幸せが怖い3つの心理とは?克服する5つの方法は?精神保健福祉士が解説
「幸せが怖い」を克服する5つのコツ
「呪い」をとく
「幸せが怖い」の原因を、おとぎ話風に解説すると、子どもの頃に「おまえは、決して幸せになっちゃいけないよ」と呪いをかけられている状態といえます。
「ええー?」と驚くかも知れません。
魔女ではなく、あなたの母親か、もしくは、あなたに重要な影響を及ぼす人から、このようなメッセージを受けて育つ人は案外たくさんいます。
与える側も、受け取る側も無意識なので、このようなメッセージの存在はなかなか気づかれません。
この呪いのメッセージから解放されるというのが、「幸せが怖い」を克服していくポイントになります。
機能不全家族
「幸せになってはいけない」というメッセージは、幼い頃から繰り返し、繰り返し、様々な場面で、間接的に伝えられます。
「機能不全家族」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
子どもが育つ上で本来必要な家庭の機能、両親の役割、団らん、地域とのつながり等が、機能不全に陥っている状態の家族です。
もともとは、アルコール依存者の親の下で育った子どもが成人してから、社会で生きにくさを感じることが着目され、アダルトチルドレンという概念が生まれました。
しかし、親がアルコール依存者でない場合も、類似の生きにくさを感じる人たちがいることから、その人たちの養育環境を分析して、機能不全家族という概念が着目されるようになりました。
もし、あなたが「幸せになるのが怖い」と思っているのであれば、あなたの育った家庭もある意味では、機能不全家族の可能性も考えられます。
あなたにも知らず知らずのうちに、「幸せになってはいけない」というメッセージを伝えられている可能性があります。
親の支配欲
「子どもを自分の思い通りに支配したい」
「子どもは自分の所有物だから、思い通りに支配してもよい」
と無意識で考える親は案外多いのです。
虐待や搾取をする親はわかりやすい例ですが、「あなたのためを思っている」と言いながら支配する場合もあります。
親と子は別の人格です。
やりたいことも能力も同じではありません。親が若い頃に理想的といわれた生き方が、子どもの時代に良い生き方とは限りません。
子どもが失敗を繰り返しながらも自分の能力を高め、自分の道を見つけて自立できるように、助けたり見守ったりするのが、親の役割です。
しかし、無意識の支配欲から「親の言うことを聞かなければ、不幸になるよ」といったメッセージを知らず知らずのうちに、発信してしまう親は案外多いのです。
嫉妬という呪いも
「おまえは私より幸せになってはいけない」
親が、何事においても自分が一番でないと気が済まない、自己愛が強すぎる未熟な人格の場合、このようなメッセージが出されることがあります。
このメッセージは親だけでなく、きょうだいから出される場合もあります。
「お姉ちゃんだけ、恵まれた結婚をしてずるい!」
「妹が私より恵まれているのが許せない!」
等です。
ヤキモチ(嫉妬)という感情はありふれたものですが、あまり激しいと、
「私が幸せになったら恨まれるのでは?呪われるのでは?」
と不安や恐怖につながっていきます。
自分の幸せに許可を出す
このように、成育歴の中で様々なメッセージを受け取り、幸せになるのが怖いという心理が形成されていきます。
中には、親が「見捨てないで」というメッセージを出していて、「不幸な親を見捨てられない」「自分だけ幸せになったら罰が当たる」と考えてしまう人もいます。
でも、あなたの人生はあなたのものです。
親やきょうだいのものではありません。あなたは自由に生きてよいのです。
自分の幸せに、自分で許可を出しましょう。
ちょっと勇気がいるかも知れませんが、
・自分が欲しいものは何か?
・やりたいことは何か?
・それを手に入れるのはどうすればよいのか?
自分で考えて、自分で決めてよいのです。
そして努力して手に入れた幸せは、あなたのものです。
さいごに
今回は、「幸せが怖い」の心理と、それを克服する方法について、考えてみました。
生い立ちから受けたメッセージには根深いものがあります。
一人で克服するのが難しいと感じたら、カウンセラーに相談してみるのもよい方法です。
「幸せが怖い」を克服して、幸せを手に入れましょう。ご参考になれば幸いです。
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- 本記事は2019年2月18日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。