辞めない力と土台をつくる秘訣は何でも言い合えるチームワーク

2018.10.23公開 2020.04.22更新

 

プログラムってどんなことするの?

リミー
続いて兵働さん、三戸さん、野口さんにお話をお伺いしたいと思います。まずは…(誰から伺おうかな?)

 

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三戸さん
ここは兵働さん…いや兵働先生かなぁと!
兵働さん
いやいやいや。
リミー
わりと冷静なイメージの兵働さん、そんなキャラなんですね。笑
兵働さん
はめられました。笑

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リミー
では、兵働さん、お願いします。
兵働さん
はい。よろしくお願いします。

 

兵働さん(臨床心理士)

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兵働さん
EXPに入って2年経ちましたが、実はもともと教育分野がメインの臨床心理士だったので、そんなに福祉の業界はあんまり知らなくて…。最初は「就労移行支援というのがあるんだなぁ」くらい感じでよく分かっていませんでした。名前も長いですし。笑
リミー
そんな兵働さんが就労移行支援に携わるきっかけはなんだったんですか?
兵働さん
スクールカウンセラーをやっていた中で、子供への支援のように社会人への支援は手厚くないように感じることがありました。「メンタルの事は自分でなんとか頑張りましょう」みたいな風潮はまだまだ根強いですよね。そこへの問題意識がきっかけでしょうか。
リミー
EXPではどのようなプログラムを行っているんですか?
兵働さん
EXPでは、認知行動療法を活用しながら、安定した就労を目指す上で、ストレスマネジメントはもちろん、日常生活やその人の人生に渡って役立つようなプログラムを提供しています。
兵働さん
ストレスマネジメントっていうと難しそうですけど、美味しいものを食べるとか何でもいいんです。EXPには、いろんな利用者さんがいらっしゃるので、私たちが教えるよりも、皆さんで共有していく中で、気付きを得てもらうことを大切にしています。
リミー
めっちゃ納得しますね。兵働先生さすがです!
リミー
続いて三戸さんです。三戸さんは、特に実習とか面接の同行もされると伺いました。

 

三戸さん(キャリアコンサルタント)

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三戸さん
はい。面接ってお見合いじゃないですけど、そこでどう上手に伝えるかがとても大切ですよね。さらに、イエスかノーかはっきり結果が出てしまうので、面接前や面接中はもちろん、うまくいかなかったときも、「よし、次はやり方変えていこう」という感じでサポートしています。
リミー
面接や実習の同行って具体的にどんなことをするんですか?
三戸さん
簡単に言えば、面接や実習に本人と現地に伺って、第三者的な立ち位置で面接に同席させていただきます。でも基本はだんまりですね。
リミー
変にスタッフが喋りすぎると、逆に怪しいですもんね。
三戸さん
面接の段階から主体的にやっていただくことが、就職後のことまで考えると利用者さんにとってプラスだと思っています。
リミー
主体性に任せるってことですね。
三戸さん
そうですね。「この仕事があなたには合っていますよ」「この業界がいいですよ」とは、絶対言わないようにしていて。ご自身で良いなと思った求人を持ってきてもらってから一緒に話し合います。それでも、あくまで決めるのは自分ですし、本人の意志を一番に尊重するようにしています。

 

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リミー
「寄り添いすぎない」が大切なんですね。
リミー
続いて、野口さん、よろしくお願いします。

 

野口さん(社会福祉士)

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リミー
野口さんはビジネスマナーの講師でもあると伺ってます。
野口さん
はい。ビジネスマナーのインストラクター資格も持っています。
リミー
EXPのビジネスマナーってどんなプログラムなんですか。
野口さん
そうですね。EXPに来られている方は、コミュニケーションがそもそも苦手とか、初めての方と接するのがすごく緊張してしまうという方が多いので、「第一印象」に焦点を当てたビジネスプログラムとなっています。
リミー
ふむふむ、なるほど。
野口さん
たとえば「初めまして」という挨拶ひとつ取っても、ポイントがたくさんあるんです。
野口さん
リミーさんは、初めてお会いした方のどこを見られます?

 

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リミー
うーん…目、ですか?
野口さん
目を見たりとか……あとは?
リミー
目…。目ですね。
野口さん
目だけですか。笑
リミー
あとは服!服とか。
野口さん
おそらくなんですけど、上から下まで全部眺めたりしません?
リミー
あぁ、たしかにしてます。
野口さん
どんな服を着てて、どんな髪型で、どんな表情してて、とか。まったく目を合わせない人だなとか。話すときに「この人、無表情だな」という部分で私たちは印象を決めちゃうんですよ。

 

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リミー
言われてみると、そんな気がします。
野口さん
「この人だったら付き合える」「この人、ちょっと私に合わないかも」って一瞬で振り分けちゃうんです。さらに最初の印象って続くんですね。なので、第一印象を良くしておくと、次の日に声をかけてもらえやすくなったり、いい関係を作る上でとても大切なんです。
リミー
大事ですね、第一印象。
野口さん
はい。まずは髪型や身なり。見た目を整えたら次は、目を見て挨拶をすることですね。実は、目を合わせなくても人って目を合わせたように見えるんですよ。たとえば、今どこ見てると思います?
リミー
え?目ですか?
野口さん
目じゃない、このへんです。
リミー
目じゃない? あ、おでこ!
野口さん
そうです。じゃあ次も行きます。どこ見てると思いますか?

 

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リミー
え、え?全然わからない
野口さん
鼻を見てるんですよ。
リミー
あ〜、鼻!
野口さん
そうなんです。視線が苦手な方も、実は相手に見えているような練習もできます。プログラムでは笑顔の作り方もやります。笑顔の作り方はですね…
リミー
(あれ、これ全部やる流れだ…)

 

このあと、野口さんの熱血指導による笑顔づくりが、しばし続く…

 

リミー
勉強になりました。ありがとうございます。(笑顔)
野口さん
いえいえ。(笑顔)

 

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リミー
野口さんは、定着支援の一環でジョブコーチとしても活動されてるんでしたっけ?
野口さん
はい。ジョブコーチは利用者さんと企業の間に立つ架け橋というイメージですね。利用者さんの苦手なところや、どういうふうに働きたいといったご本人の希望を聞いて、計画書をお作りして、就職を受け入れる企業さんとも話し合いながら進めていきます。
リミー
就職後もしっかりサポートがあるとやっぱり安心ですよね。
野口さん
そうですね。最初の1ヶ月目は「集中支援期」と言いまして、ご本人様が職場に馴染むための支援っていうのを行ってます。たとえば、コミュニケーションはどうなのか、作業の手順はどうなのか、どこでつまずいているのかを把握したり、ご本人様との面談を通じて、「困りごとないですか」「順調ですか」という確認をします。
野口さん
あとは人事担当の方ともお話をして、ご本人様とのやり取りで何か不具合はないか、困っていることはないかっていうことも都度確認して伺っていきます。

 

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リミー
本人だけでなくて、会社側にもフォローしてくれるのはいいですね
野口さん
集中支援期の後は「移行支援期」と言って、私たちは離れる準備をします。要は私がその方に関わっていた支援を、今度は職場にいる周りの方にしていただく準備ですね。
野口さん
事業所様によっては、初めての障害者雇用で、全くわからないっていう方もいらっしゃいます。そういうときでも、関わる従業員の方に、そもそもの障害が何かを知っていただくための研修を行ったり、ご自身で作っていただく取り扱いマニュアルを活用しています。
リミー
取り扱いマニュアル…、ですか?
野口さん
はい。EXPの利用者さんには卒業までに作ってもらうんです。どこに強み弱みがあって、どういうところに配慮してほしいか、こんな声掛けしてもらえると頑張れますといったことを書いてもらう「自分トリセツ」みたいな感じですね。周囲の人がパッと見て、その人特有の困りごとを知ってもらう上でとても便利ですよね。
リミー
たしかに、関わり方に悩む職場の方にとっても重宝しそうですね。

 

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18歳と50歳の利用者さんが一緒に過ごすこと

リミー
冒頭で、幅広い年代の利用者さんがいると教えてもらったんですが、18歳の人と50歳の人が一緒のプログラムに取り組むことでの難しさってないんですか?
兵働さん
私はあんまり気にしていないですね。

 

059

 

三戸さん
さすが、兵働先生。
野口さん
私は逆に、幅広い年代の方いらっしゃると、いろんな人の価値観とか意見が聞けるので良いことだと受け止めています。社会経験の無い人も、いろんな経験をしている人も一緒にプログラムに取り組んでもらうことで、得られるものにも深みを帯びてくると思っています。
奥主さん
自分と違う意見を受け入れるトレーニングにもなりますよね。
野口さん
そうですね。会社に入ったら同年代だけではないですし、すごく良いトレーニングになるかなと思っています。
三戸さん
「笑い」が通じないのはつらいっす

 

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リミー
急にどうしたんですか?!笑
三戸さん
利用者さんの緊張をほぐすために、笑いを取りに行こうとするんですが、年代によっては全然で…
リミー
それはお互いつらいですね…笑
三戸さん
本当に通じない笑いだと、50代の方とか死んだ目をしていて。それでもめげずに続けますけどね。笑
リミー
三戸さん、心から応援しています。泣
三戸さん
ちょっと真面目な話をすると、やっぱり異なる年代の利用者さん同士はコミュニケーションはすごく取りづらいんだと思います。
リミー
たしかにそれって、当然と言えば当然かもしれないですね。
三戸さん
さっき野口さんからもありましたけれども、会社には50代の上司がいるかもしれないし、10代の上司がいるかもしれない。幅広い年代の人がいると、やりづらさもあると思うんですけど、やりづらいからこそ意味があるのかなとも思っています。
三戸さん
意外と休憩時間での雑談が一番のトレーニングかもしれないですよね。プログラムで学んだことをやってみる場として。

 

095

 

リミー
(三戸さん、めっちゃ真面目だ…)

 

 

利用者さんと接する上で大切にしていること

リミー
ご自身の想いとか、利用者さんと接するうえで大事にしていることはありますか?
兵働さん
常に対等でありたいなとは思っています。利用者さんと支援者という立場ではあるんですけど、こういうところで働いていると、どうしても上下関係が出来てしまいがちなので。18歳の人もいれば、それこそ50代の、一般的に見れば先輩と呼ばれる人だとしても、本当に平等にやっていくという姿勢でいます。

 

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リミー
野口さんはどうでしょう?
野口さん
私はなんでも話してもらおうというスタンスを大切にしています。利用者さんには頑張り屋さんが多いので、出来ているところはたくさん伝えたり、「頑張りましたね」といった声掛けだったり、笑顔で接することですね。ふふふ。笑
リミー
いいですね。リミーはまず笑顔の練習をがんばります。(笑顔)

 

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【EXP立川】(イーエックスピー)

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近藤雄太郎

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  • 本記事は2018年10月23日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。