失恋が辛い…仕事へ影響を出さない5つのコツとは?臨床心理士が解説

2019.04.05公開 2019.05.16更新

失恋が仕事に与える3つの影響

1.仕事での集中力が低下する

恋愛によって得ていた幸福感を求めて、脳が元の恋人を求め続けるということが研究で明らかになっています。

 

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この脳の仕業で、失恋後は寝ても覚めても、1日中別れた恋人のことを考えてしまうのです。

 

当然、仕事中も恋人のことで頭がいっぱいに。

 

恋愛の幸福ホルモンは強烈で依存的。

 

あなたの精神では抗えないほど中毒になっていると、しばらくは仕事での集中力も低下してしまいます。

 

2.身体が思うように動かなくなる

上述したように、失恋は様々な身体的苦痛を生み出します。

 

頭痛・全身の筋肉痛・肩こり・足のむくみなどが、ストレスホルモンによって引き起こされるのです。

いつもどおりに通勤しているだけなのに疲れる、

まだ午前中なのに身体がだるい、

お昼ご飯を食べた頃にはクタクタ…

軽く昼寝をしないと午後は全く仕事にならない

といったことも起こる可能性があります。

 

3.仕事へのやる気がわかなくなる

恋愛中の幸福感はわたしたちにたくさんのエネルギーを与えてくれます。

・恋人との将来を考えながら、キャリアプランを描く

・結婚するために仕事での昇進を狙って仕事に精を出す

といった仕事に向き合うエネルギーの種となり、わたしたちの背中を押してくれるのです。

 

しかし、失恋によってこれらのモチベーションも同時に失うことになります。

 

「なんのために働くのか?」といった仕事に対するモチベーションを維持することが難しくなることもありえます。

 

 

仕事へ影響を出さない5つのコツ

1.あえて失恋に対して向き合う時間を持つ

人間は「絶対にだめ!」と言われるとやりたくなるということがわかっています。

 

ある心理学の実験によると、「絶対にこのことを考えないでください」と言われた人たちは、そうでない人たちと比べて、そのことを忘れることができなくなるということが明らかになっています。

 

これは失恋でも同じです。

「もう終わったこと、これ以上考えても、関係はもとに戻らないから考えるのを止める」

と心に決めて、ストレス発散の暴飲暴食に走る…というのはよく聞く話ですね。

 

でも実はこれは心理学的に言うとNG。

 

「考えるのをやめよう!」と思うほど、考えてしまう。忘れられなくなってしまうのです。

 

失恋の対処法としておすすめなのは、ひたすら考え抜くこと。

 

失恋後の男女を対象とした実験では、9週間定期的に失恋について考えた人たちのほうが、忘れようとして考えなかった人たちと比べて、失恋からの立ち直りが早いことがわかっています。

 

まずは、定期的に失恋に対して向き合う時間を持つことが大切といえますね。

 

2.依存から抜け出す“新しい習慣”をつくる

恋愛には依存性があることを先ほど説明しました。

 

これはホルモンだけでなく生活においても同様です。

 

恋人がいるとき、ルーティーンのようなものがありませんでしたか?

・朝メールをする

・お昼には食べたものを報告する

・帰る時にスタンプを送る

など、どんな些細なものでも良いのですが、何かしらの習慣があると思います。

 

依存症の治療で重要になるのは“習慣化”から身体を切り離すこと。

 

つまり依存となっていた対象(タバコ・お酒・薬など)を使っているその“ルーティーン”を消去し、新しいルーティーンに置き換えることで依存状態から切り離していくのです。

 

恋愛も同じです。

 

恋人と築き上げたルーティーンを消去し、新しいルーティーンに置き換えましょう。

 

3.普段より小さな仕事を片付ける

失恋の最も辛い気持ちは3ヶ月で消えていくことがわかっています。

 

この3ヶ月は上述した集中力の低下やルーティーンから抜けられず、気持ちの落ち込みが続く…といったことが生じる期間となります。

 

「3ヶ月間は集中できない!」と前もって決めてしまい、ミスが生じても困らないような簡単な作業や仕事に集中するのもおすすめです。

 

4.辛い気持ちを紙に書く

トラウマなどのストレスを解消するために用いられる方法として、

“辛い出来事を紙に書く”

という方法がとられることがあります。

 

言葉にするより、紙に書くほうが論理的に書こうとするため、

・何が辛かったのか?

・何がいけなかったのか?

を冷静に見つめることができます。

 

5.辛い人と気持ちを分かち合う

失恋の発散方法として、

人と話すことは有効

です。

 

ただし、このとき注意すべきは相手も“辛い状態である”人であるかどうか。

 

ちょうど同じように失恋したばかりの人ならなおさら良いです。

 

カウンセリングにはエンカウンターグループというものがあります。

 

これは同じような悩みがある人達で集まって悩みを話し合うというものです。

 

海外ドラマだと禁酒会などで皆さん見かけたことがあるかもしれません。

 

同じくらい悩んでいる相手と話したほうが、悩みを解決する糸口が見つけやすくなります。

 

 

さいごに

失恋は想像以上に日常生活へ影響を与えます。

 

しかしながら、

“最高の結婚のためには3回の失恋が必要である”

という言葉もあります。

 

今は辛い気持ちでいっぱいだと思いますが、将来は必ずあなたの糧になります。

 

様々な工夫で、最も辛い3ヶ月をまずは乗り越えていきましょう。

 

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広瀬絵美

臨床心理士

心理学の大学を卒業後、広告会社にて勤務。退職後、心理系大学院修士課程を修了し臨床心理士資格を取得。精神科病院にて従業員のメンタルヘルスケア業務に従事する。また、国立研究所にて職場組織や妊婦さんのメンタルヘルスに関する研究にも携わっている。理想的な「ワークライフバランス」を目指し、研究と実践の両面から支援を行っている。一児の母。

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2019年4月5日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。