【大人の発達障害】衝動性やパニックへの対応方法は?事例で精神保健福祉士が解説

2018.10.14公開 2020.05.22更新

面白そうな話には、忙しいことも忘れてぱっと飛びつき、あとで仕事が回らなくなってしまう…

 

よく確認しないで、お客様を間違えた場所に案内してしまう…

 

ルーティンワークが崩れてパニックになってしまう…

 

発達障害を抱えながら、働くのは大変なことも多いですよね。

 

今回は、衝動性やパニックが強い発達障害の方の、職場での対応方法について考えてみましょう。

 

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大人の発達障害の衝動性とは?

職場における発達障害の「衝動性」の例

有名な和菓子店に、誰が買いに行くか、職場の上司が話しているのが聞こえてきます。

 

雑誌でも特集されるような高級店です。(ああ、行ってみたいな…)Dさんは思わず「私が行きます!」と手を上げてしまいました。

 

「それは助かるよ、ありがとう。とても大切なお客様へのお使い物だから、15時までに、間違えないようによろしくね」

 

(やったー)

 

Dさんの気持ちは高鳴りますが…でも、ちょっと待って。Mさんが心配そうに見ています。

 

「Dさん、会議の準備が14時半までだけど、間に合うの?」

「しまったー!どうしよう、完全に忘れてたー!!」

 

衝動性が強い特性を持っている方には、よくこんなことが起こります。

 

「じゃあ今すぐ、急いで行ってきます!」

 

慌てて駆け出したDさん、何を買うのかよく確認せずに飛び出していきました。

 

大丈夫でしょうか?見ていてハラハラしてしまいますね。

 

 

衝動性に対する対応方法は?

1.動く前にスケジュールの確認を

衝動性が強い特性のある方は、いろんなことに興味を持ち、面白そうなことがあると衝動を抑えられずに、ぱっと行動してしまうことがあります。

 

でも動き出す前に、ちょっと待って!

 

必ず、予定を確認する習慣をつけましょう。

 

他にやらなければならない業務、約束が入っていたりしませんか?

締め切りがある業務を後回しにしていませんか?

 

スケジュールを可視化したり、タスクを細分化して張り出しておくのも一つの方法です。

 

2.出発前に、目的と持ち物を再確認

衝動性が高い特性がある方は、とにかくよく物を失くしたり、忘れたりします。

 

Dさんも何を買うか確認しないで飛び出していきました。

注文を間違えたり、

領収書をもらい忘れたり、

財布を落としたり、

網棚に荷物をのせてそのまま忘れてしまったり…

この特性を持つ方には、そんな事件も時々起こり、ハラハラしてしまいます。

 

失くし物、忘れ物の原因は、他のことに興味が移ってしまうからです。

 

電車を降りる時、レストランの席を立つ時、会社から出る時、必ず忘れ物や落とし物がないか確認する習慣をつけましょう。

 

3.荷物をシンプルに

失くし物、忘れ物のもう一つの原因に、持ち物が整理されていないということがあります。

 

不必要なものまで大量に持ち歩いていないでしょうか?

 

ハンドバッグの中に、お菓子のゴミや古い買い物のレシート等、ごちゃごちゃになっていると、大事なメモが見つかりません。

 

定期券、財布、スマホ等、必要最小限の貴重品にはリールやチェーンををつけて落とさないようにカバンに結びつけたり、ポシェットで1つにまとめて必ず持ち歩くというのも一つの方法です。

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桜衣真里

精神保健福祉士

大学院修士課程修了後、専門学校、短大講師等を経て、公的機関の相談員として勤務。精神保健福祉士、保育士のダブルライセンスで、家庭問題、子どもの発達、保育・教育・療育関連の仕事に従事。東京都出身。二児の母。

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2018年10月14日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。