障害者枠での就職を通じた嬉しい出会いのおかげでまた立ち上がれる
【書いてくれた人】
年代:30代
性別:女性
障害者枠での就職について、一般就職と悩んでおられる方も多いのではないかと思います。
ここでは障害者枠就職のメリットやデメリットについてまとめてみましたので、参考になりましたら幸いです。
障害者枠就職のメリット
障害者枠就職のメリットは、なんといっても会社の就労に関するサポートが受けられるということです。
実際に働くことに関しても、
・いつまでに
・どういうことを
・どういう工程で
・どれだけの量(時間)するのか
という細かい支援を毎日してくれる会社もあります。
清掃の仕方一つでも、手順書を作成し、どのコースをどのようにどの掃除用具を使ってどのような方法で掃除するのかなど、きめ細やかな支援をしてくれます。
他の社員に対しても、発達障害に関しての研修をしてくれる会社もあり、会社全体として一緒に学び合いながら成長しようという暖かな社風の会社も存在します。
障害者枠就職のデメリット
デメリットとしては、一般就労者と比べると給与が低い場合があることです。
厚生労働省の調査では、障害のある人の給与は一般就労の人の給与と比べて低いことがわかっています。
しかし、自分の強みとなるスキルがあれば、一般就労者と比べてもかわらない条件で採用される会社もあります。
自分の強みを知ることが大切ですね。
そして、社会がどれだけ発達障害に理解を深めていても、好奇の目で見る人や、厳しく接する人などそういった「余裕のない人」がいることは事実です。
理解してくれる人を見つけ、また自分も他者に歩み寄っていくということを皆が互いに気を付けたいものです。
障害者枠で就職してよかったこと
ある地域では、その地域の様々な職業での障害者枠で採用された人たちを集め、会合を定期的にもっておられるところがあります。
実際に働いていく上で、
・どんなことにサポートが欲しいか
・今現在困っていることは何か
・うまくいったこと何か
・将来どんなことをしたいか
など、日にちを決めて事細かに話し合いをし、サポーターが取りまとめをしてくれます。
給料の使い方や余暇の過ごし方などまでサポートしてくれ、とても心強いことだと感じます。
毎月もらった給料をすぐに使い果たしてしまっては、生活できません。
給料の使い方、貯金の仕方などが身につけば、計画性のある安定した生活を送ることが出来ますね。
その会合では、もらった給料で、将来何がしたいかなど、未来への展望も持たせてくれ、働くこと、生きることが楽しいしくみになっていると感じます。
そして、発達障害者枠で入ったからこその嬉しい出会いもあります。
親身にサポートを続けてくれる理解ある方に恵まれ、互いに悩みを話したり、楽しい休憩時間を過ごすという嬉しい話を聞きます。
同じように就労や人間関係で悩んだ経験のある人は、発達障害の有無に限らずとても親身で優しい人が多いです。
中には、「君にはうちよりもっとその特性を生かせる会社がある」と、他の会社への転職を斡旋してくれたケースもあり、持っている能力を最大限生かして活躍されている方も多数おられます。
皆が皆の多様性を認め、それぞれが向上していけるなんて、とても素敵ですよね。
障害者枠で就職して微妙なこと
障害者枠就労をして、つらい思いをした人もおられると思います。
周囲の理解が思うように得られなかったり、実際に働いてみると一般就労でも可能だったのではないかと感じたりすることもあるようです。
実際に仕事が始まると、
・毎朝の通勤
・仕事の遂行
・家での生活
などと、仕事をしていなかった時とはまた違うしんどさが見えてくることと思います。
これらは、自分の強みを知り、強みを生かせる仕事を探し、職場環境についても事前に把握できていれば対応ができたかもしれないことと言えます。
発達障害を抱える方は、初めてのことが苦手であったり、イレギュラーへの対応が苦手であったりします。
「悪口を言う人がいたらどうするか?」
「できない仕事は誰にどうやって聞くか?」
など、仕事をしていく上ではいろいろな悩みが出てきます。
一つの物事を完遂するにあたって、自分はどこまで策を持っていれば安心か、一つの対策だけではなく、二の手、三の手まで用意しておくと安心です。
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読者に伝えたいこと
障害者枠での就職では、メリットデメリットを知り、自分が生活を送る上でどちらが合っているか見極めが必要です。
就職説明会などで、事前に会社独自の支援体制について説明が聞ける場合は、積極的に参加しましょう。
発達障害に理解のある職場を探すことが大切です。
そして、発達障害の有無に限らず、自分のことをさらけ出せる「気を許せる誰か」がいれば心強いことです。
家族でも、友人でも近所のおじさんでも、インターネットの向こうの誰かでもよいのです。
誰か一人そういった自分の「心のサポーター」がいれば、仕事がうまくいってもうまくいかなかったとしても、また立ち上がれることと思います。
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- 本記事は2018年10月30日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。