【臨床心理士解説】ペットロスになりやすい人の特徴とは?4つの視点から解説
「ペットロス」とは、ペットを何らかの形で失ってしまった時に心や体に不調が生じることを指します。
ペットロスと聞いて一番に思い浮かぶのはペットとの死別かもしれませんが、他にも災害や不注意で離ればなれ(行方不明)になってしまった場合や、盗難に遭ってしまった時にもペットロスは起こります。
大切なペットを失ってしまって平然とできる方はなかなかいません。
どんな人でも、程度は違えどペットロスの状態になる可能性は十分にあります。
そこで今回は、特にペットロスの状態になりやすい、またはペットロスの状態が強く出てしまう人の特徴について、臨床心理士に解説していただきました。
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ペットロスになりやすい人の特徴とは?
愛情深い
相手に向ける愛情が大きければ大きいほど、その相手を失った時の悲しみは大きいものです。
それは人に対してだけでなく、動物に対しても同じことが言えます。ペットのことを家族の一員として大切にし、愛情を注いていたのなら、その分悲しみや苦しみが大きくて当然です。
普段から身近な人に「あなたは愛情深いね」と言われたり、自分でも人や動物に対して愛情や思い入れが強い自覚がある人は、ペットロスになりやすい特徴を持っているといえます。
ですがペットロスになりやすいからといってそれが悪い特徴というわけでなく、それだけペットに対して大きな愛情を注ぐことができるという良い一面もあります。
気分が落ち込みやすい
例えば、
引っ越しや転職、部署異動など環境が変わったことで気分が落ち込んだ…
「元気がない」と身近な人に心配をされた経験や、お気に入りの食器を割ってしまってしばらく悲しい気持ちを引きずってしまった…
恋人と別れたことをきっかけに気分が落ち込んで眠れなくなった…
といった経験をしたことはないでしょうか。
そういった、環境の変化や何か(誰か)を失って気持ちが落ち込むようなことなどが何度もある人はペットロスになる可能性が十分あります。
ペットを失う、ということは、突如身近な存在を失うことであり、さらにはペットと一緒だったそれまでの生活も同時に失うことになりますので、環境がそれまでとは大きく変わります。
もともと気分が落ち込みやすい人は、ペットを失ったという事実を受け止め普段どおりの気分で日常生活を送るようになるまでに少し時間がかかるかもしれません。
依存しやすい
例えば、
これまでに恋人や友人といった誰かに依存して1人では物事を決められなかった…
その人なしには生きられないと感じて別れることに恐怖を感じた…
といった経験がある方は依存の傾向があるといえます。
人に対しての依存と同様に、ペットに対しても
「この子がいないと私は生きていけない」
「この子がいるから私は頑張っている」
と依存してしまうことがあります。
今ペットと一緒に生活しているならば、その子を何らかの形で失う(死別・行方不明等)ことをリアルに、具体的に想像してみてください。
悲しい気持ちや不安な気持ちになることは決して珍しいことではありませんが、それだけではなく、
・動悸がする
・怖くて具体的に考えられない
・涙がでてきた
・想像するだけで何も手につかない
といった状態になるのであればペットへの依存の可能性があります。
ペットロスになりやすく、回復にも時間がかかるかもしれません。
ペットと長い時間を過ごした
恋人を例にしてみると、10年間付き合った恋人と、2週間付き合った恋人では、単純に考えると(様々な事情は一旦置いておいて)、別れるときに感じる辛さは10年間付き合った恋人と別れるときの方が大きいのではないでしょうか。
それと同様に、ペットと長い間一緒に過ごし、ペットが家族・パートナーだといえるほどの絆があるときにはより一層失った時の悲しみが大きく、まるで自分の半身が失われたように辛く感じることもあります。
さいごに
以上のような特徴があるとペットロスになりやすく、またペットロスになってしまった時に苦しさの程度が強く出てしまう可能性があります。
しかし、ペットロス自体は愛するペットを失った多くの人が経験する悲しみの体験ですので、ペットロス自体を悪いものとして拒否するのではなく、大切だったからこそ感じる悲しみなのだと優しく受け止める気持ちが大切です。
そして、ペットロスになってしまった時には、その悲しみを急いで振り払おうと焦らずに自分の中にある悲しみをありのままに受け入れる姿勢が大切です。
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- 本記事は2022年9月23日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。