障害年金の受給資格・申請方法のポイントって?精神保健福祉士が解説
「老後どうなるかわからないのに、年金を払う意味はあるの?」というお話をよく耳にします。
「年金は高齢者がもらうもの」「一応、払ってはいるけれど自分には関係ない」と思っていませんか?
しかし、あなたが身体的、精神的に障害を持ってしまったとき、障害年金という形で年金を受給できる可能性があります。
障害によって働けなくなってしまったとき、年金収入があると経済的な心配が少なくなりますよね。
65歳未満の方も対象となっていますので、働けなくなった時の保障として知っておくとよいと思います。
今回は、障害年金について受給資格や申請方法を解説していきます。
目次
2種類ある障害年金
障害年金は大きく分けて2種類あります。
「障害基礎年金」と「障害厚生年金」です。
今回は受給資格や申請方法についての解説なので、詳しい解説は省きます。
以下の記事も参考にしてみてください。
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障害年金の受給資格って?
皆さんは、障害年金の受給資格はご存知ですか?
20歳になると、国民年金への加入について区市町村から知らせが届くと思います。
日本は国民皆保険のため、ほとんどの方が国民年金に加入し、年金手帳を持っているはずです。
現在働かれている方は、会社に預けていることもあるかもしれませんね。
あなたが加入しているのは国民年金ですか?
それとも厚生年金でしょうか?
20歳を過ぎた方が全員加入しているのが国民年金です。
大学生や専門学校生の方は、近いうちに免除手続きをした覚えのある方も多いのではないでしょうか。
自営業や短時間のアルバイト・パート勤務の方も国民年金の方が多いと思います。
障害基礎年金のポイント
国民年金のみに加入されている方が受給できるのは「障害基礎年金」です。
障害基礎年金を受給するためにはポイントが3つあります。
1つ目は、障害の原因になった症状の「初診日がいつか?」、
2つ目は、初診日のときの年齢が「65歳未満であるか?」、
そして3つ目は、「年金未納はないか?」ということです。
障害基礎年金の受給要件
「初診日のある月の前々月までの公的年金加入期間2/3において、年金を納付・免除されていること」
「初診日の年齢が65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に年金未納がないこと」
障害基礎年金については、いずれかを満たしていること要件です。
簡単にいうと、
障害を持つまでに、年金を納付、または免除の手続きをしているか
ということになります。
あなたは手続きをしていますか?
20歳から今までずっと年金を納めてきた、あるいは免除の手続きをしていたという方は障害基礎年金を受給できます。
障害の程度が、国の定める等級(1・2級)を満たしているかも重要になるため、申請には診断書が必要になります。
なお、初診日が20歳になる前だったという方は、納付要件はありません。
受給要件を満たなさい例
受給要件を満たさない、という例でよくあるのが年金の未納です。
「仕事を辞めたけれど、国民年金免除の手続きをしなかった。」
「フリーターで国民年金納付の知らせを無視していた。」
という方は注意が必要です。
現在、障害などは特にないけれども、この記事を読んでいるという方も、ぜひ年金の手続きをすることをおすすめします。
未納の場合でも、必ずしもたまった年金を支払わなければいけないのではありません。
収入がない場合は、免除の手続きをするだけで、今後何らかの理由で障害を持ってしまった際に、障害基礎年金を受給することができます。
受給要件を満たしてるか分からない場合
ご自身の受給要件について全くわからない…という方は、年金事務所で照会してもらうと、現在受給要件を満たしているかどうかがわかります。
できれば、年金手帳を用意して行きましょう。
定期的に届く「ねんきん定期便」を見てみるのもよいでしょう。
未納がないかを確認することができます。
障害厚生年金について
次に障害厚生年金についてです。
障害厚生年金は、会社に勤めていて、お給料から厚生年金を引かれている方が対象になります。
厚生年金に加入している間に初診日がある障害について、障害基礎年金を受給できる状態であれば、上乗せして障害厚生年金を受給することができます。
厚生年金では、障害基礎年金受給に相当しない状態のとき、障害厚生年金3級を受給できます。
また、障害基礎年金、障害厚生年金を受給する程の障害がないと判断された場合は、「障害手当金」という一時金を受給できる場合があるので、主治医に相談してみましょう。
障害年金の申請方法とは?
障害年金の申請には手続きが必要です。必要書類・印鑑を用意しましょう。
申請に必要な8つのもの
・年金申請書
・年金手帳
・生年月日を明らかにできる書類(戸籍謄本や戸籍抄本など)
・医師の診断書
・受診状況等証明書
・病歴・就労状況等申立書
・受取先金融機関の通帳(本人名義)
・印鑑
お住いの地域の市区町村役場、もしくは年金事務所や相談窓口に申請用紙があります。
また、日本年金機構のホームページからダウンロードも可能です。
申請書類の中でポイントになるのが、「受診状況等証明書」と「病歴・就労状況等申立書」です。
初診日が重要なポイント
受給要件のなかでも記載した通り、「障害の原因となった症状の初診日はいつか」が重要です。
特に精神障害の場合、初診から病院を変えてしまったということが多くみられます。
その際は、最初に受診した病院から紹介状をもらって現在の病院にかかっているのか、空白期間があるのかで初診日決定の仕方が違います。
紹介状があり、現在の主治医にかかっている場合は、主治医が初診日を証明することができます。
しかし、紹介状がない場合は、初診で訪れた病院に行って初診日を聞かなければなりません。
そこからカルテなどを通して、初診日を決定していくことになります。
初診日さえ確定すれば、残りの書類を書き上げて提出すると、それから約3か月で障害年金の支給決定がおります。
初診から何年も経っている場合、現在までの期間をさかのぼって年金を請求することができます。
その点も忘れずに記入しましょう。
さいごに
繰り返しになりますが、障害年金は
「初診日」
「初診日までに年金の手続きをしているか」
がとても重要です。
提出書類の記入がたくさんあるので、どうしていいかわからなくなることもあるかと思いますが、この2点さえ満たしていれば、受給できる可能性が高くなります。
書類の記入は地域の職員や年金事務所の方に手伝ってもらうこともできます。
障害年金の受給について考え始めたら、お近くの年金事務所または区市町村の相談窓口へ行かれることをおすすめします。
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- 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
- 本記事は2018年4月29日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。