
「他人のせいにする人生」にしないために。ネフローゼ症候群の私がひとり旅をした理由
目次
ネフローゼ症候群の症状が治っても、ステロイドの副作用は続く


副作用がつらくても、飲まないわけにはいかないんです。


再発してからは、またステロイドの量を増やして、もう一度ネフローゼ症候群の症状を抑えました。だから、今も寛解(かんかい)の状態。ネフローゼ症候群の症状はありません。
でも、ステロイドの副作用は続いています。




人と接することがとても困難になりました。
最初の入院を早めに切り上げたのも、ステロイドうつの症状がひどくて、どうしても自宅に帰る必要があったからなんです。他人と接しなくてはいけない病院から、1日でも早く出たかったから。


・どうしてネフローゼ症候群になるのかも分からず、再発原因も分からない
・ステロイドを飲むと副作用が出るけど、急に減らすことができない
こう聞くと、本当に大変な病気なんだなと感じます。
もっと簡単だったらいいなって、本当に思いますね。

自分の気持ちを文章化して、気持ちを整理していった

「ムーンフェイス」と言うんですけど、ステロイドの副作用で顔が丸くなってしまうんです。輪郭をカバーしようと行った馴染みの美容院でも、誰だか分かってもらえないくらい。

(左)ネフローゼ症候群発症前のてむたむさん。(右)ネフローゼ症候群発症後のてむたむさん。
人と話すようになって、少しずつ自分の中の不安を整理できるようになった感じですね。



ネフローゼ症候群のことを書いているてむたむさんのブログ

健康な方だと、「難病」というだけでとても心配されてしまうから。友達は病気になる前の私の姿を知っているから、見た目で驚かれてしまうこともあるので…。
気を使わせるのも、しんどいときがあるんですよね。


今まで普通に話せていたのに、どうしても話題が病気にシフトされてしまうのは、息苦しいなと感じるときはあります。
友達には、「交通事故にあうようなものなんだよ」と言っているんです。


ネフローゼ症候群も同じで、発症の原因も分からないし、いつ再発するかも分からない。ステロイドを減らした状態で、再発しなければ、普通に生活や仕事ができる可能性があるんです。
本当に、事故みたいなものじゃないですか。だから、そんなもんなんだよって。


だからこそ、ブログを通して同じ境遇の人と繋がれたことは、自分にとって幸運だったと思います。ネフローゼ症候群ではない病気であっても、“病気と戦っている”という点では、同じだと思うから。



ブログがきっかけで決意したひとり旅

私が元気をもらっている人のように、私も明るく過ごせるのかなと思って。入院中に、サーバーやドメインを契約して、ブログを開設したんです。


つらいことも、楽しいことも含めて、自分が生きている姿を発信したいと思っています。それを見た人が、少しでも元気になったり、気持ちが楽になってくれたらいいなって。


ネフローゼ症候群の方ではないんですけど、自分が悩んでいたことを、他の人の助けになるようにとブログで発信している姿に、とても勇気をもらって。
その人に会うために、九州旅行をしたんです。病気になって、初めてのひとり旅でした。

ネフローゼ症候群になってから、初めてのひとり旅。体に負担がないように、できるだけ荷物は軽く。

私、外にずっと出れない状況で、自分のやりたいことが分からなくなっていたんです。
働いていなかったので、貯金を使うことにも罪悪感があったし。ご飯はもやしとうどん、みたいな(笑)


ブログがきっかけで旅をすることで、自分がなにが好きだったのか、どんなことがしたかったのか、思い出すことができました。

旅行に行く前に撮った、中部国際空港の写真。

「病気になった私」ではなく、「ただの私」として話せたことは、救われた気分でした。

自分のやりたいことを、自分の責任で選択して生きていく

「私がもっと頑張らないと、支えてあげないと」と思って、子どものころから生活してきました。自分がやりたいと思うことは、やっちゃいけないんだとずっと感じていたんです。


本を読んで、「自分のやりたいことを、自分の責任で選択していく」ことが、自分にとっては大事だったんだと気がついたんです。本を読んだからって、すぐに行動できるわけではなかったけど…。



「病気なんだから、きっとこう思われているだろう」と思って自分の行動を決めたら、自分の選択を、すべて他人のせいにする人生になってしまうじゃないですか。それは嫌だなって。
ブログをすることも、旅行をすることも、自分で選んで決めたことです。その結果、とてもいい経験ができている。人任せにしていたら、得られなかったことだと思います。


自分が思ったことや、苦しんだことや、役に立ったことをそのまま書いて、見たい人が見てくれるのが嬉しいと思うから。

ツイッターでバズったてむたむさんの投稿。感情を素直に表現するてむたむさんに、多くの人が共感したようです。

よく、「この世にホームステイしている」と考えることがあるんですけどね。


私はこの世に一時的にホームステイしているだけだから、つらいことがあっても、この世に遊びに来ているときくらいは楽しもうかなって。


自分のやりたいことを、自分の責任で選択して、生きていく。
そのことは、これからも忘れたくないなと思います。

「他人のせいにする人生は嫌だ」という言葉は、ネフローゼ症候群になっても懸命に前を向いて歩いてきたてむたむさんだからこそ、生まれた言葉だと感じました。
「病気だから我慢しなくちゃ」と抑圧された気持ちは、いつか爆発して、身近な人を傷つけてしまうこともあるのかもしれません。自分のしたいことを、自分の責任で。忘れないようにしたいです。
- 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
- 本記事は2019年8月23日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。