けになれる訳でもないし、家に帰りたくないし、でもその間にまた父と母が衝突してたら心配だし、でも、でも、、、、と頭の中に無数の不安や悩みを抱えていました。
考えれば考えるほど、解決できるようなことなんて無いような気がして、頭の中は八方塞がりになっていました。
なんていうか、風船の中に、「ナヤミ」という名前の気体を注入していって、そろそろ限界まで風船は膨らんでいるけど、どうしたらいいのか分からない感じでした。
パンパンに膨れ上がった風船を、頭蓋骨が抑え込んでいるような状態ですから、圧迫されるような苦しさがあります。
誰かに話すことで、風船にひと針でもさせれば、きっと空気はその穴からどんどん抜けていって、楽になれたんだと思います。
でも、できなかった。怖かったんです。
もし、針の刺し方を間違えたら、ただ空気が抜けるだけじゃなくて、風船が破裂していたかもしれない。
そしたら私はきっと取り乱して、収拾がつかないくらい暴れてしまったかもしれない。
「風船が弾けてしまったら、私はどうなってしまうんだろう」と怖くて、苦しくてもその苦しさに耐えるしかなかった。
「不安や悩みを打ち明けて相談する」と言うのは一見誰でもできることのように見えて、実はハードルが高いです。
それは、自分が既に抱えている不安に加えて、次のような不安も加わるからです。
「もし、この人が、私の状況を正確に理解してくれなくて、的外れなアドバイスをしてきたらどうしよう。その内容が、私が傷付くような内容だったらどうしよう」
「もし、私が悩んでいる内容が、この人にとって取るに足らないような内容で、『時間を無駄にした』という思いを抱かせてしまったらどうしよう」
「もし、私が悩んでいる内容が、この人にとってとても重い内容で、今後距離を置かれるようになったらどうしよう」
と。
「不安・悩みを打ち明けて相談する」という行為は「傷口を見せて、どうやって治療したらいいか一緒に考えてもらう」ことだと私は考えています。
自分の傷口を晒すことは、「塩を塗られる」というリスクが伴う行動だから、とても勇気がいります。
目の前の相手は、その勇気を受け止めてくれる相手なのかどうか、そういうことも心配し始めると、どんどん風船は膨らんで行ってしまいます。
うまい対処法を、できるだけ早く見つけていたかったなと思います。
【第24話を読む】
【執筆】
シブ子
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- 本記事は2017年6月6日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。