【引きこもりのご家族向け】8つの対処法と声掛け例を臨床心理士が解説

2016.09.01公開 2019.05.16更新

CRAFTに基づく8つの対処法

このCRAFTの中のコミュニケーション方略が、個人的には秀逸だと思っています。

 

以下、引きこもりに対するCRAFTから抜粋してまとめているので8つになっていますが、元のCRAFTでは、7つの方法になります。

 

①会話する時間を短くする

・長い話は、本人を退屈させる。

・また、過去の話しを蒸し返しやすくなる。

・なるだけ30秒以内に会話を終わらせる。

・ポジティブな終わり方をするように心がける。

【例】

×「また、そんな言い方で怒って!あなたは、昔から、こんなことを繰り返してるのよ。いつもそう。そんな言い方をしているうちは、変わらないよ」

 

◯「怒ったように言われると、悲しくなるから、もう少し優しい言い方をして、ちゃんと聞くから。」

 

②「して欲しくないこと」ではなく、「して欲しいこと」を伝える

禁止をされると感情的なわだかまりが生じ、どんな行動を取っていいか分からない。なるべく、して欲しいことに言葉を変えて伝える。

【例】

×「インターネットばかりするのはやめなさい」

◯「時々は、外に出て散歩をしてみたら?」

 

③特定の行動について言及する

態度、考えを取り上げて会話を進めると変化が分かりづらい。なるべく、特定の行動を取り上げて会話を行うと、本人・家族の両者にとって変化が分かりやすい。

【例】

×「家にいるときは、手伝いをしてよ」

◯「家にいるときは、お茶碗をあらってよ」

 

④自分の気持ちを把握する

自分が怒りを感じた場合、それを遠回しに伝えてしまうと、相手を遠回しに非難しているニュアンスになってしまいます。

 

自分の気持ちを伝えるか否かは慎重に考える必要があるが、自分の気持ちを把握することは必要になります。

【例】

×「そういうことをやっていると、周りの人にどう思われていると思う? あなたは、どう思うわけ?」

◯「そういうことをやっていると、私は悲しくなるのよ」

 

⑤本人の気持ちに共感する

共感がないコミュニケーションをとり続けると、相手が頑なになってしまいます。本人なりの辛さに共感することで、頑なな態度に理解を示しましょう。

【例】

×「そういうことばかり言っていても何も始まらないよ」

◯「確かにこの状況だと、もうなにをしても変わらないって絶望的になると思う」

 

⑥部分的に責任を受けいれる

変化の過程で、本人は家族にも責任があると言う時があります。

 

その際に、その言い分を認めることで、頑なな姿勢をとき、変化へと繋げましょう。

【例】

×「お前が悪いって、いうけれどさ。そういやって人のせいにしかできないと何も変わらないぞ」

◯「確かに、私の言い方が厳しかったり、お前の気持ちに合わないこともあった。」

 

⑦悪循環に入っていることを悟らせる(自省を促す)

今の行動を続けていくとどうなるかについて、考えてもらうようにしましょう。

【例】

×「このまま、家にずっと居ても何も変わらないぞ!」

 

◯「このまま家にずっといたら、傷つかなくてすむかもしれない、でもそれも何十年も続くわけではないからね」

◯「このままずっと家にいたら、10年後、20年後は、どうなっていると思う?」

 

⑧支援を申し出る

たとえ、援助を拒んでいるように見える人でも、何かのタイミングで助けて欲しいと漏らすことがあります。

 

また、支援を受けてもいいかなと思う時もあります。

 

そのチャンスが巡ってきた時に、支援を申しでて、なおかつ相談機関の受診も迅速に行いましょう。最善の策は、その日に受診することです。

【例】

×「まずは、外出することからはじめてみなさい」

◯ 「まずは、どんなことから手伝えそう?」「今から、明日受診できるところがないか探してみるね」

 

さいごに

引きこもりから抜け出すための特効薬はありませんが、日頃のコミュニケーションといった小さな一歩から変えてみることは、とても大切なことになります。

 

少しずつでも練習し、ご本人やご家族が自信を深めていくことができれば、ご自身を変える一歩になるのではないでしょうか。

 

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矢野宏之

臨床心理士

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  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2016年9月1日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。

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