地域活動支援センターとは?対象・支援内容・費用・申請方法・事例を専門家が解説

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地域活動支援センターとは?

「精神疾患を抱えながら、地域生活を営んでいるけど、ちょっとした相談や生産活動の機会が欲しい」

 

「もうすぐ病院を退院するけれど、地域できちんと生活をしていけるだろうか」

 

など、社会生活を送る上で悩みはつきものですよね。

 

そんな時は、1人で問題を抱え込むのではなく、誰かの力を借りながら、自立して自分らしい生活を送って行くことがより良いことです。

 

そんな望みを持つ皆様に、今回は「地域活動支援センター」についてお話し致します。

 

 

地域活動支援センターの対象

地域社会で暮らす精神障害者の方すべてが対象です。また、彼らの家族や知人なども、その対象になります。

 

 

地域活動支援センターの支援内容

地域活動支援センターは、障害者総合支援法に基づいた施設です。病院や社会福祉協議会、各施設などが運営母体となっています。

 

地域で暮らす精神障害者の方に対して、日常生活上の相談や就労支援、センター内でのレクレーション活動、地域住民とのふれあいなどを行っています。

 

また、必要な社会資源の紹介や支援、病院からの退院や施設からの退所後の地域移行への援助など幅広い対応を目的としたサービスを提供しています。

 

 

地域活動支援センターの費用

相談などの費用は無料です。

 

例えば、障害者の方を支援していく援助プラン作成をした際に料金が発生することがありますが、この費用は公費によってまかなわれてます。

 

 

地域活動支援センターの申請方法、利用方法

地域活動支援センターを利用したい際は、各々のセンターの窓口に利用したい旨を伝えてください。個人の相談内容に対して、専門のスタッフが相談に応じてくれます。

 

また、家事を手伝ってもらうために、ホームヘルプサービスを利用したい場合、サービスを受けるために、障害認定区分の認定を受ける必要があるため、その申請を役所にしなければならない時もあります。

 

そのような場合は、申請手続きを代行してもらえる場合もありますし、利用希望者本人や家族などが直接申し込むこともできます。

 

 

地域活動支援センターの該当する事例

【Aさん30代女性】PTSD

Aさんは、アパレルメーカーのOLとして働いていました。結婚を前提とした恋人と同棲生活を送っていました。

 

パートナーの男性がイライラしやすい性格で、何か気に食わないことがあったり、Aさんが彼の言動に対して注意をすると、激しい暴言を吐いたり、殴るなどのDV行為があり、それに悩まされていました。

 

現に、Aさんは彼の態度を思い出すだけで吐き気がしたり、悪夢にうなされるときも度々ありました。

 

何回も彼と婚約を破棄しようと思ったこともありましたが、そうしたらもっと暴力がひどくなるかもしれないと我慢を続けていました。

 

ですが、ある日ささいなことで口論となり、彼が激しくAさんをののしり、殴る・蹴るの暴力を行ったことから、近所の人が気づき、警察に通報。Aさんは、救急病院に運びこまれました。

 

また、彼はDVを行ったということで、警察よりAさんに近づかないよう処置が取られました。

 

病院での手当てでAさんは身体的には回復していきましたが、精神的に気分がふさぎ込み、何度も彼のことが蘇り、恐怖感を感じて震えが止まらないという症状が治まりませんでした。

 

そのため、Aさんは精神的な治療が必要とされ、精神科病院に転院し、仕事も退職。

 

入院治療やカウンセリングを経て、退院するまでになりましたが、Aさんは1人暮らしをすることが怖く、退院後は、病院併設のグループホームに入所することになりました。

 

それと同時に、Aさんが心が落ち着き、辛かった体験を分かち合える場所が必要だと考えた主治医は、医療専門スタッフとカンファレンスを行い、地域活動支援センターとも連携してフォローを行っていくことを提案。

 

Aさんにも話をしてみると、同じ経験を分かち合えたり、仲間と交流できる場が欲しいとのことだったので、センター内で定期的に開催されているDV被害者の当事者会に参加してみたいとのことでした。

 

このようにして、Aさんの退院支援とその後の生活をサポートしていくこととなっています。

 

 

【Bさん70代男性】認知症

Bさんは妻と娘の3人暮らし。今までは元気がとりえで、病院にかかったことがほとんどないぐらいの生活を送っていました。

 

ですが、ここ3ヶ月ほど前から、買い物に行った際に自宅が分からなくなり、自宅周辺をさまよっていたところ、近所の人に発見され、自宅に送り届けてもらう出来事が起こりました。

 

それ以来、自宅が分からなくなるということはありませんでしたが、何度も同じことを繰り返したり、娘の名前を間違って呼んだりすることなどがたびたびありました。

 

心配になった妻と娘が市役所に相談に行くと、最寄りの地域活動支援センターを紹介され、相談日の予約も取ってくれました。

 

専門員と話したうえで、Bさんは認知症の可能性があるかもしれないので、連携している認知症専門病院を紹介してくれました。

 

自分の症状に不安を抱いていたBさんも受診に同意し、診断の結果、認知症の初期症状だと主治医から言われました。

 

そのため、認知症の進行を予防するため通院をしながら、病院併設の認知症専門のディケアに通所してはどうかとのことでした。

 

また、主治医は地域活動支援センターにも協力してもらい、センタースタッフに定期的に自宅訪問をしてもらってはどうかと提案。

 

病院とセンター両者の協力の元、Bさんの認知症予防についての治療や日常生活上の相談、本人だけではなく家族の認知症への理解などを促すサービスを提供するようになり、認知症について家族ともども勉強中です。

 

 

地域活動支援センターの注意事項

地域活動支援センターは、さまざまな相談を受けることのできる場所ですが、センターによっては扱っていない相談内容もあります。

 

例えば、生活上の相談や交流の場としてセンターを提供していても、退院や退所支援は行っていない場所もあります。

 

自分の相談がそのセンターに該当するか事前に調べておいた方が良いでしょう。

 

 

Misudu Kukita【執筆者】

久木田みすづ 精神保健福祉士 社会福祉士

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