【臨床心理士解説】子供が完璧主義すぎる…完璧主義な子供への対応と育て方とは?

2023.02.12公開 2023.02.18更新

お子さんの完璧主義な言動が気になってしまっていませんか?

 

お子さんの言動の中に「完璧主義」を感じてしまう時に大切なことは、お子さんの完璧主義の背景を理解しようとする気持ちです。

 

完璧主義な言動そのものよりも、

「どうしてそういった完璧主義に見えるような言動をとっているのか」

というお子さんの考えやお気持ちを考えてみましょう。

 

お子さんの言動の背景が見えてくると、どういった対応をした方が良いのかが見えてきます。

 

そこで今回は、完璧主義な子供への対応と育て方についての具体例を臨床心理士に解説してもらいました。

 

【関連記事】

>>子育てのイライラで赤ちゃんに暴言、叩く…対処法として「ほどよい母親」のススメ

>>【臨床心理士解説】完璧主義の原因は幼少期の愛情不足?親のせい?4つのパターン

>>【臨床心理士解説】完璧主義を克服したい!思考の癖と克服方法とは?

 

①人の目を気にして、失敗を極端に恐れているのかもしれない

「間違えたら恥ずかしい」

「他の子はできてるから」

そういった言葉をお子さんが言っているのを聞いたことはありませんか?

 

お子さんの中には、失敗したら周りに馬鹿にされてしまうのではないか、笑われてしまうのではないかと思い、失敗を極端に嫌がる子もいます。

 

そういったお子さんは常に準備万端、下準備を入念に行っていないと落ち着かず、結果として完璧主義な行動をとるようになります。

 

そういったお子さんに対して親としておすすめの対応は、【親の失敗談を楽しく話す】です。

 

最近あった話でなくでも大丈夫です。

 

親であるあなたがお子さんと同じくらいの歳に経験した、ちょっと恥ずかしいような、振り返ると笑い話になるようなエピソードをお子さんに積極的に話てみて下さい。

 

そうすると、親の失敗を楽しいエピソードとして聞いた子どもは

「お母さん(お父さん)でもそんな失敗したことあるんだ」

と安心し、失敗へのハードルを下げることができます。

 

②自分(親)が完璧主義になるように追い詰めているのかもしれない

親である自分自身では気が付きにくいことですが、何気ない親の言動がお子さんを完璧主義な行動に駆り立てている可能性もあります。

 

例えば、子どもの成績を伸ばしたくて、子どもが持って帰ってきたテストの成績に対して

「次はもっといい点数になるよう頑張ろうね」

 

「あなたはやればできる子だから、本当はもっとできるはずよ」

 

「もっとこうした方がいいよ」

といった、今よりも上の成果を求めるような言葉がけばかりしていませんか?

 

親からすると子どもを励ましているつもりでも、子どもからすると「もっと頑張りなさい」というメッセージとして受け取ってしまい、プレッシャーを感じることも少なくありません。

 

すると「もっと頑張らなくちゃ」という考えが子どもの根底に刷り込まれてしまい、自分に優しくできないストイックな完璧主義的言動をとるようになっていくことがあります。

 

こうした場合の親の対応としておすすめなのが以下の3つです。

 

結果ではなく、努力の過程をほめる

例えばお子さんのテストの点数に注目するのではなく、テストを頑張ったことに目を向けて「よく頑張ったね」とほめてあげる

 

子どもと一緒に喜ぶ

子供が何かに成功したときは、より良い方法を指摘するのではなく、まずはできたことを一緒に喜んであげる

 

楽しさを教える

頑張るということについて、より上の成果を求めるために頑張れというだけでなく、頑張る過程が楽しいのだと教えてあげる。

 

良かれと思ってお子さんにしていたことで、お子さんが追い詰められて完璧主義な行動をとるようになってしまったとしたら、それは親にとっても辛いことです。

 

お子さんの完璧主義な子言動を心配することは、親としての言動がお子さんにどう受け止められているのかを見直すいい機会になるかもしれませんよ。

 

③こだわりが強い子なのかもしれない

1つのことに熱中したり、納得いくまで妥協を許さない、一度決めたルールを崩そうとしない、といったようなこだわりの強さが、一見すると完璧主義のように見えることがあります。

 

お子さんのこだわりが強い場合の対応としては以下のことがお勧めです。

 

こだわっている部分を無理にやめさせようとしない

無理にやめさせようとすると、かえって執着してこだわりが強くなることがあります。

 

周りに特に迷惑が掛かっているわけでないのなら、否定せずにお子さんの納得いくようにさせてあげてもいいかもしれません

 

熱中するものは可能な限り好きにさせる

周りの子供と比べて何かに以上に熱中している姿が完璧主義に見えるときでも、その子が満足するまで好きに熱中させてあげてみてください。

 

もしかしたら将来はその分野のスペシャリストになるかもしれませんし、得意なこととしてどんどん伸びていくかもしれません。

 

ただし、お子さんのこだわりがあまりに強くて日常生活に支障が出ていたり、学校や友人関係で何かトラブルが起こっているといったことで親として困っている・大変すぎる、という場合には、一度小児科や地域の子育て支援センターなどへの相談を検討してみてください。

 

専門家に直接相談すること問題の突破口がみつかるかもしれません。

 

【関連記事】

>>子育てのイライラで赤ちゃんに暴言、叩く…対処法として「ほどよい母親」のススメ

>>【臨床心理士解説】完璧主義の原因は幼少期の愛情不足?親のせい?4つのパターン

>>【臨床心理士解説】完璧主義を克服したい!思考の癖と克服方法とは?

シェア
ツイート
ブックマーク

福丸みお

臨床心理士/公認心理師

臨床心理士・公認心理師。大学院修了後、精神科やメンタルクリニックにてカウンセリング業務やデイケア、生活相談等に従事。心の病から日常生活での悩みまで幅広く対応し、多くの相談者の心に寄り添う。

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2023年2月12日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。