【臨床心理士解説】愛猫の死で後悔ばかり…猫の気持ちを考えて悲しむ状態から抜け出すには?
どれだけ愛情を注いでペットを大切にお世話をしていても、亡くなった後で、
「あの子は本当に幸せだったのかな」
「あの時もっとこうしていれば」
と様々な想いや後悔が押し寄せてくることもあるかと思います。
また、亡くなった理由によっては自分自身を責めてしまうこともあるでしょう。
そういった後悔、自責、悲しみの状態から少しでも気持ちが楽になれるよう、臨床心理士に対処法をご紹介いただきました。
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悲しみから無理やり抜け出そうとしない
大切にしていた愛猫がなくなって途方もない悲しみに襲われるのは、自然な心の反応です。
悲しみ自体は決して悪いものではないので、悲しんでいる自分自身のことをまずは受け入れてあげてください。
悲しみを否定して抜け出そうと焦ってあがいても、より一層心の深くに悲しみが突き刺さってしまったり、時には自暴自棄な気持ちへと走ってしまうことにもなります。
例えば、悲しみや後悔の気持ちが押し寄せてきたときに、最初に
「あぁ、私は今あの子を失って悲しくてたまらないんだな」
「それだけ私とあの子には沢山の思い出があったもんな」
と、悲しんでいる自分の気持ちをありのままに抱きしめてあげるような姿勢でいましょう。
終わりのない悲しみは無い、ということを知っておく
愛猫を失くした悲しみは1日2日でなくなるものではなく、悲しみが大きければ大きいほど、回復までに時間が少し必要になるかもしれません。
例えば、食べ物を一気に沢山食べてしまうと消化に時間がかかるように、大きな悲しみも消化に時間がかかるのだとイメージするとわかりやすいかもしれません。
しかしここで知っていてほしいのが、長いトンネルの中のようにいつ出口が見えるか分からないと感じる悲しみでも、いつかは出口にたどり着くということです。
悲しみに飲み込まれて辛い状態は永遠には続きません。
愛猫を亡くした直後に生まれた悲しみは、時間の経過とともに少しずつコントロールできるようになり、最終的には落ち着いた気持ちで愛猫との沢山の素敵な思い出を思い出せるまでに回復していきます。
それまでは焦らず、時間の経過に任せて日々を過ごすことをおすすめします。
ただ、いずれ抜けられる悲しみだとしてもまさに今辛くてしょうがない、何かしていたい、という気持ちになっているようでしたら、
毎日の自分の気持ちをできるだけ客観的にノートに記録する
という方法もあります。例えば、
「今日は最近の中では比較的悲しみに飲まれずに過ごせた」
「今日はずっと亡くなったあの子のことばかり考えていた」
「部屋に置いたままのペットフードを見て号泣した」
「今日はなぜだかあまり悲しみを感じず一日友達と遊んだ」
など、それ自体に良いも悪いも評価を付けず、できるだけ客観的に自分を観察して書いてみてください。
続けていくと、振り返って読んでみたときに自分の気持ちが悲しみの波を繰り返しながら変化していっている様子に気が付くかもしれません。
自分の気持ちと愛猫の気持ちを区別して考える
愛猫の死について後悔し、自分自身を責めてしまう時に陥りがちなのが、愛猫の気持ちと自分の気持ちをごちゃまぜにして感じてしまうことです。
たとえ愛猫がどのように亡くなったとしても、自分自身を今責めているのは亡くなった愛猫ではなく自分です。
亡くなった愛猫にとって幸せな人(猫)生であったかどうかを決めるのは愛猫自身であり、飼い主である自分ではありませんし、飼い主には分かりようのないものです。
「あの子はきっと私を責めているに違いない」
「あの時の表情は私のことを恨んでいた」
「こんな飼い方だったからあの子は幸せじゃなかった。もっとこうしていればよかった」
などの考えは全て自分自身が作り出しているものなのだと気が付くことはとても大切なことです。
亡くなった愛猫は今あなたを責めてはいません。
さいごに
そして最後に、今は大切な猫を失って深い悲しみの中にあっても、時間が経つと少しずつ心が回復して、いつかは悲しみに飲み込まれることなく愛猫のことを思い出せる日がやってくるかと思います。
そしてその際に気を付けていただきたいのが、悲しみが薄らぐことに罪悪感を抱くことです。
また新たにペットを飼うことを「前のペットの身代わり」とか「もう次にいくのか」「薄情者」と考えてしまって自分を責めてしまい、ペットロスからの回復を自分自身で妨げてしまうことがあります。
たとえ新しいペットをお迎えしたとしても、愛猫への想いが消えてしまうわけではありません。
失ったペットとの思い出は大切にして、新しく出会ったペットとも大切な思い出を沢山作ってください。
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- 本記事は2022年9月27日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。