うつ病の克服にかかる期間は?看護師&心理相談員が解説

2016.08.26公開 2019.05.16更新

うつ病は再発しやすい

うつ病の治療を始めて3か月ほどすると、発症当初よりも心身のバランスは安定してきます。

 

しかし、この時期は、あなたの心を支える綱はまだ細く、お薬や細かなサポートが必要な期間でもあります。

 

この時期に、「うつ病を克服した」と早合点してしまうと、簡単に綱の一部が切れて、バランスを崩すことになります。

 

うつ病は、再燃・再発を起こしやすい病気です。

 

そのため、お薬とサポートを支えにリハビリ中のこの時期に、今までの遅れを取り戻そうと無理をすると、ストレスに対処するエネルギーはすぐに枯渇し、うつ症状が重くなってしまうことになります。

 

また、この大切な時期に、うまく社会復帰できなかったことで自信を失い、うつ病の克服がさらに遠のくことになってしまうこともあるので注意が必要です。

 

 

1年間は、“克服”よりも“折り合いをつける”

うつ病は、治療に個人差があります。

 

ですが、心身のバランスが整い始めるのが3か月。

 

服薬やカウンセリングがなくても、心のエネルギーを保てるようになるのに1年を目安にしていることが多いようです。

 

その期間は“うつ病を克服する”と意気込むよりも、心にたまったエネルギー量と折り合いをつけながら日々を過ごすことが大切です。

 

どう対処することで、ストレスをためず、生活リズムを安定できるのか。

 

その方法を自分自身が見つけることができれば、うつ病を克服する道筋が見えてきます。

 

まずは、うつ病を克服するよりも、「うつ病と折り合いをつけて生活する」。

 

この心の余裕を持つことも、うつ病を克服するための一つのコーピングです。

 

焦らずに、一歩一歩、“必ず治る”ことを信じて毎日を過ごしましょう。

 

一歩一歩、確実に!

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村松真実

看護師・心理相談員

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2016年8月26日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。