訪問診療とは?対象・支援内容・費用・申請方法・事例を専門家が解説

 
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訪問診療とは? 

精神疾患のために通院治療をしたいけれど、体調がすぐれないために、病院やクリニックまで足を運ぶことができない、または高齢のため施設などに入っており、主治医のところまで受診に行くのが困難な方もたくさんいますよね。

 

そういう方々にとって、主治医の元に辿り着くことだけでも、大変高いハードルとなり得ます。ここでは、そういう悩みを持つ方にぜひ知ってほしい「訪問診療」についてご紹介します。

 

 

訪問診療の対象

主治医の治療を受けることが必要だが、身体的・心理的理由で通院が難しい方、あるいは高齢のため施設などに入所しており、通院による診療ができない方。

 

 

訪問診療の支援内容

病院やクリニックへの通院治療が困難な患者さんの自宅や入所中の施設へ、主治医が中心となって診療を行うサービスです。多くは、月に2回から4回程度の頻度で行われます。

 

訪問診療を受ける患者さんに個々人について、どういう治療やサービスを行っていくかという計画を立て、それに合わせて診療が施されます。

 

また、主治医の治療はもちろんのこと、看護師や精神保健福祉士が同行することもあり、服薬指導や福祉サービスの活用についての相談なども受けることができます。

 

さらに、患者さんの容態が急変した場合などは、緊急訪問をしたり、入院の手続きをしたりなども行います。

 

 

訪問診療の費用

訪問診療は、外来診療のひとつとして捉えられますので、基本的には3割負担となります。また、自立支援医療を申請している方は、1割負担で診療を受けることができます。

 

 

訪問診療の申請方法、利用方法   

かかりつけ病院の主治医や医療スタッフに訪問診療を受けたい旨を相談します。

 

サービスを受けるにふさわしいと判断されたら、当人がどのような診療サービスを受けたいのかを聴き、援助計画を作成し、利用者が目指す方向性に向かって訪問診療を開始します。

 

また、訪問診療は利用者だけではなく、その家族が抱える悩みにも対応していますので、訪問時にそれらの相談を受けることも可能です。また、かかりつけ病院以外の訪問診療を希望する場合も可能です。

 

 

訪問診療の該当する事例

【Aさん18歳男性】適応障害・人と関わることが苦痛なので、外来受診をしたくない

Aさんは、全日制の進学校に通う高校生。高校3年生になった際にクラス替えがあり、クラスメイトにいじめを受けたことから、不登校となり、頭痛が続いたり憂鬱な気分や不安感が襲ってくるようになりました。

 

息子の様子に心配した母親と共に精神科病院を受診。適応障害と診断されました。

 

しばらく外来通院で様子をみましょうということでしたが、月に2回の外来通院の際に外出しなくてはならないことと、受付で人と触れ合うことが億劫で、「治療はしたいけど、通院はしたくない」と泣き出すことが多くなりました。

 

困った母親は主治医に息子の様子を話し、相談したところ、訪問診療サービスを勧められました。息子にこのことを話すと、彼も同意したため、月に2回、主治医がAさんの自宅まで訪問診療をすることとなりました。

 

また、勉強はしたいけど学校には行きたくないと話すAさんに対して、時には精神保健福祉士も同行し、サポート校や通信制高校などの情報も提供することになりました。

 

自宅に主治医や他のスタッフが訪問してくれることでAさんの緊張感も解け、今後の進路についても前向きに考えるようになりつつあります。

 

 

Bさん73歳女性】老年性うつ病・施設に入所したため、外来受診が困難になった

Bさんは、老年性うつ病でかかりつけ病院を月に1回受診していました。ですが、最近少し遠方の施設に入所したため、月に1回病院に通うことが困難になりました。

 

また、Bさんは足腰が弱ってきており、杖を突きながらゆっくりと歩行をすることしかできない状態のため、要介護2の認定を受けています。

 

Bさんの娘は近くにいますが仕事をしており、Bさんをなかなか一緒に連れて来ることができない状態です。

 

そのため、Bさんの娘が主治医に相談したところ、訪問診療を勧められ、Bさんにもそのことを知らせると、「それはありがたい」と彼女も同意し、サービスを開始することになりました。

 

月に2回、Bさんの入所する施設へと主治医が訪問診療を行い、時には作業療法士や精神保健福祉士も同行し、Bさんに簡単な作業療法を行ったり、忙しい娘に変わり介護保険の切り替えなどの代行をするなどのサービスを提供しています。

 

また、内科的疾患がこれから現れることも考えて、施設近くの内科医とも連携を図り、Bさんの情報交換を定期的に行うようにしています。

 

 

訪問診療の注意事項

訪問診療は、主治医が患者さんの家庭や施設を訪問し、医療的処置を行いますが、往診とは性質が異なります。

 

訪問診療は、確かに医療的処置が中心ですが、患者さんの生活や社会的、心理的問題も取り上げて、それらをも含めた上で、継続的にサポートしていきます。

 

一方、往診は医療的処置を希望する際に頼む、単発的サービスという位置づけとなっています。

 

 

Misudu Kukita【執筆者】

久木田みすづ 精神保健福祉士 社会福祉士

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