自己否定がやめられない原因や克服法!良い口癖を精神保健福祉士が解説

2019.01.09公開 2019.05.16更新

自己否定をする3つの原因

繰り返し繰り返し、自分に対して、否定的な言葉を投げかけるのは、自分で自分を虐待しているのと同じことです。

 

では何故、自己否定をしてしまうのでしょうか?

 

自己肯定感が低い

自己肯定感とは、自分は価値があり、愛されるべき存在と感じられる感覚のことです。

 

生きていくための、土台、根本のエネルギーのようなものです。

 

お金や地位など「何かを持っているから価値がある」というのではなく、「何も持っていないとしても、自分は価値がある」と信じられる感覚です。

 

自己肯定感が低いと、自己否定的な感情が高まり、自虐的で破滅的な行動に陥りやすいと言われています。

 

【関連記事】

>>自己肯定感を高めるには?手軽な方法10選を臨床心理士が解説

 

生い立ちに問題がある

子ども時代の養育環境は、自己肯定感の形成に大きな影響を与えると言われています。

 

特に、虐待を受けて育ったり、養育者との別離体験があったり、母子の愛着が不安定な場合、自己肯定感に影響を与えるといわています。

 

精神疾患

うつ病に罹患すると、自己否定の感情がこみあげてきます。周りの人がいくら「そんなことないよ」と打ち消しても、自己否定感が止まらなくなります。

 

なお現実に、そんなことを言っている人はいないのに「消えろ、消えろ、消えろ」といた声が聞こえてくるという場合、別の病気の可能性もあります。

 

強い自己否定感が慢性的に続き、

・眠れない

・意欲がわかない

・死にたい気分になる

など、日常生活にも支障をきたすような状態の時は、病気の可能性もあるので、メンタルクリニックの受診も検討するとよいでしょう。

 

 

自己否定の克服方法3選+良い口癖

ネガティブな口癖は、周囲にも悪影響

口癖は思考の癖でもあります。

 

ネガティブな口癖を続けていると、ネガティブな思考が更に強化されてしまいます。

 

その上、ネガティブな口癖は周囲の人にも、マイナスの影響を及ぼします。

 

最初は心配していたわってくれていた人達からも、だんだんと敬遠されるようになってしまいます。

 

ネガティブな口癖は、マイナスのオーラを噴出しているので、人が離れるのは当たり前ともいえます。

 

口癖は、感情が高ぶった時に思わず口から出てしまうものです。

 

しかし、言葉として繰り返し口に出すことで、どんどんネガティブの土壺にはまり、周囲にも悪影響を及ぼしますので注意が必要です。

 

ネガティブな口癖を、ポジティブな口癖に変えてみる

言葉は言霊といって、古くから、良い言葉を発すれば良いことが起こり、悪い言葉を発すると凶事が起こると言われています。

 

ネガティブな言葉を繰り返すと、どんどんネガティブ思考が強化されますので、理にかなっているといえます。

 

そこで、ネガティブな口癖を、ポジティブな口癖に変えてみましょう。例えば、

「あーあ、暇だな」

→「やったー!時間がある!」

という具合です。「あー暇だな」と呟いてしまうと、

「今日もやることがないな…」

→「誰からも必要とされていないな」

と考えてしまいがちですが、「やったー!時間がある!」と呟けば、

「今日は何をしようかな?」

→「やりたかったことをやってみよう」

と前向きな思考に発展します。

「無理…できるわけない」

→「すごい、ビッグチャンスが来た!」

「もうダメだ、終わりだ」

→「ま、いっか、ちょっと休んで考えよう」

「疲れた、消えたい」

→「あー今日もよく働いた!ぐっすり寝よう、おいしいものを食べよう」

「私なんて…」

→「私って、逆境を乗り越える力があるんだよね!」

自分にネガティブな口癖があることに気づいたら、今日から、ポジティブな口癖に変えてみましょう。

 

自分を大切にする

自己否定がやめられない人は、自分を粗末に扱いがちです。

 

自分に対してこそ、おもてなしをしましょう。

 

頑張って働いたら、美味しいものを食べて自分をいたわりましょう。

 

美味しい食事やおしゃれといった、ちょっとした贅沢に罪悪感を持つ人もいます。

 

特に「お前には、こんなものは似合わない、お前には贅沢だ」と言われて受けて育つと、強い罪悪感を持ったり、実際に実家の家族から嫉妬されることもあります。

 

この罪悪感や嫉妬はとても厄介なものですが、はねのけて自分を守りましょう。

 

負の攻撃をかわすコツは、自慢をしないこと。

 

美味しいものはフェイスブックなどにアップするのではなく、自分だけのフォトアルバムやダイヤリーにそっと記録しましょう。

 

謙虚な態度は自分の身を守ることにもつながります。

「自分が頑張れたのは、チャンスをくれた上司のおかげです。」

と、周りの人達への感謝は常に言葉に出すようにしましょう。

 

 

さいごに

今回は、自己否定がやめられない、原因と克服方法について考えてみました。

 

自分だけで克服が難しい時は、カウンセラーの力を借りるのも良い方法でしょう。

 

今日からぜひ実践してみてください。ご参考になれば幸いです。

 

【関連記事】

>>自己肯定感を高めるには?手軽な方法10選を臨床心理士が解説

シェア
ツイート
ブックマーク

桜衣真里

精神保健福祉士

大学院修士課程修了後、専門学校、短大講師等を経て、公的機関の相談員として勤務。精神保健福祉士、保育士のダブルライセンスで、家庭問題、子どもの発達、保育・教育・療育関連の仕事に従事。東京都出身。二児の母。

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2019年1月9日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。