【不登校での親の対応】学校との関わり方、子供の進路問題を臨床心理士が解説

2019.09.10公開

お子さんが学校を長く休んでいることで、

「授業の内容がわからなくなり、もう学習面でついていけないのではないか…」

「進学出来る高校もないのでは…」

と、卒業後について心配される方は大変多いです。

 

お子さんが不登校になった時に、一番陥りやすいのは、お子さんと一緒に学校との距離を広げていってしまうことです。

 

はじめは何をしたらよいかわからず抵抗があるかもしれませんが、ここは踏ん張りどころです。

 

うまく学校と連携をとりながら、卒業後の進路についてもお子さんに一番合った選択が出来るようにしていきましょう。

 

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お子さんが不登校に…親がとるべき対応とは?

1. 先生との情報交換はこちらから取りに行く姿勢で

欠席が長引き、不登校の状態にある場合は、担任の先生が家庭訪問に来たり、電話でお子さんの様子を聞かれたりすることがほとんどですので、「待ち」の姿勢が多くなりがちです。

 

けれど、それでは学校からはタイムリーのお子さんの様子を知ることが出来ず、なにか良いお知らせや状況に応じた働きかけを逃してしまうことが往々にしてあるのです。

 

こういった状況の中では、ただ学校側からの連絡を待つのではなく、お子さんの様子を報告しながら、クラスの様子や行事、テストの範囲について聞いてみるなど、小まめに情報を集めていきましょう。

 

そういった情報の中に、お子さんがまた登校してみようと思えるきっかけがあるだけでなく、最終的には進路についても色々と見えてくるものがあります。

 

これまで、上の学年において、欠席が多かった生徒がどのような高校に進学しているかを聞いてみるのも方法の一つです。

 

親御さんから積極的に学校と関わりを持とうとしていくことは理想です。

 

学校もそのアクションを起こしてくれることを待っています。

 

2. ガイダンスや説明会で地域の高校の情報収集をする

お子さんが自ら動けない分、親御さんがどれだけ受験の時期までに入試情報を集められるかは大変重要なポイントになります。

 

なるべく早い段階から、中学(又は高校)進学ガイダンスや学校主催の説明会に足を運び、欠席日数の多い生徒の受け入れ状況を確認するなど、入試担当の方に色々と相談していくことをお勧めします。

 

3. 登校刺激ばかりはNG。家族の時間を楽しむことが鍵

お子さんの気持ちが塞ぎがちになっており、自分に自信を無くしている時こそ、親の力が試されます。

 

また、今のお子さんはさまざまなことに対して疲弊している状態です。

 

登校刺激ばかり与えてしまうと、誰も味方がいないように感じ、ますます心を閉ざしてしまうこともあります。

 

家にいることで余計にお子さんが辛くなってしまわないよう、これまで出来なかった家族の話し合いやお出かけを、まずは楽しむ気持ちで過ごしていってください。

 

これが家庭で理想的な親御さんの姿勢です。

 

学校から得た情報についても、丸々そのままお子さんに伝えるのではなく、

「クラスの〇〇さんがまた会いたいと言ってくれているみたいだけど、どうする?」

「得意な科目だけテストを受けに行くことが出来るみたいだよ」

など、また学校に通いたいと思えるような、お子さんの自信を取り戻せそうな情報を選んで伝えていくことも方法です。

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鈴木なつこ

臨床心理士 公認心理師

心理系大学院在学中よりフリースクールスタッフ、精神障害者の共同作業所などを経験。修士課程修了後、スクールカウンセラーとして従事。電話相談業務も兼ねる傍ら、臨床心理士を取得。現在は公認心理師資格を取得し、公立小中学校のスクールカウンセラー。専門は不登校と発達障害。一児の母。

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2019年9月10日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。