うつ病での仕事復帰にアルバイトもあり?3つの理由とメリットを精神保健福祉士が解説

2018.07.24公開 2019.05.16更新

うつ病での仕事復帰にアルバイト、3つの理由

「いつまでも働かないわけには…」「金銭的に余裕がない」と感じて、働かざるを得ない方も多いと思います。

 

給与額が賞与のことを考えると、すぐにでも正社員復帰をしたいところかもしれません。

 

しかし、体が追いつかないところに無理な仕事を叩き込んでも続けるのは難しいと思います。

 

そこで、復帰の第一歩にアルバイトを検討してはいかがでしょうか?

 

理由1:収入が入る

なんといっても、給与が入ると安心感があります。

 

休養が必要とわかっていても、実際に貯金が減っていくと焦る気持ちが募ります。

 

短時間でも働いて収入を得ることで、不安を和らげることができるのです。

 

もちろん、治療を始めたばかりで症状が強い方は何もせず休むことが必要です。

 

年金や手当金など、公的な補償を検討してください。

 

 

理由2:体力がつく

働くことをはじめ、何かしらの活動をするには体力づくりが必要です。個人的にはスキルよりも大切なのではないかと感じています。

 

休養中は活動量が減り、どうしても体力や持久力が落ちるためです。

 

うつは症状として、気持ちを奮い立たせることが難しくなります。

 

アルバイトをすることで、少しずつ体力を回復し気力をカバーしていくことができます。

 

 

理由3:経験とスキルを身につけることができる

うつになったことをきっかけに、これまでと職種を変えようと考える方もいます。

 

次の仕事に近い職種の経験を積むと、就職活動しやすくなったり基礎的なスキルが身について次の仕事に活かせたりします。

 

次の仕事に就いた後に覚えることが少なくて済むため、精神的に追い込まれにくくなるという面もあります。

 

 

うつ病での仕事復帰、アルバイトのメリットとは?

メリット1:勤務時間を選びやすい

アルバイト求人は早朝から深夜まで、たくさんの募集があります。

 

業務を1時間単位で区切り、朝だけ、夜だけという勤務形態を作りやすいためです。

 

年金や健康保険加入の手続きを考え、週20時間以上かそれ以下という形で求人が出されていることが多いです。

 

週20時間働くとしても、1日に4時間の勤務になるので、比較的調子の良い時間を選びやすいです。

 

 

メリット2:業務の難易度と責任

アルバイトでは「伝えやすく」「引き継ぎやすい」業務が多いです。

 

これはひとつの業務を短時間で引き継ぎながら行っていく、アルバイトの特徴ともいえます。

 

入ったばかりの人やシフトが少ない人でもこなすことのできる業務は必然的に「やりやすいもの」が増えます。難しくない仕事が多いのです。

 

また、アルバイトは業務をとりまとめる社員がいます。

 

社外とのやり取りや、業務量の調整はその社員が行うため、過度な責任が発生しにくいともいえます。

 

 

メリット3:採用されやすく、仕事探しの期間が短くて済む

業務時間や責任負担の少なさから、採用側もアルバイトを決めやすいものです。

 

面接から採用決定まで日数を必要としないことが多く、仕事探しで体力を使い切ってしまう心配も少ないです。

 

逆を考えれば、仮に体調が悪化したときに辞めやすいともいえます。

 

 

うつ病での仕事復帰でアルバイトを始める際の注意点

医師の判断を仰ぐ

うつの治療は、休養をとることが前提です。

 

まだ休養が必要な時期に、不安や焦燥感からアルバイトを始めても、仕事がうまくいかないだけでなく症状が悪化する可能性があります。

 

主治医に相談し、アルバイトをしてもいいか確認しましょう。

 

 

勤務時間を考える

仕事復帰にアルバイトをおすすめしているのは、時間に融通がききやすいということもあります。

 

1日の中で体調が整いやすい時間帯や何日おきに仕事があることが望ましいのか、何時間くらい働けそうかあらかじめ考えておきましょう。

 

例えば、週3日働くと勤務の次の日は休みというシフトをとれることもあります。

 

勤務と休息のバランスをとることができ、仕事への不安感が減ると思います。

 

 

さいごに

休養をとるなかで「本当にこのままでいいのだろうか」「働いていないなんて、世間に顔向けできない」と感じることがあると思います。

 

焦りや不安も大きくなるでしょう。しかし、それらはうつの症状によって増幅されていることが多いです。

 

悩んだり焦ったりしている期間は、長い人生で見ればほんのちょっとです。

 

人生はずっと走り続けなければいけないものではありません。

 

十分な休養をとって「そろそろ何かしたいな」という気持ちになるまで、じっくり待ってみてください。

 

働くことは人生のほんの一部にすぎないということを忘れずに過ごして頂ければと思います。

 

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菊池恵未

精神保健福祉士

精神保健福祉士として、都内NPOにて精神障害者の支援を行う。就労支援担当として面接同行や就職後の業務メニュー作成などをしてきた。障害年金や生活保護受給の相談にものっている。JCTA日本臨床化粧療法士協会認定のもと臨床化粧アドバイザーとしてメイクアッププログラムを実施。

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2018年7月24日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。