ネフローゼ症候群とフルタイム勤務の両立、そして人生を謳歌するための心がけ
病気と無縁でバリバリの体育会だった大学生の頃に、突然発症したネフローゼ症候群。
今回のインタビューは、様々な異変がありつつも、まさか腎臓の病気とは思いもしなかったという、加藤寛基さん。
現在ではフルタイムのお仕事と治療と両立させながら、ネフローゼ症候群という難病に対して前向きに捉えるようになれたと言います。
加藤さんに、ネフローゼ症候群の前兆と感じた異変のこと、入院生活や再発のこと、そして難病との向き合い方の変化などについてお話しいただきました。
〈インタビュアー 近藤雄太郎〉
目次
ネフローゼ症候群発症前と初期症状
大学時代は応援団に所属していて、前兆と思われるような異変もあったのですが、所謂根性論でカバーしてしまっていた状況でした。
応援団に所属していた頃の加藤さん
異変というのは具体的にどんなものが?
それが4回生の夏頃からだんだん後輩に抜かれていくようになり、最終的には一番遅いグループについていくのもやっとの状況になっていました。
でも当時は、それが自分の鍛錬が足りないせいだと思い、より走り込みに熱を入れてしまっていました。
「持久力には自信があったのに、これくらいでなんで疲れちゃうんだろう」という感じでしたね。
そもそも自分が病気になるイメージがなかったですし、病院に行く発想自体ありませんでした。
それが4回生の夏を過ぎた頃から急激に体重が増加するようになって…。
発症発覚の直前期は、むくみが激しくなって目も開けないような状態。
お腹周りや足先のむくみも激しく、スウェットなどの緩めの服以外はほとんど着られない状態でした。
入院直前の様子
寝ていればそのうち良くなるものだと安直に考えていましたね。
腎臓の重たい病気なんて、全く想像していませんでした。
ネフローゼ症候群と診断されるまで
ただ、そこで出た診断は「肝臓の病気」とのことで、大学病院へ紹介されました。
それで翌日すぐに、大学病院を受診しました。
診断結果は前日の診断と違い、「腎臓病」。当日即入院になりました。
自分は死ぬのか生きられるのか、生きられたとしてこの先の人生どうなってしまうのか…
分からないことばかりで、不安でいっぱいだったことは覚えています。
応援団の同期からは何とかして会場に来ることだけでもできないかと言われましたが、とてもそんな状態ではなく断念しました。
当時はまだ病気になった事実よりも、そのことの方が悔しかったかもしれません。
ネフローゼ症候群の治療と再発
現在はステロイドを20mg、ネオーラルを125mg服用しています。
ステロイドを減らしていくとどこかで必ず再発してしまい、スタートに戻ってやり直し…という感じです。
最近はステロイドに身体が抵抗するようになり、再発してしまう服用量が増えてきたため、LDLアフェレーシスという血中を掃除してLDLコレステロールを除去する治療も行っています。
私の場合、風邪をひくとかなりの確率で再発しますし、激しい運動をしても再発リスクが高まると言われています。
もちろん、激しい運動をせず、飲み会にも旅行にもイベントにも行かず、規則正しい生活を毎日のように続けていれば、再発リスクはかなり抑えられるのかもしれませんが。
- 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
- 本記事は2020年5月25日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。