【臨床心理士ワンポイント解説】発達障害とアサーションでのコミュニケーションスキル向上

2021.08.26公開

「自分の気持ちをうまく伝えられない」

「相手の気持ちを考えることが苦手」

 

といった悩みを抱える発達障害の方も少なくないかと思います。

 

今回は、アサーションを通じてコミュニケーションスキルを効果的に高める際のポイントや注意点をを臨床心理士に教えていただきました。

 

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発達障害とコミュニケーション

「他の人とどうコミュニケーションしたらよいのか分からない」という訴えは、発達障害を抱える人からよく聞かれる悩みです。

相手の考えていることを想像しにくい・・・

自分の意見をどう伝えればよいのか分からない・・・

といったことから、人と関わることに苦手さを感じたり、関わりそのものを避けたりすることもしばしばです。

 

また、

・他人の会話に割って入ってしまう

・言いたいことだけを言い切ってしまう

・きつい言い方をしてしまう

など、極端なコミュニケーションスタイルになってしまうこともあります。

 

思春期や青年期以降は微妙な対人スキルを求められることも増え、その苦労はより色濃くなってしまいます。

 

そういったことを防ぐためにも、アサーションを通してコミュニケーションについて理解を深めておくのは意味のあることだと思います。

 

発達障害とアサーション

発達障害を抱えた人がアサーションを身に着けるには、苦手な場面を想定したロールプレイを重ねることが特に重要です。

 

信頼できる人や専門家と共にロールプレイをして、そのやりとりの感覚をつかんでいきましょう。

 

また相手からのフィードバックも参考にしながら、適切なコミュニケーションの形を探っていきます。

 

テクニック的な面では、相手の話が一旦落ち着くまでは発言を待つというのも大切な点です。

 

この姿勢は、相手の話を最後まで聞くという相手を尊重した態度であり、また衝動性が高いという特性がある人にとっては他人の話に割って入らないための練習でもあります。

 

基本的に「自分の話を聞いてもらう」ということは誰にとっても心地の良い体験ですので、そういった態度を示すことでお互いの安心感を高めることにも繋がります。

 

それからもう一点、先に少し触れたこととも重なりますが、したくないことを断るために自己主張するというのも重要なスキルだと確認しておきます。

 

コミュニケーションに苦労をしたことがある人の中には、その苦い経験から自分の意見を言うことをひどく嫌う場合もあります。

 

そういった方がストレスを抱え込まないためにも、“穏やかに断る”というテクニックを持っておくと役立つと思います。

 

例えば、

「申し訳ないのですが、引き受けられません」

「ごめんね、それはしたくないんだ」

といったように、断りの前に相手への配慮をこめた一言を添えると柔らかい印象になり角が立ちにくいと思います。

 

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【参考】

・園田雅代(2002)「概説:アサーション・トレーニング」、創価大学教育学会教育学部論集(52)

・野末武義、内田利広ら(2019)「『心の教育』を考える-家族の理解とその支援-(特集Ⅰ:第21回リカレント教育講座シンポジウム抄録)」、京都大学大学院教育学研究科付属臨床教育実践研究センター紀要

・三田村 仰、松見 惇子(2010)「相互作用としての機能的アサーション」、パーソナリティ研究 第18巻 第3号

・特定非営利活動法人アサーティブジャパン「人間関係のしんどさに悩んでいる方へ」

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鈴木さやか

臨床心理士・公認心理師

心理系大学院修士課程を修了後、臨床心理士資格を取得。福祉分野のケースワーカーとして従事したのち、公的機関でテスター兼カウンセラーとして勤務。子どもの問題(不登校、非行、発達障害等)や労働、夫婦問題をはじめ、勤労者、主婦、学生など幅広い立場への支援を行っている。

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2021年8月26日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。