【臨床心理士解説】完璧主義でストレスが限界…ストレス発散のポイントと10の方法
(質問)完璧主義でストレスが限界です。完璧主義の人に効くストレス発散・解消法をたくさん知りたいです。3ほどストレス解消・発散のポイントと、10個以上ストレス発散・解消方法を教えてください。
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完璧主義でストレスを抱えてしまう特徴
完璧主義のためにストレスを抱えておられる方の多くには、その代表的な特徴として、
・自分に厳しく、ダメな部分や出来ていない部分にフォーカスしてしまう
・他人にも高い水準を求めてしまったり、しっかりとしていないとフラストレーションとなる
・高い水準を目指すため、完成までに時間を要したり完璧でないといけないと考えてしまい、柔軟性に欠けることがある
・失敗を極度に恐れ、失敗してはいけないと重いプレッシャーとなる
・完璧にできない、失敗したときにはリカバリーに時間を要し、意欲を失ってしまう
といったような特徴がみられることがあります。
完璧を目指すあまり、自他ともに厳しくなってしまい、それに伴ってうまくいかなさや息苦しさが自分だけでなく、周囲にも生じやすくなります。
プレッシャーがかかるので、満足のいくパフォーマンスが発揮できづらくなる、場合によってはうまくいかずに失敗につながってしまうこともあります。
そうなってしまうと、失敗してしまったという思いをさらに経験し、自分や他人を責めてしまいつらい思いをしてしまうことにも繋がりかねません。
【脱完璧主義】ストレス解消・発散のポイント
そういった点を踏まえ、まずはストレス解消・発散のポイントをご紹介します。
「しなければならない」「~するべき」の思考から離れる
自分や他人を息苦しくさせストレスのかかる考え方です。
自分の中のこういった思考に気づき、その考え事態を見直し、より柔軟な別の考え方を探すことが必要になってきます。
“完璧は存在しない”ことをしっかりと理解する
完璧というものは、実際にはほぼ存在しません。
見上げれば天井知らず、自分では完璧に思えても他人から見たらなにか気づく点があることもあります。
ですから、完璧というのは「自分の中の理想像」であることを理解する必要があります。
失敗は誰でもする
失敗や間違いは、人間はかならずするものです。
経験を積むにつれてなくなる失敗もあれば、経験を積んだからこそ生じる失敗もあります。
失敗や間違いは、誰でも出来る、誰がしてもいい平等の権利であるとも考えられます。
「私は間違うときがあるし、あなたも間違うときがある」
このマインドを持っていることはとても大切です。
【10選】ストレス発散・解消方法は?
①達成のための最低ライン(合格点)をみつける
→とりあえずここまでできれば合格としよう、というラインを決めると、合格したときの達成感を得られやすい。
②「まあいっか」と唱える
→完璧主義傾向を持つ方へのお勧めの言葉です。
出来ないときに責めたり恥じる必要はなく、「まあいっか」と声に出して呟くことで、完璧でない自分や他人を許し、気持ちがスッと楽になることが期待できます。
③出来たことに目を向ける
→ついできなかったこと・失敗したことにフォーカスしてしまいがちであれば、どんな些細なことでも出来た部分もしっかり見つけ出してみるといいですよ。
出来なかったことよりも出来たことを発掘すると、ポジティブな評価と変化します。
たとえば同じ60点としても100点(完璧)から点数を引いての評価と、0点から点数を足していく評価では、見方や感じ方は全く異なり、後者の方がよりポジティブな見方となります。
④褒める
→自分も他人でも、必ず褒められる部分というのがあるはずです。
完璧主義が邪魔をして、出来ない部分が見えがちな時には、一度立ち止まって③のように「達成したこと・出来たことはなんだろうか」と考えてみてください。
そしてそれが見つかったときにはそれをしっかりと指摘して褒めることが大切です。
せっかく頑張ったことがたくさんあるのですから、出来なかった一部分にそれらが埋もれて見えなくなってしまっては、今後のやる気も下がってしまいかねません。
⑤自分の中の「~するべき」「~が普通」などの思考を見直す
→これは自分自身と向き合う時間です。
自分の考え方を見つめなおし、自分はどんなことを当たり前だと思っているのか、自分にとっての普通とはなにか、を見直すことで、他人の普通との違いや、場合によっては自分の普通の基準が高かったことに気が付くかもしれません。
それらに気が付くことで、自分の考え方や価値観を知り、これまでストレスになっていたものを軽減させていくこともできます。
<そのほかいろいろなストレス解消法例>
⑥瞑想
→⑤にも似ていますが、瞑想・マインドフルネス・メディテーションと呼ばれる作業に取り組む
⑦切る・破る作業
→物を切ったり破ったりすることには、自分の中の怒りや攻撃性の発散、ストレス発散につながります。
ちぎり絵、料理などもいいですし、とにかく新聞紙など「ビリビリ」と音を立てて破るなどもよさそうですね。
⑧ストレス解消グッズ
→一般にもストレス解消グッズがいろいろと販売されています。
強く握れるボールなど、かばんや洋服のポケットなどに1つ忍ばせておいてもいいですよ。
⑨大きな声を出す
→ストレス発散をする代表的な方法です。
カラオケなどでもいいですし、お家で布団などに顔をつけて声を出すなどでもいいですね。
音楽ライブやスポーツ観戦などで、声をだすのもいいですよ。
⑩運動する
軽い運動を継続的に行うことは心身の健康に効果的であることは様々な研究によって証明されています。
激しい運動ではなくランニング、ウォーキングなど一定のリズムでの運動では、幸福感を得る物質である【セロトニン】が放出されやすくなります。
またエンドルフィンやドーパミンなど、良い気持ちにさせてくれる物質も放出されやすくなりますので、ストレス発散が期待できます。
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【参考】
自己に求める完全主義” と抑うつ傾向および絶望感との関係 桜井茂男, 大谷佳子 – 心理学研究, 1997
完全主義傾向をもつ母親の子育て場面における原因帰属・感情・対応 三重野 祥子, 濱口 佳和,2008
完全主義が抑うつに及ぼす影響の二面性: 構造方程式モデルを用いて 小堀修, 丹野義彦 – 性格心理学研究, 2002
「こころの力」の育て方(きずな出版): レジリエンスを引き出す考え方のコツ 大野裕
こころが晴れるノート:うつと不安の認知療法自習帳 大野 裕
ほか、臨床の中での経験と研修による知識によって作成されています
- 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
- 本記事は2023年2月20日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。