依存症とは?種類・原因・治療法・セルフチェックを臨床心理士が解説
依存症の原因、3つのキーワード
依存症は脳の機能障害が原因と言われています。具体的にどのような原因が考えられているか紹介します。
報酬系
脳にはドーパミンと関係する「報酬系」というシステムがあります。
ドーパミンは快楽や意欲などと関係する神経伝達物質です。
化学物質やギャンブルなどの行動は報酬系を活性化させます。
例えば、初めてのパチンコで儲かった場合は、報酬系が活性化しドーパミンがたくさん出ます。
依存状態になると、パチンコを連想するものだけで、報酬系が反応し、パチンコをしたいという強い欲求が出ます。
しかし、パチンコをやっても、耐性でドーパミンが出づらくなり、欲求が満たされないため行動頻度が増えるという仕組みです。
衝動性
脳の前側にある前頭葉は行動抑制とも関係します。
前頭葉が機能不全になると、行動を抑えるすることが難しくなり衝動性が高まります。
やめようと思ってもコントロールできず、ついついやってしまうことにつながります。
ストレス環境
最後にストレスも影響します。
ストレスが強い状態ですと、ストレス解消しようと趣味や嗜好などの頻度が高まります。その結果、より依存へと繋がりやすくなります。
依存症の3つの治療法
それでは依存症になってしまったらどのような治療法があるのかご紹介します。
依存しているものを断つこと
アルコール依存症や薬物依存症、ギャンブル依存症などは、依存している対象のものを断つのが基本になります。
ネット依存など、生活にかかせないもので対象を断つのが難しい場合は、時間を制限する場合もあります。
医療機関にかかる
アルコール依存症については、アルコールを飲みたくなくなるお薬や、アルコールを飲むと具合が悪くなる薬による薬物療法があります。
また、治療の一環として、
・依存症という病気について知る
・自分の心身の状態に気づく
・飲まないための対処法を身につける
ことなどを、スキルを身につけていきます。
自助グループ
自助グループとは、依存症の問題を抱えたひと同士でミーティングや情報交換を行いながら、回復を目指していくものです。
依存症の治療には自助グループが欠かせません。同じ悩みを抱えているひとだからこそ、有効なアドバイスをもらえたり、仲間がいるからこそみんなで依存している対象を断つことができる力にもなります。
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依存症かも?セルフチェックの方法
どのような依存症かによって判断基準は異なりますが、共通するポイントは
・生活に支障があるのか
・自分でコントロールできているのか
というところです。量がどんどん増えたり、身体に症状が出ている場合も注意してください。
さいごに
今回は依存症についてご紹介しました。もしかしたら、この記事を読んでどきりとした方もいるかもしれません。
依存症になってしまうと対象を断つことが基本になります。
もともとは好きなものだったり、ストレス解消法だったものを断つのは悲しいし辛いことです。
上手なコントロール法を身につけ、趣味や嗜好を長く楽しむために、心配な方は早めに相談してください。
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【参考】
「依存症予防教育に関する調査研究」報告書(平成 28 年度 文部科学省委託調査)
日本におけるギャンブル依存症患者に 関する一考察 ―依存症患者の脳機序に着目して―(技術マネジメント研究第 16 号)
- 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
- 本記事は2019年1月23日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。