カタルシス効果とは?3つの事例・逆効果のケースを臨床心理士が解説
気持ちがモヤモヤしたり、イライラすることは、きっとどなたにもあると思います。
そんな気持ちがスッと溶けて、気持ちが軽くなる…、気分がすっきりする…。
そんなご経験をされたことがある方も少なくないはず。
私たちの気持ちを軽くしてくれる、この感覚っていったいなんなのでしょうか。
今回は、この感覚をもたらす「カタルシス」についてお伝えしたいと思います。
カタルシス効果とは?
カタルシスとは、もともとはギリシア語で「浄化」を意味する言葉です。
カタルシス効果とは、
私たちの心の中にある、不安、不快感情、いらいら、つらさ、悲しさなどを解放して「浄化」することで、気持ちを軽くする現象
のことです。
私たちが生きていくうえで、非常に重要な役割を果たしてくれています。
ブロイアー(Breuer,J)がヒステリーの治療の際に、鬱積した感情の表現を促すことによって症状が改善することを発見しました。
過去に起こった恐怖や罪悪感を伴った外傷体験は、意識に浮かべると不安や不快が生じて、心の奥にしまいこまれて意識に上ってきにくい側面があります。
不安などの感情や葛藤を自由に表現させることによって、心の緊張を解こうとする方法です。
シグムント・フロイトの精神分析療法の治療機序の一つとなり、その後、様々研究を経て、今日では種々の心理療法において技法が工夫されています。
自律訓練法、遊戯療法、芸術療法などにおいては、カタルシス的な緊張発散による治療効果が認められています。(出典:心理学辞典 有斐閣)
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- 本記事は2019年4月17日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。