【臨床心理士ワンポイント解説】夫婦間でのアサーション実践術を会話例でご紹介

2021.08.15公開 2021.08.26更新

「夫婦での会話が口論になったり、ささいなことで喧嘩に発展することが増えてしまっている…」

 

夫婦仲を改善し、小さなことで毎回口論になることを減らしていくために、コミュニケーションスキルの一つである、アサーションをぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

今回は、夫婦間でのアサーティブコミュニケーションについて、会話例を挙げて臨床心理士にワンポイント解説していただきました。

 

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夫婦間でのアサーションの実践例をご紹介

夫婦の間柄は一緒にいる時間も長く、上手くいかないことがあるからと言って簡単には切り捨てることのできない関係でもあります。

 

経済面や子育てにまつわることなど、現実的な課題に共に対応していく必要もあり、よりエモーショナルなコミュニケーションも多くなってくるものです。

 

この時、「アサーティブな自己表現」を夫婦で理解しあうのは特に重要なことの一つです。

 

アサーティブな自己表現とは、

・自分の正直な気持ちや考えを相手に伝える

・相手にも関心を持ってその気持ちや考えも聴く

・適度な自信と謙虚さを持つ

・労いや感謝の言葉をかける

というように、自分の考えや気持ちも大切にしながら、相手の意見にも耳を傾けて理解しようとするものです。

 

お互いに意見が食い違うような場面で、必要以上に状況がこじれたり自分もパートナーも傷つけたりしないようにするためにも、アサーションを身につけようとするのは意味のあることだと思います。

 

ここでも、具体的な場面を想定して考えてみます。

 

【会話例①】夫婦間でのアサーション実践術

【ケース1】「夫に仕事を早く切り上げて育児に参加してもらいたい妻と、そうできない夫」

発言例:

(妻)「あなたが忙しいのもよく分かっているんだけど、もっと子どもと関わってもらいたいから早めに戻ってほしいの」

 

(夫)「君が育児を頑張ってくれているのは理解できるけど、今は忙しくて難しい。もうしばらくしたら仕事も落ち着くはずだから、少し待ってくれない?」

 

【会話例②】夫婦間でのアサーション実践術

【ケース2】妻にもっと家事を担当してほしい夫と、そうできない妻

発言例:(夫)「家事の負担が多くて、正直手が回りきらないんだ。だから、君にももう少し担当してほしい。食事の後片付けをお願いしたいんだけど、余裕ある?」

 

(妻)「朝は時間がないから難しいな。でも、大変な気持ちもわかるよ。朝はできないけど、夕飯の片づけは私がするね。」

【会話例③】夫婦間でのアサーション実践術

【ケース3】リモートワーク中の夫に家のことを手伝ってもらいたい妻と、大変さを理解してほしい夫

発言例:

(妻)「家にいるんだから、少し子供の面倒も見てほしいの。仕事をしているのは分かっているけど、休憩時間にでも相手をしてくれない?」

 

(夫)「家で仕事をするのってすごく大変なんだ。君が家事も育児も頑張ってくれてるのは知ってるし手伝いたい気持ちもあるけれど、それだけの余裕がない。休日は僕がご飯を作ったり子供たちと遊んだりするから、仕事のある日は定時の時間までそっとしておいてほしいな。」

アサーティブな方法で話し合うのは、時間がかかったりして面倒なことでもあるかもしれません。

 

それでも、アサーティブに関わりあう夫婦の方が長期間にわたって関係がうまくいくという研究もあるくらい、コミュニケーションの在り方は夫婦にとって重要なのです。

 

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【参考】

・園田雅代(2002)「概説:アサーション・トレーニング」、創価大学教育学会教育学部論集(52)

・野末武義、内田利広ら(2019)「『心の教育』を考える-家族の理解とその支援-(特集Ⅰ:第21回リカレント教育講座シンポジウム抄録)」、京都大学大学院教育学研究科付属臨床教育実践研究センター紀要

・三田村 仰、松見 惇子(2010)「相互作用としての機能的アサーション」、パーソナリティ研究 第18巻 第3号

・特定非営利活動法人アサーティブジャパン「人間関係のしんどさに悩んでいる方へ」

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鈴木さやか

臨床心理士・公認心理師

心理系大学院修士課程を修了後、臨床心理士資格を取得。福祉分野のケースワーカーとして従事したのち、公的機関でテスター兼カウンセラーとして勤務。子どもの問題(不登校、非行、発達障害等)や労働、夫婦問題をはじめ、勤労者、主婦、学生など幅広い立場への支援を行っている。

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2021年8月15日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。