クローズで働くとは?4つのメリットとデメリットを精神保健福祉士が解説

2018.11.21公開 2019.05.16更新

病気や障害を持っている方でも転職を考えている人は多いと思います。

 

そういった人の中でも、転職活動の際にクローズ就労をする人も中にはいます。

 

ここではクローズ就労のメリット・注意点についてお話していきます。

 

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クローズ就労とは?

そもそもクローズ就労が何かわからない人もいると思います。

 

クローズ就労とは自分の病気や障害などを隠して就労することを言います。

 

では、なぜクローズ就労する人がいるのでしょうか?

 

クローズで働く人ってどんな人?

クローズ就労の対義はオープン就労と言います。

病気や障害を打ち明けることで面接が受かりにくくなる
職場内の人から偏見を持たれたくない

このような理由で、病気を隠して就労する方が多く見られます。

 

他には、オープン就労よりクローズ就労の方が求人の幅が広いことを理由に挙げる方もいます。

 

 

クローズ就労のメリットは?

では、クローズ就労にはどのようなメリットがあるのでしょうか?

・面接に受かりやすくなる

・周りからの偏見がない

・色んな仕事を任されやすくなる(期待される)

・賃金が障害者枠より高い

これらについて一つ一つお話していきます。

 

面接に受かりやすくなる

面接時に病気や障害を打ち明けたことで採用されにくくなる可能性があります。

 

そういった不安から病気や障害を隠して転職活動をすることで、オープン就労に比べて少しは採用されやすくなるかと思います。

 

※障害を理由に不採用とするのは法令違反です。

 

周りからの偏見がない

あなたの病気や障害について知らないわけですから、健常者として扱われます

 

同じ職場の人から変に気を遣われることや、偏見を持たれることがないと考えられます。

 

色んな仕事を任されやすくなる(期待される)

先ほどの周りからの偏見がないのと同様、健常者として扱われるため、様々な仕事を任されます。

 

また、期待される場面もあると思います。

 

賃金が障害者枠より高い

障害者雇用の場合に比べ、労働条件等によりますが比較的一般枠の方が賃金は高くなる可能性があります。

 

 

クローズ就労のデメリットは?

今度は逆に、クローズ就労のデメリットについてお話していきます。

・バレたとき信用をなくす

・体調を崩したとき、困ったときに職場の人に相談できない

・通院のための休みが取れない。

・自分で解決しなければならないため、ストレスや負担が大きい

これらについて一つ一つお話していきます。

 

バレたとき信用をなくす

何かのきっかけで、あなたが隠していた病気や障害が会社にバレてしまった場合、会社からの信用を失ってしまう可能性があります。

 

また、「バレてしまうかも…」という不安を抱えて働かなければならないことになります。

 

体調を崩したとき、困ったときに職場の人に相談できない

あなたが隠している病気や障害によって体調を崩したときや困ったことが起こった場合、職場の人に相談することができません。

 

隠し通すために嘘をついていかなければならないのはストレスにもなっていきます。

 

通院のための休みが取れない

相談できないことと関連してきますが、通院のための時間を確保することが難しくなってきます。

 

簡単に休みが取れない職場では、あなたのタイミングで通院することができない可能性があります。

 

自分で解決しなければならないため、ストレスや負担が大きい

病気や障害を隠すことで健常者と同じように扱われるため、その分あなたへの負担は大きくなります。

 

人間関係や仕事でストレスがあっても、自分で解決していかなければなりません

 

問題を上手く解決できず、働き続けることが困難になる場合があります。

 

 

さいごに

「面接で採用されやすい」「変な目で見られたくない」という理由でクローズ就労することで逆にあなたへの負担が大きくなる可能性があります。

 

結局、上手くいかずに退職してしまうなんていうケースが多いです。

 

オープン就労でも、様々な制度や支援機関を利用することで病気や障害があっても働き続けることが可能です。

 

あなたに合った制度や支援を活用していきましょう。

 

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中川里沙

精神保健福祉士 訪問型職場適応援助者 認定心理士

心理学の大学を卒業後、精神保健福祉士養成の専門学校に通い、精神保健福祉士を取得。障害者就労継続支援B型事業所の支援員として障害者の就労支援に関わる。その後、NPO法人の訪問型職場適応援助者(ジョブコーチ)として精神障害者を中心に就労支援を行う。

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2018年11月21日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。