【第2話:私の父】〜お父さんうつ日記〜
今回から、私の家族のメンバーそれぞれについて少し詳しく紹介します。初めは私の父について。
私は小さい時からお父さんっ子で、父からの愛情を一身に受けて育ちました。
父のことはとても尊敬していたし、大学生になってからも一緒に買い物に出かけたり、居酒屋に行ったりするなど、とても仲良しでした。
この4コマは、そんな父がうつ病を再発してからの様子を描いています。
父のうつ病は、2年ほど前に始まりました。10年くらい前にもうつ病を患っていたので、今回は再発という形です。
再発した当時のことはよく覚えています。
再発の前日、私が夜遅くまで大学の期末試験の勉強をしていたところに、父が私の部屋のドアをノックして、開けたドアの隙間から顔を出しました。
「やっほー。まだ勉強するの?」
「うん、もう少しやってから寝る」
「そうなんだ。頑張ってね。おやすみ」
「うん、おやすみ」
といくつか言葉を交わして、父は寝ました。
私もほどなく就寝して、次の日起きて大学に行って、2つ試験を受けて、友だちと軽く打ち上げをして帰りました。
帰った頃、父は寝ていました。
母が重い空気を醸しながらリビングに立っていて、帰ってきた私を見るなり、
「お父さんまたうつ病になったから」
と言いました。
「え、なんで?確証あるの?」
と聞き返しながら、頭の中では「ウソでしょ」の5文字がひたすら駆け巡るのです。
母は冷静に、
「今日、発作起こしたんだよ。朝方、『地球が壊れる~!!』とか『そしたらローン払えなくなる~~!!』とか言ってさ。とりあえず休んで病院行くように言った」
と返しました。
「ていうか、地球壊れたらローンもクソもないじゃん。返す相手も破滅じゃん。ていうかうちローンもう払い終わってるじゃん」
と、頭の中で冷静な突込みをした後、「あ~、本当になっちゃったんだなぁ」という妙な納得感がうるさかった5文字を沈めました。
そしてしばらく呆然として、気持ちの落ち着かないまま布団に入りました。
ここから我が家のうつ病(家族)ライフがスタートしました。
と言っても、生活リズムはほとんど変わりませんでした。
病気のせいで、父は自分を責めがちになったり、「何かを決めること」が難しくなったりしましたが、以前と変わらず、犬の散歩をしたり、洗濯物をしたりしてくれるのでした。
そんな父を見て、不安に思う中にも、少し安心感を抱いていた気がします。
【第3話:私の母】を読む
【執筆】
シブ子
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- 本記事は2017年3月8日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。