うつ病の回復期の過ごし方とは?2つのポイントを看護師がポイント解説

2016.08.02公開 2019.05.16更新

うつ病の症状が落ち着いて、回復するまでどの程度かかるものなのか…。」仕事や家庭のことを考えれば、気になるところですよね。

 

うつ病の回復過程は、一進一退を繰り返すことが多いため、はっきりとした段階をつけることが難しいのが現状です。

 

そこで今回は、うつ病の回復過程と、プロセス毎での過ごし方について、大切な2つのポイントをこころの専門家に解説してもらいました。

 

 

うつ病の3つの回復過程とは

まず、うつ病の回復過程ですが、

 

症状が落ち着かない「急性期」

お薬を調整しながら社会復帰を目指す「回復期」

服用や通院を続けながら病気の再燃・再発を予防する「再発予防期」

 

以上、3つのプロセスに分けられます。

 

薬物等によって症状が安定し始める「急性期」は、治療開始後1~3か月程度で脱することが多いようです。

 

一方、回復期の期間はかなり個人差があり、数か月から1年以上かかることもあります。

 

 

うつ病の回復期の過ごし方

自己判断せず、服薬と通院を継続する

うつ病と診断され、通院と休養、薬物療法に取り組んだ結果、うつ病の苦痛症状が和らぎ始めるのは、数か月後であることが多いと言われています。

 

特に、うつ病のお薬は効果が出現するまでに時間を要し、個人差も大きいため、「安定し始めた時期が安定期」と言われます。

 

そして、うつ病の苦しい症状が楽になってくると、すぐに前の自分の戻れたような錯覚を持つ方もおられます。

 

ですが、それはお薬の効果なので、まだ心と体のバランスは張り詰めた糸のまま、急に負荷をかけると切れてしまう可能性もあるので注意が必要です。

 

症状が安定し始める回復期こそ、医師を信頼し、通院と服薬、そして充分な休養を取りながら、生活リズムを取り戻すことがまずは大切です。

 

 

ストレスコーピングのバリエーションを増やす

ストレスコーピングとは、ストレスの原因となっているものに対して適切に対処することを言います。

 

ストレスコーピングには、

 

・ストレスそのものに対し直接働きかける方法

・ストレスそのものではなく、ストレスと感じるものに対する自分の考え方や接し方を変えていく方法

 

の2種類があります。

 

実際のところ、会社の仕組みを変えることや、人間関係そのものを変化させることは大変ですし、時間も手間もかかります。

 

そのため、うつ病の回復期で行うストレスコーピングは、ストレスと感じるものへの感じ方や接し方を変える方法をできるだけ多く見つけることが、これからのあなたの生き方にとっても重要になります。

 

 

例えば

 

○相手に嫌味を言われたときは、「機嫌が悪かっただけ」と受けがなす

○信頼できる人に話を聞いてもらう

○一人カラオケをする(大声を出してすっきりする)

○どんなに忙しくても、リフレッシュできる大切な時間は確保する

○30分落ち込んだら、それで気持ちを切りかえる

○運動や手を動かす作業に集中する

○深呼吸をする

○森林浴をする

 

など、あなたにとって、気持ち良いと感じることの数を増やすとともに、ストレスを受けた原因を、自分の中に求めず、客観的にとらえる訓練をします。

 

人との関わりを避けることはできませんが、関わる自分のスタンスを変えることで、あなた自身も楽になりストレスをため込むことがなくなります。

 

 

まとめ

このように、うつ病の回復期は、

 

①通院と服薬を守る

②ストレスコーピングのバリエーションを増やす

 

上記、2点がとても大切になります。

 

その上で、生活リズムを整え、“無理をしない自分が好き”になることも大切です。

 

取り組んでいくうちに、少しずつ笑顔も自然に増えていくことでしょう。

 

 

【執筆者】

村松真実 看護師・心理相談員

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  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2016年8月2日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。