発達障害に向いてる仕事って?一人仕事は?安定して働くには?臨床心理士が解説

2018.11.07公開 2019.05.16更新

自分に合う仕事がなかなか見つからず、仕事が続かなかったり、転職を繰り返したり、悩んでいる発達障害の方はたくさんいらっしゃいます。

 

「自分にはどんな仕事が向いているのだろう」と困っているかもしれません。

 

意外と自分のことは自分でも分からないものです。

 

自分には向いている仕事がないんだと絶望する前に、今回の記事を参考にしていただければと思います。

 

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発達障害で仕事が続かない・転職を繰り返す人の特徴

自己理解不足

自分の得意なこと、自分の苦手なことなど自己理解を深めておらず、自分に合った職場で働いていない場合です。

 

そうすると、ストレスや辛さが増し、転職を繰り返しやすくなります。

 

衝動性が高い

衝動性が高いと、現状に満足がいっていないときや、もっと魅力的な仕事を見つけたときに転職しやすくなります。

 

発達障害の特性のひとつである衝動性の高さがあると、辛いことが多く職場のストレスが高くなったときや、別の魅力的な仕事を見つけた場合など、腰軽く次の仕事へ転職しやすくなります。

 

ソーシャルサポート不足

相談できる上司や家族、友人などの人的資源や、信頼できる医療機関や専門家、ストレス対処法、趣味などが不足している場合です。

 

ソーシャルサポートとは、周囲から得られる物質的・心理的支援のこと。

 

ソーシャルサポートはストレス反応を軽減させる効果があり、ソーシャルサポートが多い人ほどストレス状況下でも「うつ」になりにくいといわれています。

 

 

一人でできる仕事はおすすめ?

一人でできる仕事など、自分のペースでできる仕事はおすすめです。

 

例えば、自閉症スペクトラム障害の方におすすめなのは、職人や技術者、研究者のように、自分の専門分野を自分のペースでコツコツと続けるような仕事です。

 

反対に、一般的に避けた方がいい仕事は、

・窓口対応などの対人接触が多いところ

・大人数で協同して働くような協調性が重視される仕事

・急に連絡が入るような突発対応が多いところ

などはストレスが高くなりやすいです。

 

ADHDの方は、流行への敏感さやアイディア出し、行動力が求められるような仕事などがおすすめです。

 

周囲の人と足並みそろえてやり遂げるよりは、みんなを引っ張る形やムードメーカー的なポジションが向いているかもしれません。

 

一人で仕事をする場合は、スケジュール管理や雑務処理など苦手なことも自分でやる必要があります。

 

苦手な部分は、

・外部の専門家を雇う

・理解し合えるパートナーを探す

・自分の苦手を補うようなアプリなど道具に頼る

など工夫も必要です。

 

 

発達障害に向いている仕事を見つけるポイント

まず自己理解を深める

発達障害の方はさまざまな特性があります。まずは自分の得意なこと、苦手なことを整理し、自分はどんな環境だとストレスが強くなり、身体や気持ちにどんな反応が出るのか、自分について研究することが大切です。

 

職場環境をチェックする

職場環境はとても大切なポイントです。

 

発達障害の方は環境からのストレスを受けやすく、ストレスが強くなると自分のマイナス面の特性が強く出てしまうという特徴があります。

 

そうすると周囲との人間関係に影響が出たり、さらなる悪循環に陥りやすくなります。

 

あらかじめ、職場訪問をし、物理的な働きやすさをチェックしたり、就業規則など、どの程度柔軟性な働き方が可能か確認することをおすすめします。

 

障害者雇用という選択肢

一般雇用だけではなく、障害者雇用という選択肢もあります。

 

就職活動のプロセスも異なりますので、どちらで仕事を探すのか、両方視野に入れるのか考えてみましょう。

 

一般雇用の場合は、もちろん他の雇用者と同じ条件で働くことになります。

 

障害者雇用の場合は、障害者手帳を取得し、障害者の枠として雇用されることになります。

 

障害者差別解消法により、事業者は可能な範囲の「合理的配慮」を提供することが求められています。

 

合理的配慮とは、障害特性や困っていることに応じて提供される配慮のことです。

 

つまり、発達障害の特性のため困ってることがあれば対応してくれる可能性が高くなるという利点があります。

 

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就職後、安定して働く上でのポイント

生活リズム、特に睡眠不足に注意

発達障害の方は体調によって特性が強くなったり弱くなったりします。

 

生活リズムに留意し、体調を整えることで仕事のパフォーマンスや自分の特性を安定させることができます。

 

生活リズムを一定にすることで自律神経が整い、心身の不調感が軽減します。

 

特に発達障害の方は脳が疲れやすい傾向があるので、睡眠不足には注意してください。

 

自分の特性に応じた対処法を用意する

自分を理解し、職場の特色を理解した上、自分なりの対処法を用意しましょう。

 

いろいろな状況に応じて何パターンか用意するのをおすすめします。

 

自分にはどんな特性があるのか理解した上で、対処法を用意します。

 

例えば、

・仕事がなかなか覚えられない方はメモ魔になる

・集中してやりすぎる方は時間で区切るようアラームを設定する

など、自分の特性との付き合い方を考えます。

 

相談できる相手を見つける

上司や同僚など誰でも良いので職場に相談できる相手がいると良いでしょう。

 

自分のすべてを話す必要はなく、仕事の困ってる面など一部だけの相談でも大丈夫です。

 

自分の困りごとや大変さを知っている人がいるというだけで、ストレスが下がる効果があります。

 

自分の話を誰かに聞いてもらうだけで意外とすっきりします。

 

家族や上司、友人でも良いです。話しやすい相手を何人か見つけておくと良いでしょう。

 

また、カウンセラーなどの専門家と自分の特性とその対処法について話し合うのも良いでしょう。

 

 

さいごに

自分に合った仕事を見つけるのは大変なことです。

 

しかし、自分を知り、自分に合った環境を見つければ、自分の能力を生かすことができます。

 

環境を変えたことで自分らしく生活できるようになった方はたくさんいます。

 

転職をしてがらっと環境を変えてしまってもいいですし、自分が現在働いているところで少しだけ環境が変わるよう、上司や周囲の人に相談してみてもいいかもしれません。

 

現在は多様な働き方が認められつつあるので、入社したときにはなかったはずの新しい制度が出来ている可能性もあります。

 

あきらめずにいろいろな資源を頼ることをおすすめします。

 

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石上友梨

臨床心理士

大学・大学院と心理学を学び警視庁に入庁。5万人の職員のメンタルヘルスを管理し、カウンセリングや心理検査、メンタルヘルス講義、拳銃選手のメンタルトレーニングなど幅広く活動。6年目で退職し、フリーランスに。発達障害を支援する活動に力を入れている。‬>>HPはこちら

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