幸せが怖い3つの心理とは?克服する5つの方法は?精神保健福祉士が解説

2019.02.18公開 2019.05.16更新

「幸せが怖い」を克服する5つのコツ

「呪い」をとく

「幸せが怖い」の原因を、おとぎ話風に解説すると、子どもの頃に「おまえは、決して幸せになっちゃいけないよ」と呪いをかけられている状態といえます。

 

「ええー?」と驚くかも知れません。

 

魔女ではなく、あなたの母親か、もしくは、あなたに重要な影響を及ぼす人から、このようなメッセージを受けて育つ人は案外たくさんいます。

 

与える側も、受け取る側も無意識なので、このようなメッセージの存在はなかなか気づかれません。

 

この呪いのメッセージから解放されるというのが、「幸せが怖い」を克服していくポイントになります。

 

機能不全家族

「幸せになってはいけない」というメッセージは、幼い頃から繰り返し、繰り返し、様々な場面で、間接的に伝えられます。

 

「機能不全家族」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

 

子どもが育つ上で本来必要な家庭の機能、両親の役割、団らん、地域とのつながり等が、機能不全に陥っている状態の家族です。

 

もともとは、アルコール依存者の親の下で育った子どもが成人してから、社会で生きにくさを感じることが着目され、アダルトチルドレンという概念が生まれました。

 

しかし、親がアルコール依存者でない場合も、類似の生きにくさを感じる人たちがいることから、その人たちの養育環境を分析して、機能不全家族という概念が着目されるようになりました。

 

もし、あなたが「幸せになるのが怖い」と思っているのであれば、あなたの育った家庭もある意味では、機能不全家族の可能性も考えられます。

 

あなたにも知らず知らずのうちに、「幸せになってはいけない」というメッセージを伝えられている可能性があります。

 

親の支配欲

「子どもを自分の思い通りに支配したい」

「子どもは自分の所有物だから、思い通りに支配してもよい」

と無意識で考える親は案外多いのです。

 

虐待や搾取をする親はわかりやすい例ですが、「あなたのためを思っている」と言いながら支配する場合もあります。

 

親と子は別の人格です。

 

やりたいことも能力も同じではありません。親が若い頃に理想的といわれた生き方が、子どもの時代に良い生き方とは限りません。

 

子どもが失敗を繰り返しながらも自分の能力を高め、自分の道を見つけて自立できるように、助けたり見守ったりするのが、親の役割です。

 

しかし、無意識の支配欲から「親の言うことを聞かなければ、不幸になるよ」といったメッセージを知らず知らずのうちに、発信してしまう親は案外多いのです。

 

嫉妬という呪いも

「おまえは私より幸せになってはいけない」

 

親が、何事においても自分が一番でないと気が済まない、自己愛が強すぎる未熟な人格の場合、このようなメッセージが出されることがあります。

 

このメッセージは親だけでなく、きょうだいから出される場合もあります。

「お姉ちゃんだけ、恵まれた結婚をしてずるい!」

「妹が私より恵まれているのが許せない!」

等です。

 

ヤキモチ(嫉妬)という感情はありふれたものですが、あまり激しいと、

「私が幸せになったら恨まれるのでは?呪われるのでは?」

と不安や恐怖につながっていきます。

 

自分の幸せに許可を出す

このように、成育歴の中で様々なメッセージを受け取り、幸せになるのが怖いという心理が形成されていきます。

 

中には、親が「見捨てないで」というメッセージを出していて、「不幸な親を見捨てられない」「自分だけ幸せになったら罰が当たる」と考えてしまう人もいます。

 

でも、あなたの人生はあなたのものです。

 

親やきょうだいのものではありません。あなたは自由に生きてよいのです。

 

自分の幸せに、自分で許可を出しましょう。

 

ちょっと勇気がいるかも知れませんが、

・自分が欲しいものは何か?

・やりたいことは何か?

・それを手に入れるのはどうすればよいのか?

自分で考えて、自分で決めてよいのです。

 

そして努力して手に入れた幸せは、あなたのものです。

 

 

さいごに

今回は、「幸せが怖い」の心理と、それを克服する方法について、考えてみました。

 

生い立ちから受けたメッセージには根深いものがあります。

 

一人で克服するのが難しいと感じたら、カウンセラーに相談してみるのもよい方法です。

 

「幸せが怖い」を克服して、幸せを手に入れましょう。ご参考になれば幸いです。

 

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桜衣真里

精神保健福祉士

大学院修士課程修了後、専門学校、短大講師等を経て、公的機関の相談員として勤務。精神保健福祉士、保育士のダブルライセンスで、家庭問題、子どもの発達、保育・教育・療育関連の仕事に従事。東京都出身。二児の母。

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2019年2月18日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。