【学習性無力感】仕事での事例と4つの克服法とは?臨床心理士が解説

2019.03.15公開 2019.05.16更新

何をやってもムダと分かると、人はそこから逃れる意欲を失くしてしまうもの。

 

そんな現象を心理学では、「学習性無力感」と呼んでいます。

 

どんなにがんばっても、つらい状況から逃れられないとしたら…あなたはどうしますか?

 

「あきらめて何もしなくなるかもしれない…」と考える人も多いかもしれませんね。

 

実際にそういった経験をしたという人もたくさんいると思います。

 

では、もし学習性無力感に陥ったら、私たちはどうすればよいのでしょうか?

 

今回は仕事上の3つの事例を紹介しながら、学習性無力感とその克服法を考えていきます。

 

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学習性無力感とは?

学習性無力感とは、

「逃げることも避けることもできないストレス状態に長時間さらされた人が、その状況から逃れるための努力をしなくなってしまうという現象」

のことを指します。以下で詳しくみていきましょう。

 

ストレスのかかる状況では、普通はそこから逃れるために何かアクションを起こします。

 

それでも効果がなければ、また別のアクションを試しますよね。

 

ただ、何度やってもストレスから逃れられないと、その人のなかに「何をやってもムダ」という考えが生まれます(学習)

 

その結果、そこから逃れることをあきらめ、ただストレスに耐えることを選んでしまうのです。

 

そうなると、たとえそこから逃れるチャンスが訪れても、

「どうせ無理だから」

と考えてチャンスに目を向けることもできません。

 

DVやいじめの被害を受けている人が、なかなか外に助けを求めることができないのも、この学習性無力感に陥っていることが一因となっています。

 

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倉本梓

臨床心理士

心理系大学院修士課程を修了後、臨床心理士資格を取得。医療機関、教育機関でカウンセリングを担当するほか、スクールカウンセラーとしても活動。子育て、家庭問題、対人問題をはじめ、「自分らしい生き方」のためのメンタルヘルス向上を目指した支援を行なっている。

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2019年3月15日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。